
50年前の昨日、即ち「1975年4月5日」、或る特撮TVドラマが放送開始と成った。結局、此の番組は約2年間続く人気作品と成り、以降、「スーパー戦隊シリーズ」の第1弾として扱われる様に成る。「スーパー戦隊シリーズ」は現在も続いており、今年の2月から放送開始と成った「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」【動画】は、同シリーズの第49弾に当たるそうだ。半世紀もの間、脈々と引き継がれて来た人気シリーズの第1弾「秘密戦隊ゴレンジャー」(放送期間:1975年4月5日~1977年3月26日)【動画】に付いては、15年前に「赤・青・黄・ピンク・緑」という記事で取り上げたけれど、"メモリアル・イヤー"という事で、改めて記事にしてみる。
過去に何度も書いて来たけれど、今はアラ還の自分が幼かった時代は、TVアニメと特撮TVドラマが全盛を誇っていた。記憶に残っている此れ等の作品を数え上げたら枚挙に遑が無く、ストーリーや登場人物達、使用されていた楽曲等、今でもハッキリ覚えている程。
特撮TVドラマと言えば、「ウルトラ・シリーズ」【動画】、「仮面ライダー・シリーズ」【動画】、そして「スーパー戦隊シリーズ」が代表格と言って良い。自分が"リアル・タイムで全てを見た作品"だと、「ウルトラ・シリーズ」では「ウルトラマンA」(放送期間:1972年4月7日~1973年3月30日)【動画】、「仮面ライダー・シリーズ」では「仮面ライダーV3」(放送期間:1973年2月17日~1974年2月9日)【動画】、そして「スーパー戦隊シリーズ」では「秘密戦隊ゴレンジャー」が一番印象深い。
「『スーパー戦隊シリーズ』では、『秘密戦隊ゴレンジャー』が一番印象深い。」と書いたが、実は他の「スーパー戦隊シリーズ」を自分は見ていない。正確に言えば「少しは見た事が在る物も在る。」のだけれど、全てを通して見たのは「秘密戦隊ゴレンジャー」だけ。「ウルトラマンA」の放送開始が1972年、「仮面ライダーV3」の放送開始が1973年、そして「秘密戦隊ゴレンジャー」の放送開始が1975年という事で、恐らくは此の後辺りが自分にとって、"特撮TVドラマからの卒業時期"だったのだと思う。
「仮面ライダー・シリーズ」も「スーパー戦隊シリーズ」も、共に最初の作品は石ノ森章太郎氏が原作を手掛けている。此方と此方を見て戴ければ御判りの様に、当時のTVアニメや特撮TVドラマの原作の数多くが、石ノ森氏作品が元。「凄い人だったんだなあ。」と、改めて感じる。
「ウルトラ・シリーズ」及び「仮面ライダー・シリーズ」(共に初期の頃に関してだが)は「チームとして闘う事は在ったけれど、基本的には主役のヒーロー("人間態"が変身した後の姿)がメインで"悪の組織"と闘う。」というスタイルで在ったのに対し、「秘密戦隊ゴレンジャー」は「複数人のヒーロー&ヒロインが、グループで闘う。」というのが新鮮だった。
又、「ウルトラマンA」の様に"男女が一体化"して悪と闘うというスタイルは既に存在していたけれど、記憶違いで無ければ"グループとして闘うというケース"に変身後の女性キャラクターが参加するというのは、初めての事ではなかったろうか。「其れ迄の特撮TVドラマの中では『女性=一方的に守られる存在』だったが、『秘密戦隊ゴレンジャー』では『女性も、共に闘う存在。』と成ったのは、エポックメーキングな事だった。」と思う。
「ウルトラ・シリーズ」(少なくとも「ウルトラA」迄)&「仮面ライダー・シリーズ」(少なくとも「仮面ライダーV3」迄)と「秘密戦隊ゴレンジャー」との違いを更に挙げるならば、コミカル要素の強さだろう。「『ウルトラマン』【動画】でハヤタ隊員が変身する際、誤ってスプーンを頭上に掲げるシーン。」や「『仮面ライダー』【動画】等で、"おやっさん"が間抜けな言動をする。」といった事は在ったけれど、「秘密戦隊ゴレンジャー」の場合はあらゆる点でコミカル要素が強く打ち出されていた。特に其れを感じるのは、悪の組織に属する"闘う相手達のネーミングや造形"で、「機関車仮面」【動画】や「電話仮面」、「野球仮面」【動画】、「剣道仮面」【動画】、「ヨーヨー仮面」【動画】等々、当時子供だった自分でさえも「馬鹿々々しいなあ。」と大笑いしていた物。
【機関車仮面】
【電話仮面】
【野球仮面】
【剣道仮面】
【ヨーヨー仮面】
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・海城剛(かいじょう つよし):ゴレンジャーのリーダー・アカレンジャーの人間態。
・新命明(しんめい あきら):ゴレンジャーのサブリーダー・アオレンジャーの人間態。
・大岩 大太(おおいわ だいた):ゴレンジャーのキレンジャーの人間態。
・ペギー松山(ぺぎーまつやま):ゴレンジャーの紅一点・モモレンジャーの人間態。
・明日香 健二(あすか けんじ):ゴレンジャーのミドレンジャーの人間態。
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今では普通に成ったけれど、「グループ内の個々に、"イメージ・カラー"が付いた。」というのも、「秘密戦隊ゴレンジャー」が走りだった様に思う。「赤・青・黄・ピンク・緑」というのがゴレンジャー個々のイメージ・カラーで、以降「赤:熱血漢のリーダー。青:クールなサブリーダー。黄:三枚目キャラクター。ピンク:紅一点の御姉さんキャラクター。緑:ヤンチャ系の弟キャラクター。」というイメージが暫くの間、子供達(及び元子供達)の間に定着。
ゴレンジャーが闘う悪の組織は「黒十字軍」と言ったが、其のトップに君臨していたのが黒十字総統。「正体は"カシオペア座から遣って来た宇宙人"で、強大な戦闘力を有していたが、"カシオペアX線"なる宇宙線が唯一の弱点。」という設定が最後で明らかと成る。【動画】「カシオペア」というのが重要な要素に成っていた訳だが、子供心に「そうだったんだ!!」と感心してしまったのは「ゴレンジャーが人間態の時の名前を平仮名に直し、最初の文字を繋げると『か・し・お・ぺ・あ(カシオペア)』に成る。」という事実。最初から、そういう伏線を敷いていた訳だ。
ゴレンジャーごっこをしていた当時の子供達。「ゴレンジャーストーム」【動画】を始めとする必殺技も良く真似していたけれど、毎回、最初はモモレンジャーで始まっており、決め言葉が「良いわね?行くわよ!」【動画】だった。此の決め言葉に心が疼く元子供達も多い事だろう。
過去に記事で取り上げたけれど、OP曲「進め!ゴレンジャー」(「真っ赤な太陽」、「青い空」、「黄色い砂塵」、「ピンクの頬」、「緑の明日の風」等、ゴレンジャーのイメージ・カラーが上手く織り込まれている。)【動画】、そしてED曲(バンバラバンバンバン♪で始まる)「秘密戦隊ゴレンジャー」【動画】は、"時代を超えた名曲"だと思っている。
「秘密戦隊ゴレンジャー」放送開始から50年を迎えた昨日、記念イヴェントが開催されたそうだ。【動画】キレンジャーの"初代"人間態・大岩大太役を務めていた畠山麦氏(1978年に34歳で自殺。)の姿が無かったのは残念だが、海城剛役の誠直也氏(76歳)、新命明役の宮内洋氏(77歳)、2代目・キレンジャーの人間態で在る熊野大五郎(くまの だいごろう)役のだるま二郎氏(73歳)、ペギー松山役の小牧りささん(74歳)、そして明日香健二訳の伊藤幸雄氏(69歳)が、舞台に顔を揃えた。皆老けてはいたが(5人の中では2番目に若いだるま二郎氏が、病気の所為だろうけれど一番老けて見えた。又、昔はダルビッシュ有投手系のイケメンで、特撮TVドラマのヒーロー役を数多く務めていた宮内洋氏も、「御爺ちゃんに成ったなあ。」と感じた。)、とても懐かしい顔触れだ。
此のイヴェントが開催される事を知っていたら、是非とも参加したかった。