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「甲虫も外来種対策の対象 北海道が独自規制 ~野生鳥獣の餌付けも禁止~」(3月23日、日本経済新聞)
北海道議会は23日迄に、独自の外来種対策や野生鳥獣への餌付け禁止を盛り込んだ「生物の多様性の保全等に関する条例」を可決した。4月から順次施行する。北海道に居なかった甲虫等も「外来種」として道内で放す事が禁じられる可能性が在る。
今後、道内の生態系に悪影響を及ぼす恐れの在る外来種を独自に指定。指定外来種を野に放す事や植える事を禁じ、中止命令に従わない違反者に30万円以下の罰金を科す。売買の際、自然界に放さない様購入者に対して説明する事も、販売業者に義務付けた。
指定種は、道独自の外来種リスト(860種)を参考に、専門家の意見を聞いて決定する。リストには甲虫や殿様蛙、日本鼬等が含まれている。
感染症の拡大や生態系が崩れる事を防ぐ為、許可を受けた学術調査等の場合を除き、野生鳥獣に対する餌付け行為も禁止。違反者が中止勧告に従わない場合は、氏名や団体名を公表する。餌付けの具体的な行為に付いても、今後有識者の意見に基づき決める。
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「外来種」と聞くとどうしても「他国から入って来た種が、日本 固有の種を駆逐して行く。」という構図を頭に思い浮かべてしまう。西洋蒲公英やアメリカザリガニ等がそういったケースだけれど、3年前の記事「外来種」の中で紹介した様に、「アメリカでは(アメリカにとって)外来種で在る葛が大繁殖していて、其の処理に頭を悩ませている。」なんていう意外なケースも在ったりする。葛は元々アジア圏を生息地としていたが、或るアメリカ人が本土に持ち帰った事で、現在の大繁殖に到っているのだそうだ。「アジアの種が、アメリカを席巻している。」というのは、頭を悩ませているアメリカ人には申し訳無いけれど、誇らしさめいた物を感じなくも無い。
で、話を元記事に戻すが、「甲虫は元々、北海道には居なかった。」というのを初めて知った。本来は青森県が“北限”だったのだが、30年程前からペットとして飼われていた個体が逃げ出したり、飼い主が野に放ったりした事により、道内で繁殖して行った。今では、略道内全域に生息しているとも。
元々甲虫は熱帯に生息する為、寒さには弱い。しかし幼虫は主に堆肥の中で育ち、発酵熱の温かさで生き延びるのだそうだ。
「地球温暖化の影響で“自然と”、北限が青森県から北海道に移った動植物。」の話は聞いた事が在るけれど、甲虫の場合は“人為的”という事になる。
「下水道に捨てられたペットのワニが、研究所から投棄された成長ホルモン実験用の犬の死体を食べて巨大化し、人間を次々に襲い始める。」、1980年に公開された映画「アリゲーター」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC_(%E6%98%A0%E7%94%BB)を初めて見た時、「下水道にワニを捨てるっていうのは、考えられないなあ。」と思った物ですが、今では我が国でも絵空事とは思えない状況に在る。
ワニだから「考えられない。」と考えていたけれど、縁日で買ったミドリガメが「飼えなくなった。」と公園の池に捨てられ、巨大化し乍ら繁殖して行ったという事は1980年以前にも在った様ですし、アニメの影響で「可愛い!」と購入したアライグマが、余りに狂暴なので手に負えなくなって野に放つなんて事も、当時は知らなかっただけで、実際には在ったんですよね。