熱海の土石流参事、時が経つにしたがって「人災」の様相がだんだん濃くなってきた。
樹木を伐採して常識外の土盛りの造成、産廃物まで投入していたというではないか。
工事の許可を与えていた行政から、平成10年ごろに違法の事実が分かった段階で工事
中止を求めたが業者は無視とか。
こんな違法業者にもっと強い行政命令が出せなかったのだろうか。
違反した業者の責任が一番大きいが、造成禁止を出した行政もその後何も手を打たずに
放置していたとなれば、その責任も重い。
今度のような土石流参事はもう繰り返してほしくないが、全国的に見て危険な造成地が
たくさんあるという。
近年、想像を超える豪雨が当たり前のように襲っている。
このままじゃ同じような土石流事故が続発し、悲劇を繰り返すこともあると警告する専
門家もいる。
こんな人災を大雨ごとに繰り返していると、開発の遅れた国で大規模な人災を起こして
いることを笑えなくなる。
この惨事から思い出す風景がある。
南米ボリビアを訪れた時、標高4000メートルの首都ラパスの市街地の異様な景色に
慄然とした
山を削り赤茶けた地肌をむき出しにしたすり鉢状の市街地に、人家が密集している。
ガイドによればふもとの平地には上層階級の人々、山腹から頂上にかけて所得の低い人
が住んでいるという。
この地方は雨が極端に少なく、こんなすり鉢状に造成してもがけ崩れや土石流の心配な
いとか。
でも地球規模の気候変動が起こっているから、この国にもいつ雨季が訪れるかもしれな
いだろうに。
ボリビア・ラパスのすり鉢状に広がる市街地
夜景は観光資源になっているが・・・