ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

こういう“思考”が、糞の役にも立たない政治家を増殖させ、政治を劣化させて行く

2024年10月08日 | 政治関連

俳優脚本家エッセイスト等、“多才な人”で在った伊丹十三氏だが、一般的には「晩年映画監督としての彼」のイメージが強い事だろう。でも、そんな彼も亡くなられて27年が経とうとしており、彼の事を全く知らない若い人も少なく無い事だろう。

彼の父親・伊丹万作氏も俳優、脚本家、エッセイスト、映画監督、そして挿絵画家と多才な人だった様だ。以前にも紹介させて貰ったが、1946年に発表された「戦争責任者の問題」で彼が記した文章は非常に興味深い。1年前に終戦を迎えた「太平洋戦争」に付いての文章だが、一部を抜粋してみる。

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前略多くの人が、今度の戦争騙されていたと言う。皆が皆口を揃えて、騙されていたと言う。私の知っている範囲では、俺が騙したのだと言った人間は、未だ一人もない。

中略)例えば、民間の者はに騙されたと思っているが、軍や官の中へ入れば、皆上の方を指して、上から騙されたと言うだろう。上の方へ行けば、更にもっと上の方から騙されたと言うに決まっている。すると、最後にはたった一人か二人の人間が残る勘定になるが、幾ら何でも、僅か一人や二人の智慧で、一億の人間が騙せる訳の物では無い

即ち、騙していた人間の数は、一般に考えられているよりも遥かに多かったに違い無いので在る。然も其れは、「騙し」の専門家と「騙され」の専門家とに劃然と分れていた訳では無く、今、一人の人間が誰かに騙されると、次の瞬間には、もう其の男が別の誰かを捕まえて騙すという様な事を際限無く繰り返していたので、詰りつまり日本人全体が夢中になって、互いに騙したり騙されていたりしていたのだろうと思う。

(中略)「騙されていた。」と言って平気で居られる国民なら、恐らく今後も何度でも騙されるだろう。、現在でも既に別の嘘によって騙され始めているに違い無いので在る。
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暗黒の時代”とは、或る日突然に出現する訳では無い。「おかしな事柄に対して『そんな事は在り得ない。』と“無根拠”に否定して目を背けたり、権力者の不正に対して『批判した所で、何も変わらない。』と何も動こうとしなかったりと、「思考を完全にストップしてしまった“無思考者”が一定数に達した時、暗黒の時代は出来上がっている。」のではないか?

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「『馬鹿野郎ですよ。』泉谷しげる政治無関心な31歳俳優・・・フジワイドナショー』」
(10月6日、スポーツ報知

フジテレビ「ワイドナショー」(日曜・午前10時)が6日に放送され、シンガー・ソングライターで俳優の泉谷しげるが、俳優の笠松将(31歳)に「馬鹿野郎ですよ。」と言い放つ一幕が在った。

番組では、今月1日に自民党の石破茂総裁が第102代首相に選出され、新内閣発足した事や自民党の新体制に付いて取り上げた。笠松は政治に対して僕は、本当に判らない。詳しく無い。勉強不足。『知らない漫画を読んで、13巻から出て来たキャラクター達がこんなん遣ってるけど。』みたいな感覚。関心が無い事を口にした。

「日本の将来に関わる事だから、関心を持った方が良い。」という話の流れになり、野党の意見も紹介されたが、入れたい人に入れたって、遣ってくれないでしょ?期限も決まって無いし、言いたい放題だし、誰になっても同じだし。ぶっちゃけ、『時間勿体無く無い?』って滅茶思うんですよ。と、政治とは距離を置く意見を貫いた。

MC東野幸治に「こういう人に、どう言ったら良い?」と振られた泉谷は、「馬鹿野郎ですよ。」と喝。政治家が変えられないのは、皆判ってる訳でしょ?選んでおいて、自分達が変わって行くのさ。国民が変わって行けば、良いだけの話じゃん。俺達が変えれば良いのさ。と説いた。

東野も例として選挙公約消費税率を下げる提案をする選挙で票を集めたら、生活が変わるかも知れない可能性を示したが、笠松は「でも、そういう時ってこうやって・・・。」と何かをぶら下げる様な仕草をして、「変わら無いもん!」と受け容れず。東野は堪らず「笠松!」と叫んだが、泉谷は「『馬鹿な事言ってるな、此奴等。』と言える事が、可成り進化だよ。』と、微かな成長を認めていた。
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自分は当該番組を見ていないので、此の記事に記された情報だけを元にして、意見を書かせて貰う。又、笠松氏が番組の“仕込み”では無く、“自分が本当に思っている事”を口にしたという大前提でだ。

『政治に全く関心が無い。』というのを口にする事で、『自分は他者とは違う、非常に個性的な人間なのだ!』とアピールしているだけの“様な”人。が結構見受けられる。又、そういう人は概して「色々政治の勉強はしたけれど、難してサッパリ判らなかった。」みたいな事を口にするが、基本中の基本といった事を聞いても全く答えられず、要するに知ろうとする努力すらしていない。というのが現実だったりする。

笠松氏の場合「勉強不足。」なのか、将又「知ろうとする努力すらしていない。」のかは判らないけれど、伊丹万作氏が指摘する所の「『騙されていた。』と言って平気で居られる国民なら、恐らく今後も何度でも騙されるだろう。」という“国民”に、彼は当て嵌まるのではないか?申し訳無いが、彼の今回の発言からは「私は無思考な、馬鹿な人間です!」と公言している様にしか思えない

自民党総裁に就任する以前に主張していた事柄を、就任後に次々と翻している石破茂首相。政治資金パーティー収入の裏金問題
」に関わった所謂裏金議員達”に関し、「次の衆議院議員総選挙で自民党が公認を与えるかどうかに付いては、厳しく対応する。」と主張していたのに、首相に成るや否や全員、無条件で公認する。」といった感じの“大甘な姿勢”に転じたが、余りにも国民の反発が強かった事から、一昨日になって唐突に「“一部”の議員は公認しない。」等の“少し厳しい対応”に変更。一般国民が少しでも“脱税”をすれば、厳しい罰を食らうというのに、「自民党の議員ならば罰せられる事無く、“救済措置取られる。」というのは全く納得が行かないけれど、此れで騙されてしまう国民も少なく無いだろう。

で、今回の当たらな対応により、自民党から公認が貰えなくなった議員の地元で、住民達にインタヴューしていた。「当然の対応。」と答える人が居る中で、「裏金問題なんか、何時迄引っ張てるんだ。どうでも良い話じゃないか。」とか、「裏金なんて、大昔から在る事なので、問題じゃ無い。」等と口にする者も居た。裏金が大昔から存在しようがしまいが、だから何なのか?「裏金=良い物」と考えているならば話は別だが、少しでも「悪い物」と考えているならば、「無くす。」という事が最優先されるべき。「大昔から在るのだから、仕方無い。」とか、「もう裏金問題なんか、どうでも良い話。」なんていう思考が、「糞の役にも立たない政治家を増殖させ、政治を劣化させて行った。」のだろうが。

「熱し易くて冷め易い。」という国民性有し、問題を徹底追及する事無く、適当な所で止めてしまう日本人。
此れじゃあ、同じ様な不正が繰り返されるのも当然。加えて無思考な人が増加すれば、狡猾政治“屋”にとって、こんなに生き易い環境は無いだろう。


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4 コメント

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Unknown (悠々遊)
2024-10-10 10:58:26
こんにちは
投稿できるようにしていただき、ありがとうございます。

こちらの記事を読み『意識高い系』という言葉が思い浮かびあがりました。
今も使われているのかわかりませんが、ひと頃は政治などに関心を持ちそうした発言をする若者に対し、同年代の若者が揶揄の意味を込めて使っていたように報じられていましたね。
私のような団塊の世代が若者だった頃は学園紛争などが激しくいわば政治の時代で、むしろ政治に関心のない同世代を『ノンポリ』と揶揄していたようですが、半世紀が過ぎた今、政治に対する感覚も時代が変わったと思ってしまいます。

政治家、とりわけ政権の座にあった自民党が力で若者のエネルギーを抑え込み、政治が腐敗しようが権力は変わらない、という空しさを植え付け続けた半世紀の成果(?)だといえましょうか。
件の若手俳優の発言をヤフーニュースで知った時、この子もそうした洗脳の犠牲者かも知れないなと思ったもの。

こうした若者が大人になり自分でも自覚のないままに、政治家の思惑に誘導され『徴兵も戦争も仕方のないもの』と流されていくような気がして、戦前回帰の予兆にに恐ろしくなります。
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>悠々遊様 (giants-55)
2024-10-10 18:01:26
書き込み有難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

「コメント投稿」に関し、改めて御迷惑を御掛けした事を御詫び申し上げます。

結果として学園紛争が"失敗"し、上層部の人達が"冷や飯"を食わされる形に成った事で、「御上に楯突くのは損だ。」という意識が定着化したというのは在るでしょうね。「御上に楯突くのでは無く、付き従うのが利口。」と成った事で、延いては政治に対して無関心な人が増えたのかも知れない。

学園闘争、最初は"純粋な反発"から始まったのが、どんどん"内部での権力闘争"に向かって行ってしまい、内ゲバ等が酷くなった事で、世間からの支持を失ってしまった様に思います。権力者側の"厳しい締め付け"も勿論在ったでしょうが、世間からの支持を失った事が、一番の敗因だったと。

政治に対してのみならず、諸事に対しても無関心な人が増えた要因の1つに、自分は"インターネットの存在″が在る様に思います。インターネットの"功″の部分は計り知れない物が在るけれど、同時に″罪″の部分も少なく無いのでないか?人間が本来持っている″探求心″を失わせている要因に、インターネットの存在″も″在るのではないかと。

下ネタになってしまって申し訳無いのですが、小学校の4年だったと思いますが、″性″に関して非常に興味を持ち始めた頃だったと思います。「オナニー」という用語の意味が判らず、当時はインターネットなんて影も形も無かった頃ですから、国語辞書で調べました。「オナニー」で調べると、「マスターベーション」と書いて在る。此れじゃあ何の事かサッパリ判らないので、次は「マスターベーション」で調べてみると、「手淫」と説明されている。「どういう意味だ??」と思って、次に「手淫」で調べてみると、「オナニー」と説明されている。そんな堂々巡りをした挙句、漸くどういう意味か辿り着けたという経験が。

翻って現代は、「オナニー」をインターネットで検索すれば、パッと意味合いが判る時代ですよね。其れも、「手淫」だ「マスターベーション」だなんていう回りくどい説明では無く、判り易い言葉で説明されていたりもする。

でも、「インターネットで検索すれば、一発で判り易い言葉で書かれている。」と″過信″してしまうのも、或る意味危険な気がしています。

先ず、昔の様に国語辞書等で″色々″当たってみて・・・というのなら良いのですが、嘘情報も少なく無いインターネットの世界で、″1つの情報源″だけに当たり、「判り易い言葉で書かれていて、間違い無く事実だ。」と思い込んでしまうのは、とても危険な事。色々な情報源に当たった上、自分の頭の中でじっくり考えて、正しいと思われる情報を取捨選択出来れば良いのですが、其れをしない人間が余りにも多い。

以前、当ブログでも書いた事ですが、安倍政権時代にネット上では「安倍首相が成し遂げた功績」なる30個程の箇条書きが出回っていた。「本当かなあ?」と思って独自に検証した所、「20個程は、トランプ元大統領レヴェルの全くの嘘。」で、「5個程は、歴代首相ならば″誰でも″している事。」。「残り5個程″だけ″は、安倍首相の功績と主張するのも『在りかなあ。』(良い悪いは別にして。)」という結果でした。詰まり、3分の2は明々白々な嘘だった訳ですが、自身で検証する事は全く無く、垂れ流された嘘情報を鵜呑みにしてしまっている人が、余りに多い事に唖然とした次第。

インターネットの罪の部分として、「広く情報に当たらずに、垂れ流されている情報を自分の頭で考える事無く、鵜呑みにしてしまっている人を増やしてしまった。」というのは在るのではないでしょうか。
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Unknown (悠々遊)
2024-10-10 20:08:18
>giants-55 さんへ

インターネットの功罪の件、同感です。
というか、私もちょくちょく利用するのですが、例えば天体の情報にしても、いろんな情報源があってどのデータが最新のものなのか分からないことがしばしば。
Wikipediaの情報をそのままコピペしている2次情報源もよく見かけるので、その系列でだけ調べるとWikipediaが正しいと錯覚してしまうかも。
でもWikipediaが常に最新とは限らないんですよね。

インターネット情報を検索するとき、いろんな情報源に当たって最後は自分で判断するって、本当に大事なことだと思います。
仮に自分で判断した情報が間違っていたとしても、その手順自体は間違っていないし、そうした習慣が身に付くことが大事なんだと思います。
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>悠々遊様 (giants-55)
2024-10-10 21:14:34
書き込み有難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

偉そうな事を書きましたが、昔、当ブログで「東京新聞の″エイプリル・フールのネタ記事”を信じ込み、″真実として″取り上げてしまった過去が在りますので、「自戒しなければ。」という思いも在ります。

悲しい話では在りますが、「少なからずの悪い輩により、騙されて泣きを見ている人が少なく無い。」というのが現実として在り、騙されない為にも常に「此の話(情報)は本当なのだろうか?」と疑って掛かる″癖″は付けておいた方が良いと思っています。

悠々遊様が最後に書かれている様に、そういう癖(手順)さえ備わっていれば、泣きを見たり、他者に迷惑を掛けたりする可能性は、格段に減るだろうから。
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