もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

さとり世代と路上呑み

2021年05月01日 | 社会・政治問題

 飲食業の時短営業や営業自粛に伴って、若者を中心とした「路上呑み」が報じられている。

 コロナ禍以前の路上呑みは、ローン支払いや子供の学資負担のしわ寄せとして小遣いを削られた中年者が、コンビニ駐車場等で缶酎ハイ片手のささやかな交流を、多少の後ろめたさを「パーキング・バー」「ガレージ・バー」と自虐して行っていたと思っているが、映像で見る昨今の路上呑みは、若年者が文字どおり歩道脇や公園内で人目もはばからずに開いているようである。
 現在20~30代前半の若者は「さとり世代」と称されるので、傍若無人に自己主張する「ゆとり世代」よりも穏やかで一応の常識を備えたように変化したのかと思っていたが、そうでもないようである。
 ウィキペディアでは《「さとり世代」の特徴は「欲が無い」「恋愛に興味が無い」「旅行に行かない」などが典型例として指摘され、休日は自宅で過ごしていることが多く、「無駄遣いをしない」「気の合わない人とは付き合わない」傾向が高い》とされていたが、路上呑みを観る限りいささか実情を反映した括りでは無いように思われる。
 もともと不特定多数の一団の思考や行動様式を一括りにすることは無理があったのであろう。「段階の世代」という括りには、戦後復興による出生数の爆発的な増加を受けて住宅・教育・年金等の社会インフラ整備の必要性から呼ばれたものであり、該当者の特質や性向を指すものでは無かったと思うが、後発の「ゆとり世代」や「さとり世代」は、社会背景よりもそれによって引き起こされたとする行動様式や思考に重点を置いているように思える。
 また、「さとり世代」と云う言葉も、2013年の「新語・流行語大賞」にノミネートされたものの、認知度は「ゆとり世代」に遥かに及ばないようである。
 退職以前には「ゆとり世代」とも交流があったためにネーミングはある程度彼等の特質を捉えていたと思っていたが、「さとり世代」はそれほどの重みと深さは無いようであり、さとり世代の色メガネはかけないことが望ましいように思える。

 話題は変わるが、昨今ラーメン屋やファストフード店で若者のみならず中高年者にも帽子をかぶったまま喫食する人を良く見かける。聞くところでは、ハットかキャップのどちらかでの着帽喫食はマナー違反ではないとされるが、古来から日本では食事の際には帽子や被り物を取ることがマナーや礼儀であるとされている。
 若者が「路上呑み」に違和感を感じなくなったのも、着帽喫食をする中高年の背中を観た結果であるかもしれない。子供の時から、箸の持ち方を教えると同時に、立ち食い・着帽喫食は「みっともない」ことを教育して欲しいものである。


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