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ロシア大統領選: プーチン首相の大統領選出に「黄信号」

2012-01-03 | 2012年、四大大統領選挙の現状
2012.1.2


31日付けのモスクワ発のロイター電は、「ロシア政府は抗議デモ参加者60人を逮捕」と報じ、それをFinancial Timesが転載している。

12月4日の議会選挙後、選挙の不正操作に怒りの声を上げるデモがロシアで相次いでいるが、厳寒のモスクワ市内各所で発生したこの日のデモは、反プーチン勢力の声が沈静化していないことを如実に物語っている。

そして、このデモは、来る3月の大統領選での、「プーチンの大統領返り咲き」、ないし「メドベージェフ現大統領との政権たらいまわし」に対する民意の離反であり、「プーチン帝国の腐敗構造」への明確な「ニエット」である。

さて、プーチンの新年あいさつなるものを見てみよう。

「2011年も押し詰まったが、危機はここかしこで起こっている。集会や選挙も行われているが、こうした事態に対して、国民に対して何を願っておられるか?」との国営メディア「Voice of Russia」 のインタビューには次のように答えている。

「まさに世界経済はおっしゃるように安定化していない。そうした中、ある意味、ロシア国内には種々の心配の種があるにはあるが、「安定した島」のようなもの。

すなわち世界が苦しむ経済危機からは、すでに我が国は脱したといえる。わが経済には勢いが付き、来年こそ良い年になると確信している。

今、混乱状態にあるので、こういう時には政治家は選挙民の心理を操ろうとするのだ。すべてが、大変動のさなかで荒れているが、これは民主化したことの避けがたい代償である(the inevitable cost of democracy)。特に異常なことは何もない。(There’s nothing unusual here)」と言い切っている。

抗議行動はこの年末放送の直後に起こった。

このプーチンの不敵とも取れる発言は、選挙を力でねじふせる自信の表れなのかもしれない。しかしもう一度、選挙の不正操作や、力での弾圧、金銭による買収があからさまにおこなわれたら、今度は国際世論が許さぬ事態となるであろう。


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