リュウ庵

尼崎市住む猫大好き人間。
駄文を書くのも好きです。

読書の愉しみ

2021-07-04 12:45:59 | 日記

何のために本を読むか、と別に肩ひじ張って問うべきものじゃないだろうけど、もし聞かれ

たら私はただ「愉しむために」と答えることにしている。

名文家で博識家の丸谷才一さんは「本の読み方の最大のコツは、その本を面白がること、そ

の快楽をエネルギーにして進むこと」と書いている。(「思考のレッスン」(文春文庫))。

その後がちょっと砕けて、「誰のセリフだったかなあ『読書は人間がベッドの上でおこなう

二つの快楽のうちの一つである』という言葉があります。もう一つの快楽が何かは言うまで

もないけれど」と。

丸谷さんらしくさらりと艶っぽい「オチ」で色づけるところが、さすが.

 

読書は文句なしに愉しいいとなみである。

昨今のように自粛生活を強いられて、外出も思い通りにいかない生活をしていると、ますま

読書の世界にのめり込んでしまう。

自分勝手な愉しみだから、読書と言っても文庫本の時代小説が中心だけど。

最近は、ほとんど知らない奈良・平安の時代小説にハマっている。

今読んでいるのは澤田瞳子さんの「日輪の賦」(幻冬舎)で、7世紀終わりの小国「倭」が

大陸の唐と新羅の圧力と、既得権を奪われまいとして抵抗する旧勢力と闘いながら、律令体

制を整え「日本誕生」の苦闘を描いた大作で、古代史を勉強しているが、現代に通じるテ

マでもある。

 

アマゾンで調べほしい本(文庫本)があれがすぐ取り寄せているが、わずか数日後には配達

してくれ、しかも留守していても玄関先に「置き配」してくれるから、こんな便利なことは

ない。

 

以前にも書いたが、丸谷さんは子どもに読書感想文を書かせることに強く反対していること

でよく知られている。

「感想文を書かなければいけない」と思いながら読むと、読書の楽しさを奪われてしまい、

読書嫌いの子供を作ってしまっていると丸谷さんはいう。

夏休みの宿題に「読書感想文」を必ず書かされたが、今でもそうだろうか。

安直な先生ほど読書感想文を書かせるのがお好きのようだ、と思っている。

 

最近の読書の中から最近、心に響いた言葉をひとつ。

 形あるものは、いつかは壊れる。しかし背骨に通した信念は、灰に返ったのち

 も失せるものではない。(山本一力「損料屋喜八郎始末控え 牛天神」、文春文庫)

 

   🌻夏の花二つ🌻

 ジニア(百日草というだけあって長命)

  カンナ(やっぱり赤い色が映えます)