2011-9-5
今朝のFTの見出しは、『ユーロ危機の最悪事態はまだこれから』となっている。
危機打開シナリオは、程よい景気回復(a moderately strong economic recovery)に支えられていなければならないのに、その景気見通しがお先真っ暗だとの論評である。
ギリシャの対策は、合意から6週間たたずして破たんした。大不況真最中、しかもすべての景気予測指標は全滅状態。財政再建計画は手の施しようがない“out of control”状況にある。
イタリア中央銀行は、緊縮政策(austerity program)景気後退の引き金になるとの懸念を自ら公表している。
ユーロ圏の銀行再建のための資本増強(recapitalization)戦略構想も、景気悪化の重みに自壊しつつある。資本増強必要額に関して先週IMFとユーロ金融政策当局は激論を交わしたとの報道であるが、本当に必要な資本注入必要額は、景気の現状からみて、IMF提示額ですら、現状を過少評価していると、FTはいう。
金融・財政政策を各国の主権にゆだねたまま、単一通貨で、実力のあまりに違う国々を束ねるユーロは、20年でその役目を終えようとしている。そう読めるFTの悲観論である。