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「善玉ガンマンを学校に配備せよ」全米ライフル協会声明 A 'Good Guy With a Gun' in Every School

2012-12-22 | 米国・EU動向
またまた起こった米国における学校での銃乱射事件。26人ものの人命が無残にも奪われて全米ライフル協会(the National Rifle Association:NRA)の反応が注目されていたが、協会会長と副会長の二人が、金曜日に記者会見に応じた。

その言葉は、われわれを驚かせるに十分であるが、さすがの銃社会の米国民も、多くは反発するか当惑気味であるとNY Timesが報じている。

副会長いわく、「全米各校に武装警備員を配備すべきだ。武装警備員がいたら防げた事故だったのだ。本当に責められるべきは銃ではなく、暴力をあおるTVゲームであり、ニュースメディアであり、弛緩した警察力だ。」

副会長が、「悪玉ガンマンを止められるのは、善玉ガンマンしかいない」といったところで、その言葉は抗議の声にかき消されたという。こうしたNRAの言説は、多数の学校関係者、警察当局者、政治家各層から、「笑止千万、正気の沙汰にあらず」と受け止められていると、NYTは報じている。

副会長は、「あらゆる銃規制の訴えに耳を貸すつもりはない」と言い放ち、二人は、記者団からの「オバマ大統領と、今後話し合っていくのか」という質問を無視して、会場をそそくさと立ち去ったという。

米国では銃を持つことは国民の権利であることが、憲法で保障されていている。そして身分証明書さえあれば、すぐに重火器まで購入することができる社会である。これからもこの状況は変わることはないだろう。



ちなみに、市民の武装による自衛権を認めたものされている米国憲法修正第2条を、次に掲げて置こう:

"A well regulated Militia, being necessary to the security of a free State, the right of the people to keep and bear Arms, shall not be infringed." (修正第二条 規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保蔵しまた携帯する権利は、これを侵してはならない)

米国憲法は、1788年に独立13州の批准を経て成立したが、英国の権利章典に照らして、国民の権利保護が十分でないとする批判が相次ぎ1791年に10ヶ条の修正が追加された。米国人はこの修正10ヶ条を自分たちの「権利章典」(Bill of Rights)と呼んでいる。しばしば映画やニュースで、耳にする表現に、"Take the Fifth"がある。これは修正第5条に定まれた諸規定のうち「黙秘権」を行使するという意味である。現在米国憲法には27ヶ条にのぼる修正条項が存在する。


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