連日国際的な経済ニュースのトップ記事となっている、Liborをめぐる疑惑の構造と実害について一般人には非常にわかりづらい。そんななか、17日、月曜日のFinancial Timesが報じた、バーナンキ米連邦準備制度(Fed)議長の議会証言報道は、きわめて簡明にその問題点を浮き彫りしている。
その見出しは、"Libor 'structurally flawed',says Fed"(「Liborには構造的欠陥がある)となっている。同議長の証言によると、「Liborには構造的欠陥がある」と断定したうえで、「世界中の住宅ローン、デリバティブ取引、企業への貸付の指標金利となっているこの(ロンドン銀行間取引)金利への信用回復のためには、対策の必要性があると思う」との意見を開示した。
さらに同氏は、「2007年末にかけて、英国の各行は、自行の借り入れ可能Libor金利を、英国銀行協会に対して過少に申告しているらしいとのうわさが耳に入っていた。当時から、連邦準備制度内で、事態を懸念する声が上がっていた」と証言。問題は2007年、すなわちリーマンショックの前年には、問題が把握されていたことを明らかにした。
その後、2008年4月に至って、現在渦中のBarclays銀行の行員が、連邦準備制度に対して、「自行が低い金利で他行から借り入れられるほどの信用力を維持していると誇示するために、過少申告をしている(underball its Libor submissions)」と告白証言をしたという。それに基づき、連邦準備制度は、2008年5月1日に、英国銀行と、銀行協会に対して6項目からなる改善提案をしたが、そのうち2項目しか採用されなかったと、具体的な経緯を明かにした。
当初、この過少申告は銀行の見栄(avoiding appearing weak)のためと連邦準備制度も見ていたが、その後の調査で、この操作(manipulation)が、利益のため(for profit)であったことが、明確にとなったという経緯があるという。
この、バーナンキ議長の議会証言は、同じ17日に行われたキング英国中央銀行(the Bank of England)総裁の議会公聴会における証言と真っ向から対立するものである。同総裁は、「虚偽申告(deliberate misrepresentation)の事実は2週間前に報道された時初めて知った」と堂々と証言したのである。
この対立する二つの証言は、大西洋を挟んだアングロサクソン金融支配構造の問題点が浮かび上がらせたという点で大変興味深い。そしロンドンの金融支配力の象徴であるシティ(the City)の支配力構造の源泉が闇から浮かび上がってきたという点でも興味深々である。これからしばらくこの問題を織り上げていこう。
その見出しは、"Libor 'structurally flawed',says Fed"(「Liborには構造的欠陥がある)となっている。同議長の証言によると、「Liborには構造的欠陥がある」と断定したうえで、「世界中の住宅ローン、デリバティブ取引、企業への貸付の指標金利となっているこの(ロンドン銀行間取引)金利への信用回復のためには、対策の必要性があると思う」との意見を開示した。
さらに同氏は、「2007年末にかけて、英国の各行は、自行の借り入れ可能Libor金利を、英国銀行協会に対して過少に申告しているらしいとのうわさが耳に入っていた。当時から、連邦準備制度内で、事態を懸念する声が上がっていた」と証言。問題は2007年、すなわちリーマンショックの前年には、問題が把握されていたことを明らかにした。
その後、2008年4月に至って、現在渦中のBarclays銀行の行員が、連邦準備制度に対して、「自行が低い金利で他行から借り入れられるほどの信用力を維持していると誇示するために、過少申告をしている(underball its Libor submissions)」と告白証言をしたという。それに基づき、連邦準備制度は、2008年5月1日に、英国銀行と、銀行協会に対して6項目からなる改善提案をしたが、そのうち2項目しか採用されなかったと、具体的な経緯を明かにした。
当初、この過少申告は銀行の見栄(avoiding appearing weak)のためと連邦準備制度も見ていたが、その後の調査で、この操作(manipulation)が、利益のため(for profit)であったことが、明確にとなったという経緯があるという。
この、バーナンキ議長の議会証言は、同じ17日に行われたキング英国中央銀行(the Bank of England)総裁の議会公聴会における証言と真っ向から対立するものである。同総裁は、「虚偽申告(deliberate misrepresentation)の事実は2週間前に報道された時初めて知った」と堂々と証言したのである。
この対立する二つの証言は、大西洋を挟んだアングロサクソン金融支配構造の問題点が浮かび上がらせたという点で大変興味深い。そしロンドンの金融支配力の象徴であるシティ(the City)の支配力構造の源泉が闇から浮かび上がってきたという点でも興味深々である。これからしばらくこの問題を織り上げていこう。