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新ニュー・ディールの導入 The new New Deal

2008-10-16 | 米国・EU動向
2008-10 No.016

本日のFTは一面を割いて、米国における大きなパラダイム変化を分析しています。

共和党政権による金融危機に対する緊急対策は、市場経済を宗とするAmerican capitalismの終焉であり、「大きな政府」(the return of big government)の時代への回帰、すなわち大恐慌のときにルーズベルト大統領が導入したニュー・ディールの再来ではないか? 

金融機関に対する公的資金の注入決定に際してのポールソン財務長官の言葉―objectionable but necessary(いやだけれどやらなければいけない)が、「小さな政府」を標榜してきた共和党の苦渋をみごとに表しています。
 
大統領選の中でも、マケイン共和党候補ですら「ウオール・ストリートの貪欲」を攻撃することにかけてはオバマ候補に引けを取らないのが現実です。また世論の動向を見ると、「規制撤廃」(deregulation)はもはや金融危機の原因として非難の対象でしかなくなり、何らかの規制強化による金融界の規律回復はもはや常識と化した感があります。

オバマ政権が誕生すれば、政府の財政出動による公共工事などの推進を行い、需要創出による所得の再分配を行うニュー・ディール政策が導入されるかどうかを別にしても、健康保険を国民皆保険とする改革が行われことはまず間違いないと予測されます。

アメリカ人をアメリカ人たらしめている「自由と自己責任」、「市場原理主義」から決別し、「新しい社会契約」の時代に入るのかの分岐点にあるのが現在の米国の状況だということです。


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