リュウ庵

尼崎市住む猫大好き人間。
駄文を書くのも好きです。

「富士日記」風に似せて

2021-09-30 11:54:53 | 日記

足元にも及ばないが、武田百合子さんの名著「富士日記」風の日記を綴ってみた。

(百合子さんは毎日の買い物、3食のメニュー、出会い、日常の出来事など主観を

交えず、淡々と書き記している)

 

9月29日(水)午前中晴れ間が覗いていたが午後になって雲が厚くなる。

日差しはまだ夏の名残があるが、朝雨戸を開けた時さっとなでる風が心地よくなり、

一層の秋を感じさせる。明日から10月。

 

朝 トースト1枚、牛乳(シアリス入り)、自家製ヨーグルト、トマト、冷凍ブル

ーベリー、黄な粉。

昼 ごはん、昨夜食べ残したクリームコロッケとビーフカツ、グレープフルーツ。

 

食後、本を読んでいると珍しくカナが膝に乗ってきたので、しばらく首を掻いて付

き合ってやったがすぐに飽きたらしく、ぷいと行ってしまった。

空気が乾燥しているので、フジバカマのプランターなどに水を撒く。

フジバカマの蕾がピンク色に染まり、アサギマダラの飛来が待ち遠しい。

 

暫く自民党総裁選挙のテレビ中継を見る。

4人の候補のうち、河野さんは全国の党員投票の支持が一番多く、次いで岸田、高市、

野田さんの順。

党員の支持が多くても、国会議員を含めた投票で過半数を取れなければ総裁にはな

れないのが自民党総裁選挙制度の特徴だ。

今回も候補者4人は誰も過半数に達しなかったので決選投票にもつれ込み、岸田さ

んが菅総裁の後継者に決まり、日本の次期首相に選ばれることになった。

民意に近い全国党員の支持を圧倒的に得ていた河野さんじゃなくて、国会議員の支

持を多く得た岸田さんが選ばれたことは、国民と永田町の意識のずれを象徴してい

る、と言えないか。

 

総裁選の結果を見届けてから、夕方、近くのスーパーに夕飯の食材を買い出しに行く。

若どりもも肉400円、トマトとミニトマト836円、アスパラガス2束396円、

チーズ入りちくわ磯辺天ぷら298円、キュウリ3本158円。

仏さんの花カスミソウ、スターチス、スプレーカーネーションの花束合計994円。

5時、カナのディナー・タイム。缶詰とカリカリ乾燥食事。水も変えてやる。

 

夜 ごはん、鶏肉ときゅうりの甘酢煮(ミニトマト入り)、ちくわの磯辺天ぷら、

アスパラのバター炒め、もずく。

 

夜テレビをかけても自民党総裁選挙結果と今後の政局のことばかり。

我がタイガース、今夜も広島カープに負けた。

夏までぶっちぎりで首位を走ったが、正念場に来て疲れ?もろさ露呈、16年ぶり

の優勝は無理だろうか。ヤクルト、巨人も負け付き合いのいいこと!

 

  🌻フジバカマ、10月の備え

   🌻蕾は色づく

   🌻マリーゴールドはまだ元気


思い出って奴は

2021-09-28 11:44:23 | 日記

数年前から部屋にでんと居座っていたブラウン管テレビを、やっと処分した。

今見ているテレビの寿命が来たので、新しく4Kテレビに買い替えたのを機

会に、電気店に有料で引き取ってもらった。

なんで今頃まで使えもしない古いテレビが残っていたのかというと、孫たち

がテレビゲームで使っていたから。

その孫たちも大きくなって社会人になったけど、古テレビは成長もせずじ

と部屋の隅っこで存在し続けた。

テレビの前にくると、孫たちが喜々としてゲームに夢中になっていたころの

姿が目に浮かび、つい口元がほころぶ。

「もう処分しなければ」と思いながら、なぜか踏み切れなかったのは、そん

な幼い孫たちの思い出が詰まっていて、何となく捨てるのが惜しいような、寂

しいような気がしたからかもしれない。

 

思い出というヤツはなくてはならないものだけど、結構、厄介なものだ。

亡くなってもう20年近くなるというのに、カミさんの衣服もまだ半分ほど

処分しきれずクロークに残っている。

ブランド物が嫌いだった彼女、衣服はコープや通販で揃えたものが大半で

値の張る物はないが、「思い出の衣服」となると軽々に処分ができない。

思い出が絡んでくると、「断捨離」と一言で片づけられない。

 

絵本も同じような思い出が詰まっていて、段ボール箱に入れたまま「保存」

している。

毎晩、寝る前に布団の中で読み聞かせた「スーホの白い馬」や「大きなか

ぶ」「モチモチの木」など、この歳になっても懐かしく読み返しているから、

どうしようもない。

 

私のような優柔不断、グズな性格が、80歳を超えてもなかなか治らないのは、

今更ながら情けなくなる。

いくら思い出に満ちていても、あの世まで持っていくわけにはいかないだろ

うに。

 

思い出ばかりに浸っていてはダメ、と友人は言ってくれる。

その通りだが、思い出が豊かでなければ残り少ない未来は貧しくなる、とも思う。

 

 <旅の思い出>

   ケニア・サファリにて

 


名著「富士日記」に浸る

2021-09-26 13:20:15 | 読書

コロナ自粛で外出が極端に減ったのに加え、足も弱ったこともあって歩く距離が極端に

減った。

このままじゃ体力低下、老化のスピードがさらに加速しそうで、81歳の誕生日を目前

に迎えて空恐ろしく感じる。

下手の横好きのカメラも持ち歩くことはなくなり、もっぱら庭の花や飛んでくるチョウ

たちの写真を撮ってごまかしている。

 

幸い、前から読書の習慣があるので家にいても退屈することはないのが嬉しい。

本屋に行く楽しみを味わうことがなくなり淋しい限りだが、幸い読みたい本はアマゾン

で検索したらたいてい間に合うから、どんどん取り寄せている、ありがたいことだ。

 

最近はまっているのは武田百合子さんの名著「富士日記」(中公文庫)。

百合子さんは文豪武田泰淳夫人で、二人とも故人になって20年以上たつが、今でも

輝き続けているロングセラー。

富士山麓に山小屋を建てて、夫の泰淳氏と13年間過ごし地元人たちや山荘を訪れる

大岡昇平さんたちとの交情と、日常生活の何気ない日々を日記に記し、「正確明晰な

事物への視線、短い述懐のことばが、心に一枚一枚たまってゆく」と水上勉氏らが絶

賛する現代日記文学の記念碑的な「富士日記」を書き上げた。

前々から読みたいと気になっていたが、このほどやっと上、中、下の3冊を取り寄せ、

百合子ワールドを楽しんでいる。

同時に本棚の隅っこに放り込んでいた夫の泰淳氏の大作「富士」(中央公論社)を取り

出して併読しているが、こちらの方は戦時下の精神病院で繰り広げられる狂気と正気の

物語。

まだ3分の一程度しか読み進んでいないが、学生時代に読んだドストエフスキーの

「罪と罰」を思わせる、大変重い内容だ。

「富士日記」も「富士」も、ここでは内容に立ち入ることはしないが、コロナ自粛

でたっぷりある時間をフルに使って読書三昧に浸れることは幸せなことだ。

 

読書していて素敵な言葉に出会うことが多い。

その都度そのページに「しおり」を挟んで時々読み返したり、抜き出してパソコンの

「私の好きな言葉」のページに取り込んでいる。

「富士日記」にもたくさんの素敵な言葉や思わず頬が緩む楽しい記述が出てくるので、

しおりがにぎやかに挟まった。

 

   📚心に響いた名文📚

  この世の名残.夜も名残。死にゆく身を譬ふれば。あだしが原の道の霜。一足づゞに

 消えて行く。夢の夢こそあはれなれ。

 あれ数ふれば暁の。七つの時が六つなりて残る一つが今生の。鐘の響きの聞納め。

 寂滅為楽と響くなり                近松門左衛門「曽根崎心中」

 


3行小咄(続)

2021-09-24 11:34:51 | 日記

今日はもう9月24日、猛暑が過ぎてやれやれと思っていたら10月は目の前、早いもの

です。

コロナ外出自粛で、コスモスも彼岸花も見ないうちに、秋は過ぎていきそう。

81歳の誕生日も間もなく、短命家系に育った割には思えば遠くに来たもんだ。

定年まで勤めていた会社から今も「社内報」が届けられて、元同僚の消息も伝えてくれて

いますが、真っ先に見る「社友訃報蘭」には、永年苦楽を共にした仲間の名前が多く見ら

れるようになった。

 

さて、以前に一度書いた「3行小咄」を懲りずにまた集めてみました。

相変わらずばかばかしいものばかりですが、チクッと笑っていただければ嬉しい限りです。

 

★父、ゴミ箱と覗いて考えている風。

娘「どうしたん?何か落とした?」「ンン・・」

父(鼻毛抜いて何本放り込んだので数えている)とは応えられず・・・

 

★若い現役時代、夜勤明けで朝帰りして午後の出勤に備え寝ていた。

家内が外出中に郵便屋が来たので、パジャマ姿で対応した。

後日、郵便屋が家内に「ご主人の病気は治りましたか?」。

 

★お風呂に入った時、鼻の穴からはみ出した鼻毛がみっともないので

安全カミソリで剃っていて、誤って鼻の付け根を傷つけた。

結構血が出て大慌て、これも「鼻血ブー」?(古い!)

 

★息子が小学1年生のころ「近くにオーエムよこがたという店が出来たよ」

ママと二人で「??」。説明させたら、どうやら模型屋さんらしい

「模型」の「模」の字が「横」に見えたようで・・・

 

★新婚時代はベッドじゃなく、畳の間に布団を並べて寝ていました。

夜更けに私が大きな音でオナラ、カミさん「変な音がした、怖い!」と私の布団の中へ。

途端に猛烈な臭気に襲われ「あんなこと、一生忘れへんわ」と、後々まで小言食らった。

 

★オナラの話を、もう一つ。

大阪のおばちゃん、テレビの街頭インタビューで一番のストレス発散方法を聞かれて

「便器が割れるほどぶっ放すねん、ガハハ」。浪速おんなは豪ケツでんなあ。

 

★我が家の愛猫カナ、好奇心強くドアに隙間があったら必ず中に入る。

トイレにもよく入り閉じ込められ、しばらくして開けてもらい憮然として出てきた。

これがホントの「雪隠(せっちん)詰め」やねえ。

 

★桜の開花日に合わせて花見ツアーを予約するのは、難しいものでございます。

バスを仕立ててはるばる来たが、すっかり散り果て葉桜、という経験がおありでしょう。

がっかりして帰りにバスガイドさんの顔を見たら、こちらも見事な「姥桜」ってことも。

 

★レストランで偶然隣り合わせた二人の男客同士が話している。

私は昼はいつもレストランで食事をとるんです。妻が料理を作ろうとしないから。

私もそうなんです。妻が毎日料理を作りたがるものですから。

 

★あるご婦人が美術館に行った。

「あら、この絵はピカソだわね」

美術館の係員「いいえ奥様、そこは鏡でございます」

 

  🌸 コスモス一輪 🌻


さて野田聖子さん、どうします?

2021-09-22 11:39:17 | 日記

「ええ、私は結婚しない道を選びましたがそれが何か?」

とさっぱり割り切って毎日を過ごしているのではないのです。私たちは、

「えーつと私は結婚できないんじゃなくてしないだけで、それでも私は毎日楽しいから

十分幸せなんで、勝ち犬の方から同情されると心外だし、むしろ私は勝ち犬の方が可哀相

って思ってるくらいなんで、今更結婚しろって言われても一人の生活が快適だから無理だ

って思う・・・(中略)

・・・と、もやもや考えながら生きている。負け犬の数は、増加の一途をたどっています」

 

ちょっと長い引用になったが、酒井順子さんのエッセー「負け犬の遠吠え」(講談社文庫)

の一節です。

 

結婚せず、仕事をばりばりして快適に暮らする独身女性に対して、[結婚もせずに・・・」

と勝ち犬(既婚者)から憐れみを目で見られることから「負け犬」とレッテルを張られて

いる女性たち。

政治家的な視点から見ればこのような「負け犬」信念を持った女性が増えているから、日

本の少子化が進むのだ、ということになろうか。

著者の酒井さんによると、負け犬――「すなわち結婚も出産もしない、主に30歳以上の女

性達に対して、今度の自民党総裁選で、少子化への危機感を一番強く抱き、「子ども庁」

創設を一番熱心に訴えているのは野田聖子さんのように見える。

でもなあ、「負け犬の遠吠え」のように、居直って結婚しない女性たちの固い信念を打ち

破るには、政党レベルでいくら「政策」を練ったところでうまくいくとは思えない。

「女性は子供を産む機械」とか「子供を産まない女性に後々まで税金を使うのはどうか」

と言う大物政治家たちが一向に消えない日本のなかで、彼女たちは何十年の時をかけて

久凍土のように地下深く「負け犬」の岩盤を張り巡らせてきたからだ。

野田さん、どうやってこの岩盤を掘り起こし、「負け犬」たちの心を溶かそうとするのか。

50年後の日本の人口は5000万人に半減するという危機を訴えているが、その前に、

うすればこの最大の危機から脱することができるか、野田さんの明確な処方箋を聞きたい。