もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

京都市長選とれいわ新撰組を考える

2020年01月27日 | 野党

 京都市長選で「れいわ新選組」がキャスティングボードを握っている様相が報じられた。

 選挙戦は与野党5党が相乗りする現職に、共産党とれいわ新選組が推薦する新人が挑戦する一騎打ちと伝えられている。京都府はもともと共産党勢力が強い地域であるが、さらに前回の総選挙で躍進したれいわ新選組が応援することで、新人有利とする観測も伝えられている。あらゆる選挙における革新候補の常套句は「○○を変える」であり、今回の新人候補や推薦政党も「京都を変える」と呼号しているが、地方選挙であることもあり「何を」「どう変えるの」かまでは伝えられていない。れいわ新選組の影響が大きいとされているので同党の政策提言から変化要求の動向を窺おうと試みた。政策提言を列挙すると、「消費税廃止」、「物価の強制的な引上げ」、「空き家等を活用した公的住宅拡充」、「奨学金徳政令」、「全国一律最低賃金1500円(不足分は政府補填)」、「生活保護基準引き下げ」、「公務員増員」、「一次産業戸別所得補償」、「防災庁創設」、「公共事業・公共投資拡大」、「デフレ脱却のため一人月3万円を長期給付」、「国債の増額」、「日米地位協定の改定・辺野古基地建設中止・普天間即時運用停止」、「トンデモ法(TPP協定・PFI法・水道法・カジノ法・漁業法・入管法・種子法・特定秘密保護法・国家戦略特別区域法・所得税法・派遣法・安全保障関連法・刑訴法・テロ等準備法等)一括見直し・廃止」、「原発即時禁止・エネルギーの主力は火力、自然エネ」、「障がい者福祉と介護保険の統合路線見直し」、「DV・虐待のない社会実現」となっており、将に地上の楽園・桃源郷を目指しているものの、石油でも出てこない限り実現は困難であるように思える。これらの施策の多くが国政の場でしか実現困難なものであるため、今回の市長選挙での選挙公約には盛り込まれていないであろうが、例えば全国に先駆けて最低賃金や一次産業戸別所得補償の自治体負担を公約した場合、そのバラ色・バラマキ公約は市民の投票行動に直結するであろうが、将来の財政負担は想像を絶する額になるのではないだろうか。れいわ新選組の支持・躍進の将来に、バラマキ公約で政権を握ったものの3年で見限られた民主党の軌跡を想像するのは自分だけだろうか。

 かって少なからぬ自治体が革新・若しくは革新系の首長を選択したが、地方交付金に依存する3割自治の脆弱性と地方自治法のために目覚ましい実績を挙げられなかったように思う。それどころか、箱物行政改革としてコミュニティーセンターを民営化した結果、利用料金の値上げや使用時間の短縮等を招いた例も耳にする。欲しいものは何でも差し上げますという政党よりも、大多数の幸福実現のため勇気をもって負担を求める政党の方が信頼できる気がするものの、残念ながら現在の既成政党には見当たらないのではないだろうか。


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