何年か前に「輸入盤が買えなくなるかも知れない」という話があったことを覚えているでしょうか。アジアから逆輸入される邦楽の還流盤を防ぐ目的で発案された「輸入権」というものが通常の輸入盤にも適用される恐れがあるということで論議を醸し出したあの事件です。今となってはその話題も風化しつつあるようですが、聞きかじった程度のあいまいな知識しか持っていなかった僕にとって、この本で語られている事件の詳細は非常に興味深いものでした。
本書では「レコード輸入権」、「CCCD」、「違法コピーとファイル交換」、「音楽配信サービス」と大きく四つの章に分けて、音楽好きなら何かと気になる話題について深く掘り下げています。個人的には CCCD の存在がアーティストやレコード会社にどういう変化を引き起こしたのか、その辺りの話が面白かったですね。また「違法コピー」や「ファイル交換」といっても決してアングラ的な内容ではなく、それらが日本の音楽シーンに与えてきた影響を極力中立的な観点から述べています。
「好きな音楽は着うたで十分」といったライト・リスナーの方にはさほど興味の沸かない内容かもしれませんが、大小問わず音楽に何かしらのポリシーを抱いて聴いているヘヴィ・リスナーの方には色々と役立つ情報や知識が詰まった一冊だと思います。勉強になりますよ!(笑)
着うたに自分の好きな楽曲を設定したいというのはよくわかるのですが、そのまま音源として普通に聴いてしまうのは、本来楽曲が持つ魅力はほとんど伝わらないでしょうね。
人それぞれに価値観があるわけで、音楽に重きを置かない人からといってどうこうといえる義理ではないですが、深く知るからこそ聞こえてくるもの、見えてくるもの、そういったものに近付く機会を自ら手放しているような気がします。何となく淋しいですね・・・。
着うただけで十分という方、居ますね。
ぼくは、着うたの魅力がよくわからないので、
それ以上は突っ込みませんが、
アーティストは、1つの音楽で何かを表現している人達なので、全て聴かないとわからない事もあるとおもっています。
CDのジャケットもまた、そういう気持ちが入っていると思っていますが、全てを揃えるのは容易じゃないことも確かです。
この本の面白いところは法律的な正しさを述べているのではなく、それが故に生まれる色んな意味でのもどかしさ、そして矛盾点を浮き彫りにしている点ですね。誰が正しいとか悪いとかではなくて、音楽業界がよりよい方向に進んでいくためには、アーティスト、事務所、レコード会社はどうあるべきか。それぞれの意見を中立的な立場でまとめ、著者なりの意見を加えているところがポイントですね。くろもあ殿ならきっと楽しめる一冊だと思うよ(笑)。
この本を読んだわけではないので、論点ずれてるかも知れませんけど、みんな今の儲けの種を失いたくないんですよね。
どうすればいい音楽が生まれるのか、音楽を作った人が報われるのか、という視点で、今の状況に合った、システムができるといいのですが。
そうなんですよね、皆とはいいませんが
音楽の聴き方が変わってきているような気がします。
確かに聞き方は人それぞれ自由だと思いますし
それに口を挿むつもりはないのですが
提供する側の比重がそちらに流れてしまい
本当に音楽を愛する人がマジョリティ扱いになってしまわないかと不安に感じたりもします。音楽産業がビジネスである以上、企業が儲けに走るのは当然のことですものね・・・。
うたフルならまだわかるが45秒の「着うた」で満足
してる10代がいるのがヤバイ。
期待してます。