「此処で宣言しておきます。僕は何が在っても、ずっと阪神。引退する迄、阪神で野球をやりたい。メジャーに行く気は在りません。」
クリスマス・イヴに新潟県柏崎市で開催された日本プロ野球選手会の中越沖地震復興イベントで、タイガースの赤星憲広選手がそう宣言したそうだ。然る可きシステムに則ってで在れば、メジャーに行くのは選手個々の自由。唯、そうは思っていても「日本球界に骨を埋める。」という気持ちを持っている選手は、どうしても応援したくなる。
「週刊プレイボーイ(1月7&14日号)」に載っていたイチロー選手のインタビュー記事がなかなか面白かった。*1手元に当該誌が無い(立ち読みで済ませた。)ので記憶に頼って書くが、次の様な趣旨のコメントが在った。
「最近は『メジャーでどうしてもやりたいから行く。』では無く、『メジャーでも出来そうだから行く。』という日本人選手が増えている様に感じる。そういうのってカチンと来る。『メジャーでどうしてもやりたい!』っていうのが先だろって思うから。『メジャーでも出来そうだから行く。』って考えだったら大間違いだと思う。」
3年前に「猫も杓子もメジャー挑戦」という記事で私見を書いたが、今回のイチロー選手の意見と全く同じ。プロ野球再編問題が起こった際、「プロ野球ファンの為に頑張る!」と散々口にしているものの、実際には自身の高待遇だけを追い求めている様な選手が少なからず見受けられ、正直白けてしまう自分が居た。メジャー挑戦を口にする選手の中に、「メジャー”でも”何とかやれそう。日本球界よりもメジャーの方が”美味しい目”に遭えそうだから、メジャー行きをぶち上げてみるか。」という思惑が透けて見えてしまう者がチラホラ感じられ、同様に白けた思いをしている。
上記した様に、然る可きシステムに則った上でのメジャー行きなら、それは選手個々の自由で在り、「正しい。」とか「誤っている。」という区別をするつもりは無いが、「どうしてもメジャーでやりたい!」という思いが感じられない選手には「どうぞ勝手に。もう日本球界に戻って来なくて結構ですから。」という気持ちだけだ。
「AERA(12月24日号)」には「大リーグの攻勢で日本球界『広島化』」という記事が。川口和久投手や江藤智選手、金本知憲選手、新井貴浩選手、黒田博樹投手と、カープが地道に育成して来た主力選手達の”流出”が続いている。カープが他チーム(実質的には2チームだが。)の草刈り場になっている感すら在る。そして、「これからは日本球界自体が、メジャーの草刈り場になるのではないか。」というのがこの記事の趣旨。カープ・ファンが抱えて来た”哀しみ”を、他チームのファン達も抱える事になる可能性。記事の最後でエモやんが、次の様に警鐘を鳴らしている。
「日本の野球界は、足元に火が点いている極めて深刻な事態です。このままでは球界全体が広島みたいになる。球団経営の在り方を球界全体で見直す事が急務だ。」
*1 今春、マリナーズからの移籍も真剣に考えていたというイチロー選手。日本球界への復帰も視野に在り、その場合の移籍先はジャイアンツしか考えていなかったとか。実際に彼のエージェントが(ジャイアンツがキャンプを行っている)宮崎迄足を運び、情報収集を行っていたというのだから驚きだ。ジャイアンツ入りが消えた理由は次号で語られるそうだが、面白いのは「日本球界で復帰する際は、ジャイアンツしか考えなかった。」という理由。「強いジャイアンツならば全く移籍を考えなかったが、ボロボロになったジャイアンツならば加入する意味合いが在ると思った。」といった趣旨のコメントには、ジャイアンツ・ファンとして複雑な思いが。
クリスマス・イヴに新潟県柏崎市で開催された日本プロ野球選手会の中越沖地震復興イベントで、タイガースの赤星憲広選手がそう宣言したそうだ。然る可きシステムに則ってで在れば、メジャーに行くのは選手個々の自由。唯、そうは思っていても「日本球界に骨を埋める。」という気持ちを持っている選手は、どうしても応援したくなる。
「週刊プレイボーイ(1月7&14日号)」に載っていたイチロー選手のインタビュー記事がなかなか面白かった。*1手元に当該誌が無い(立ち読みで済ませた。)ので記憶に頼って書くが、次の様な趣旨のコメントが在った。
「最近は『メジャーでどうしてもやりたいから行く。』では無く、『メジャーでも出来そうだから行く。』という日本人選手が増えている様に感じる。そういうのってカチンと来る。『メジャーでどうしてもやりたい!』っていうのが先だろって思うから。『メジャーでも出来そうだから行く。』って考えだったら大間違いだと思う。」
3年前に「猫も杓子もメジャー挑戦」という記事で私見を書いたが、今回のイチロー選手の意見と全く同じ。プロ野球再編問題が起こった際、「プロ野球ファンの為に頑張る!」と散々口にしているものの、実際には自身の高待遇だけを追い求めている様な選手が少なからず見受けられ、正直白けてしまう自分が居た。メジャー挑戦を口にする選手の中に、「メジャー”でも”何とかやれそう。日本球界よりもメジャーの方が”美味しい目”に遭えそうだから、メジャー行きをぶち上げてみるか。」という思惑が透けて見えてしまう者がチラホラ感じられ、同様に白けた思いをしている。
上記した様に、然る可きシステムに則った上でのメジャー行きなら、それは選手個々の自由で在り、「正しい。」とか「誤っている。」という区別をするつもりは無いが、「どうしてもメジャーでやりたい!」という思いが感じられない選手には「どうぞ勝手に。もう日本球界に戻って来なくて結構ですから。」という気持ちだけだ。
「AERA(12月24日号)」には「大リーグの攻勢で日本球界『広島化』」という記事が。川口和久投手や江藤智選手、金本知憲選手、新井貴浩選手、黒田博樹投手と、カープが地道に育成して来た主力選手達の”流出”が続いている。カープが他チーム(実質的には2チームだが。)の草刈り場になっている感すら在る。そして、「これからは日本球界自体が、メジャーの草刈り場になるのではないか。」というのがこの記事の趣旨。カープ・ファンが抱えて来た”哀しみ”を、他チームのファン達も抱える事になる可能性。記事の最後でエモやんが、次の様に警鐘を鳴らしている。
「日本の野球界は、足元に火が点いている極めて深刻な事態です。このままでは球界全体が広島みたいになる。球団経営の在り方を球界全体で見直す事が急務だ。」
*1 今春、マリナーズからの移籍も真剣に考えていたというイチロー選手。日本球界への復帰も視野に在り、その場合の移籍先はジャイアンツしか考えていなかったとか。実際に彼のエージェントが(ジャイアンツがキャンプを行っている)宮崎迄足を運び、情報収集を行っていたというのだから驚きだ。ジャイアンツ入りが消えた理由は次号で語られるそうだが、面白いのは「日本球界で復帰する際は、ジャイアンツしか考えなかった。」という理由。「強いジャイアンツならば全く移籍を考えなかったが、ボロボロになったジャイアンツならば加入する意味合いが在ると思った。」といった趣旨のコメントには、ジャイアンツ・ファンとして複雑な思いが。
自らが選択した事に関しては、どういう結果が出ようともそれを受け止めなければならないのは選手自身。仮にファン受けする選択をしたとしても、悪い結果が出た場合にファンがそれを代わりに受け止めてくれる訳でも無い。嘗ての落合選手の様に「自分を少しでも高く買ってくれるチームに行くだけ。」と、露悪的と非難されようが己がスタイルを貫くのも又、プロの在り方の一つでしょうね。「このスタイルが好きor嫌い」というのは言えても、「このスタイルは正しいor間違っている」とはファンの立場で断じるのは無意味とも言えましょう。ですから「出来そうだから。」という思いでメジャーに行くのも一つの在り方とは思いますが、やはり個人的にはイチロー選手と同様に「そういう思考は好きじゃない。」と感じてしまうんです。これは美学の違いとも言えるんでしょうね。
オリックスファンの先輩から聞いた話ですが、イチロー選手は自分にも他人にも厳しい人だというのはわかりますが、唯、オリックス時代バッターボックスで集中できないから鳴り物の応援はやめて戴きたいと応援団に直訴していたという噂があります。そういわれるとイチローコールだけでイチローの打席は鳴り物がなくなっていたような。あいつは何様やと先輩がよく口にしてました。
往年の野球ファンと(会社の先輩や上司ですが)飲みに行くと、メジャー流出で日本のプロ野球が心配だとか、いや、メジャーで日本人選手が沢山活躍したほうが野球人気が上がるだのとか。FA制度で時代が変わったなとか。こういったことばっかりおしゃべりしてますね。とにかく、私は皆さん、なんやかんや野球が好きでこういう人が沢山いれば野球界は安泰だと思う今日この頃でした。
赤星の生涯阪神宣言には正直うれしかったですよ。まあ新井も生涯カープ宣言をしていたらしいので・
選手が引退する時期に関して、その捉え方はファンの間にも色々在りますよね。余力を残して、「未だ充分活躍出来るじゃないか。」と思われ乍ら辞めて行くという形(王選手や新庄選手等。)が美しいと捉えるファンも居れば、ボロボロになる迄現役に拘るという形(衣笠選手やノムさん等。)を良しとするファンも居る訳で、ファンにも選手にもそれぞれの”美学”が在るという事かと。
以前の記事で書いたのですが、イチロー選手のナルシストとも思える言動を自分は余り好きでは在りませんでした。最近はそういった部分も薄れて来た様に感じますが、鳴り物云々の話もイチロー選手なりの美学(又はナルシズム)の表れとも言えましょうね。それをどう捉えるかは、受け止める側の美学等によって異なる様に感じます。
仰る様に野球話を酒の肴にしている人は少なく無く、そういう意味では未だ未だ野球も捨てた物では無いと言えるのかもしれません。前にも書いた事ですが、バッテリーと打者との駆け引きなんていうのも、将棋や囲碁等に親しんで来た日本人が好む所でしょうし。
WBCの際に、それまでのパブリックイメージとは違う「熱い男」キャラを打ち出してみせ、一部で「イチローの愛国心に感動した!」という勘違いを生んだようですが(苦笑)、本人が後でインタビューでぶっちゃけていましたっけね。あれもまたいわばチームを盛り上げて勝利につなげるための「演出」だったと。
新庄君は、見た目「まだ出来るじゃないか」引退と思わせておいて、実は「ボロボロ」だったそうです。遺伝性の目の病気を抱えていて、アメリカにいた頃既に痛みと闘っていたそうですが、去年の開幕直後に発作が来て、もう駄目だと覚悟したのだと言っていました。
『メジャーでも出来そも出来そうだから行く。』
という日本人選手の風潮、実は肯定的に見えるようになってきました。
というのは、それだけNPBの実力がMLBに迫っている証だからと思うからなのです。
話は大きくそれますが、かつて南極大陸は
『冒険』
でした。
現在、南極大陸は
『科学・研究の場』
となっています。
MLBも、実績のある選手にとってもはや、挑戦の場ではなくなっていると思うのです。
それはそれで、日本人選手の実力の証明であり喜ばしいことだと思うのです。
この世に生を受けてウン十年になりますが、人生の分岐点でそれなりに懊悩して自分なりの決断を下して来ました。でも「其処に確固たる思いが在ったか?」と問われれば、イエスとは言い難いですね。
イチロー選手は良くも悪くも、自身の確固たる思いを持ち続けている数少ない野球選手の一人でしょう。彼なりの美学が間違いなく在り、今回の「メジャーで出来そうだから行くというのでは駄目!」というのも彼の美学から来ている。この意見には自分も同感な訳ですが、「北京五輪アジア予選の韓国戦で、初回1死から遊ゴロに倒れた川崎が一塁にヘッド・スライディングした事に付いて、イチロー選手が『馬鹿げた事をした。』と川崎選手を一喝した。」という昨日の報道(http://news.goo.ne.jp/article/sponichi/sports/mlb/kfuln20071227001005.html)には否定的な思いが。
「怪我のリスクを背負う。」及び「ベースを駆け抜けた方が早い。」というのがイチロー選手がヘッド・スライディングに否定的な理由との事ですが、これは確かにそうだと思うんです。でも世の中必ずしも理屈だけでは無い部分も在り、見ている側(ファンや選手達)としてはそういったハッスル・プレーに鼓舞される面も在る。星野”銭”一氏的な過ぎた精神論は嫌ですが(笑)、ヘッド・スライディングは個人的に在りじゃないかなあと。くどい様ですが、イチロー選手の考えが正論なのは判ってるんですけどね。
メジャー行きは行きたいものだけなんて理解しがたい部分がありますよね高額で面張られちゃ行く気になる人も多いでしょ
メジャー側が近年日本の野球をやっと認めた為にもしくはメジャー球団の増え過ぎによるメジャーのレベルが落ちたのか?わかりませんが通用する事実を踏まえ獲得に乗り出してしまった今の状態
その気がなかった選手も高額な金額提示の匂いにアメリカ行きを決める事は仕方ないと感じます…
それは今までの巨人手法そのものだからです(笑)
今回4億で契約更改した上原投手はメジャー希望
二岡選手は広陵時代から広島苑田スカウト通い逆指名確定といわれた選手
ドラフト直前までヤクルト入り熱望してた高橋由伸選手を巨人が獲得した様やり続けた手法ですよ
今度資金豊富なメジャー球団が巨人の選手を…
巨人も来季主力メジャーに流出したら選手育成と言う言葉の重要性を理解し始めるかもしれません
ポスティングシステムの改正も含めメジャーFAの取り決めルール改正を急ぐことが最優先ですね
広島化・草刈り場ですか的を得てるだけに悔しい
理解は示したいところです。
が、他の選手からは「だって、通用しそうじゃないですか?」
という声が出てきそうな気もします。
実際問題、今のメジャーは超一流の選手のみが挑戦できる場ではなくて、
「アレ」呼ばわりされた斎藤隆が再生し、
岡島が連続無失点を記録する場なわけですし。
(この2人には失礼な書き方ですが……)
しかも条件もいいとなれば、選手が興味を示すのは当然のことで、
問題があるとすれば、「狭き門」を演出できないMLBでしょう。
もっとも、MLBにとっては「問題」とは正反対の現象でしょうが。
で、翻って日本を見てみると、先ほども書いたように、
MLBに興味を示す選手が増えるのは仕方のないことで、
移籍が増えるのも当然でしょう。
まさか今さら鎖国するのも馬鹿馬鹿しいですし(笑)
むしろ大事なのは、日米間の移籍が増えても困らない体制作りです。
で、それは現実に可能であろう、と。
イチローの抜けたオリックス、さらには来年のカープを見て、
不安になる人もいるでしょう。
ですが、阪神は新庄が抜けてから暗黒時代を脱出し、
中日は福留抜きでポストシーズンを勝ったわけです。
ホークスは城島が抜けて戦力は落ちたでしょうが、
人気が落ちたわけではない。
さらに、手前味噌になりますが、岡島が抜けたうちの例もあります(^^;;)
と考えると、「安易な」メジャー志望選手が増えること自体は、
大した問題とは思えません。
むしろ、それを前提に、次の一手をどう打つかが大事だと思っています。