ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「絶対零度のテロル 天久鷹央の事件カルテ」

2024年07月31日 | 書籍関連

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9月の熱帯夜小鳥遊優(たかなし ゆう)鴻ノ池舞(こうのいけ まい)当直務める 救急外来搬送されて来た身元不明の男性。其の死因は「凍死」だった。摩訶不思議な状況を前に、司法解剖の必要性を説く医師達だったが、刑事の反応は芳しく無く・・・。

捜査機関の協力が得られない中、天久鷹央(あめく たかお)独力遺体正体に迫るが、其れ日本全土を揺るがす大事件の序章に過ぎなかった。
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現役の医師でも在る小説家知念実希人氏には「天久鷹央の推理カルテ・シリーズ」というのが在り、今回読んだ「絶対零度のテロル 天久鷹央の事件カルテ」は、其の第16弾となる。シリーズは「怜悧頭脳厖大な知識を持っているが、コミュニケーション能力が極めて低く、要らぬ軋轢を生み捲っている変人女医・天久鷹央。」がシャーロック・ホームズ役、そして内科医見習いの小鳥遊優がジョン・H・ワトソン役という設定。そして、小鳥遊の天敵で在り、彼が所属する統括診断部で臨床研修中の研修医・鴻ノ池舞というトリオが、どたばた喜劇繰り広げつつ、不可解な謎を解いて行くという展開。

河童やら宇宙人やらという不可思議な存在が関わっている(のではないかと疑われる)事件を次々に解決して来た天久&小鳥遊コンビが、今回挑むのは「死因が凍死の遺体の謎。」。雪山とかならばいざ知らず、凍死した遺体が発見されたのは熱帯夜の野外。大型冷凍庫の中等で殺害された可能性は無く、だからこそ謎なのだ。

結論から言えば、トリックには“化学的知識”が必要。其の科学的知識は非常に興味深く、又、勉強にもなったのだが、如何せん荒唐無稽過ぎて、「奇抜なトリックを成立させる、無理無理に作り上げられた設定。」という感じしか無い

第2の類似殺人(ネタバレになってしまうので理由は書かないが、正確に言えば“第1の殺人”。)の加害者が、「どうして“其の手法”を思い付けたのか?」も、“彼等の経歴”を考えると無理が在る様に思う。色んな面で“”を感じてしまう作品。医療現場での描写を、もっと多くして欲しかった。」というのが、個人的な思い。

総合評価は、星3つとする。


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