ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「推し、燃ゆ」

2021年01月07日 | 書籍関連

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推し炎上した。儘ならない人生を引き摺り、祈る様に推しを推す。そんな或る日、推しがファンを殴った。
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「推し」とは、「アイドル等のグループ内にて、自身が最も応援しているメンバー。」を意味する。今回読んだ小説推し、燃ゆ」(著者宇佐見りんさん)は、一般人と同じ様な言動をする事が難しい1人の女子高生・あかりが主人公。作中で明示されていないけれど、恐らく彼女は発達障害罹患していると思われる。興味が在る事に関しては尋常ならざるのめり込みを見せるが、そうで無い事に関しては関心が向けられなかったり、関心を向けたとしても集中力が続かない。そんな彼女が尋常ならざるのめり込み見せているのが、1人の男性アイドル。推しで在る彼を推し続ける中、日々の生活は上手く送れない彼女の姿を描いた作品だ。

人並みにアイドルに夢中になったりはして来たけれど、本当に“人並み”という程度。レコードを買ったり、載っている雑誌を読んだり、出演している歌番組を見たりはしたけれど、のめり込むという程では無かったと思う。だから、「より多くの握手券を得る目的で、大量のCDを購入する。」という行為が全く理解出来ない。全く理解は出来ないけれど、「他人に迷惑を掛けない範囲で在れば、まあ御自由に。」という感じだ。

だから、あかりののめり込み度は、全く理解出来ない。理解出来ないから、作品にのめり込めない。

「推し、燃ゆ」に関するネット上の書評を読むと、非常に高い評価を得ている。「発達障害者を、きちんと描けている。」というのが、高い評価の大きな理由の様だ。そう言われればそうなのだろうけれど、だからと言って、自分は作品にのめり込めなかった。

第164回(2020年下半期芥川賞の候補に選ばれており、一般的な評価が高い事を考え合わせれば、受賞する可能性は高そう。でも、個人的には・・・。

総合評価は、星2.5個とする。


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4 コメント

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Unknown (悠々遊)
2021-01-07 16:42:09
バランス感覚の問題でもあるとは思うのですが、「尋常ならざるのめりこみ」や「尋常ならざる思い込み」は、私も理解しかねます。
よく言えば冷静、悪く言えば冷めている、という事でしょうかね(笑)。
他人を理解することの難しさです。
今朝、アメリカでの2つの政治がらみのニュースに触れ、ブログに思いを書いてみました。
あちらにも、そして日本にも「尋常ならざるトランプ支持者」がいるようで、21世紀が始まって間がないのにすでに世紀末を感じるこの頃。
上記記事に感想など頂ければ幸いです。
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>悠々遊様 (giants-55)
2021-01-08 01:33:18
書き込み有難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

発達障害を罹患している人の中には、特定の事柄に関して類い稀なる能力を有しているケースが在るとか。発達障害の1つに「ディスクレシア(識字障害)」(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%82%A2)というのが在りますけれど、大スターのトム・クルーズ氏も罹患している。彼は字を認識出来ないけれど、台本を音声で聞くと、一発で覚えてしまうのだとか。物凄い能力だし、羨ましいと思わない事も無いけれど、当事者にとっては非常に苦痛の面も在るでしょうね。

自身が散々煽っておき乍ら、死者が出ると判るや否や、「暴力はいけない!」とツイッターで主張したトランプ大統領。自身にとって不都合な事柄は全て「フェイク・ニュースだ!」と騒ぎ立て、具体的な証拠は一切示さない。こんな訳の判らない人間を猛烈に支持する連中の気持ちが判らない。

でも、林真理子さんなんぞは「トランプ大統領は面白くて、嫌いになれない。」といった趣旨の発言を「週刊朝日」でしている。御笑いの人間とかなら未だしも、自国のみならず多くの国に影響を与える人物に対し、「面白いから良い。」と受け取れる様な主張をしている事に、大きな幻滅を感じました。こういう思考の人って、結構居るのかも知れませんね。
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Unknown (悠々遊)
2021-01-08 09:24:54
再度のコメント、失礼します。
悪党なのになぜか憎めないキャラクターというのは確かにありますね。
日本で言えば成り上がってからは結構あくどい権力者だった豊臣秀吉が、未だに愛されキャラだったり、ロッキード事件で有罪となった田中角栄元総理の人気が根強かったりと。
逆に清廉潔白なはずなのに、自己にも他人にも厳しく情に薄いとみられ、面白みがないと不人気なキャラもいますし。
ただ、政治家や権力者をキャラクターとしての面白さで評価するのは恐ろしいことだと思うのです。
他人の命を「合法的と称して」奪う力を持っている相手ですから。
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>悠々遊様 (giants-55)
2021-01-08 11:02:09
書き込み有難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

“悪党なのに憎めないキャラクター”というのは確かに在ると思うのですが、是々非々で捉えるというのは、基本線として守る必要が在りますね。

“石部金吉”が過ぎてしまうと、世の中から潤いが無くなってしまう。「白河の清きに魚も棲みかねて もとの濁りの田沼恋しき」という思いが、市井の民から出てしまった事も在りますし。

とは言え、強大な権力(民の生殺与奪権等)を有する人間に対しては、「面白いから許す。」で在っては、絶対に駄目。そういう風潮が強くなっているからこそ、自分は「首相は、国民の投票で選べば良い。」という主張に反対。今の日本では、単なる“人気投票”に化してしまうのが目に見えているので。
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