ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

妖気

2015年05月12日 | 其の他

もっと早くに足を運ぶ積りだったのだが、スケジュール調整が上手く行かず、先日、ずっと観たかった2つの展覧会梯子して来た。

 

先ず向かったのは、渋谷の「Bunkamura ザ・ミュージアム」で開催中の「ボッティチェリルネサンス ~フィレンツェの富と美」。15世紀イタリアのフィレンツェでは、数多の芸術家が現れ、次々と傑作を生み出して行った。所謂「ルネサンス」とムーヴメントだが、其のルネサンス期を代表する芸術家の1人で在るサンドロ・ボッティチェッリの作品と、莫大な資金力で数多の芸術家達を支えたメディチ家纏わる御宝を展示したのが「ボッティチェリとルネサンス ~フィレンツェの富と美」だ。

 

美術の教科書で目にして来たボッティチェッリの作品の数々を、眼前鑑賞出来るのは至福の一言。「“守銭奴的な生き方”しか出来ない金持ち。」が昨今は多いが、「儲けた金で芸術家達をサポートし、延いては芸術を隆盛させる事で、人類の喜びを生み出して行く金持ち。」との大きな差を、強く感じてしまった。

 

次に向かったのは、両国の「東京都江戸東京博物館」。江戸幕府の初代征夷大将軍徳川家康の死(1616年)から、今年で足掛け400年という事で、彼が“実質的に”天下掌握する切っ掛けとなった「関ヶ原の戦い」に纏わる資料をドーンと展示した「大関ヶ原展」が開催中なのだ。

 

自分の場合、勝者よりも敗者の側に肩入れしてしまう傾向が強い。(勿論、例外も在る。熱狂的なファンの方達には申し訳無いのだが、組織の持つ性格上も在り、新選組は好きじゃ無かったりするし。)だから、関ヶ原の闘いで言えば、負けた西軍武将達、特に石田三成島清興(左近)大谷吉継真田昌幸信繁(幸村)父子には、強い思い入れが在る。

 

前田利家血判起請文」や「直江状」、「内府ちがいの条々」といった文書、戦国武将達の甲冑刀剣等、非常に貴重な品々が数多展示。と言うとどうしても、実際に戦っている部分に注目が集まってしまうけれど、展示された文書からは“虚々実々駆け引き(=情報戦)の存在”、そして其の事による“裏切り”や“信頼”といった物が浮かび上がって来て、実際の戦以上の生々しさが在る。

 

甲冑や刀剣で言えば、徳川家康等の物も見応えが在ったけれど、どうしても思い入れが強い石田三成や島清興(左近)、大谷吉継、真田昌幸・信繁(幸村)父子の物に見入ってしまった。彼等が、実際に身に着けていた品々。彼等の悲惨な最期を知っている事も在ってか、其れ等からは立ち上る妖気の様な物を感じた。


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