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ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「ミステリークロック」

2017年12月07日 | 書籍関連

ミステリーが大好き。好んで其の作品を読む作家は結構居るけれど、特に好きな1人が東野圭吾氏。典型的な文系人間の自分にとって、彼の理系的な香りがする作品は堪らない

 

ミステリー好きの後輩から、貴志祐介氏の作品を紹介して貰ったのは、もう20年以上前になろうか。「黒い家」という作品だったが、余りにも面白くて一気に読み終えてしまった。以降、彼の作品は全て読んでいる。寡作なのは残念だが、レヴェルの高い作品が多い。、彼の防犯探偵・榎本シリーズ」は理系的な香りがプンプンするものの、自分の評価は高くない。理系的な面が強過ぎて、何度か読み直さないと理解出来ない記述が多く、又、設定的には面白いのだけれど、奇想天外過ぎて現実感が無いのも、シリーズを高く評価出来ない所以

 

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様々な種類の時計が時を刻む晩餐会主催者の女流作家・森怜子(もり れいこ)の怪死は、「完璧な事故」で終わるだった。そう、居合わせ榎本径(えのもと けい)が、異議唱えなければ・・・。

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2018本格ミステリ・ベスト10【国内編】」の4位に選ばれた「ミステリークロック」は、第1弾「硝子のハンマー」、第2弾「狐火の家」、そして第3弾「鍵のかかった部屋」に続く、「防犯探偵・榎本シリーズ」の第4弾。

 

「防犯コンサルタントを名乗るも、本職は泥棒の榎本径がホームズ役。美人で常識人だけれど、天然惚け言動を見せる弁護士青砥純子(あおと じゅんこ)ワトスン役。此の2人がコンビを組んで、密室殺人の謎を解いて行く。」というのが、「犯探偵・榎本シリーズ」の設定。今回の「ミステリークロック」は「ゆるやかな自殺」、「鏡の国の殺人」、「ミステリークロック」、そして「コロッサス鉤爪」という4つの中編小説で構成されている。

 

読み易さで言えば、「ゆるやかな自殺」が一番だろう。42という短さも在るが、何よりもトリックがシンプルなので。逆に読み辛かったのは「鏡の国の殺人」と「ミステリークロック」。共に理系的な面が強過ぎて、何度か読み返さないと理解出来ない記述が多かったので。特に「ミステリークロック」は、「イラストでの説明が無いと、何が何だか良く判らない。」という読者が多そう。

 

面白かったのは、最後の「コロッサスの鉤爪」。理系的な香りは程々で、魚類に関する記述も興味深かったから。でも、奇想天外な設定は、少々鼻白んだけれど。

 

全体を通して言えるのは、「『ゆるやかな自殺』以外は、相変わらず設定が奇想天外過ぎるなあ。」という事。奇想天外な設定というのは、ミステリーの良い味付けにもなるし、逆に悪い味付けにもなる。という事だろう。

 

総合評価は、星3つとする。


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