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現代ビジネスOPEN!! どりこの探偵局


人名 大泉実成
よみがな おおいずみ みつなり
プロフィール 1961年生まれ。中央大学大学院文学研究科修了。哲学専攻。エホバの証人信者の輸血拒否事件を追った『説得』(現代書館)で、講談社ノンフィクション賞を受賞。対象に密着したノンフィクション作品を数多く発表している。99年、両親が東海村JCO臨界事故で被曝したことから、臨界事故被害者の会の事務局長も務める
作品

説得―エホバの証人と輸血拒否事件
現代書館、1988年12月
説得―エホバの証人と輸血拒否事件
(講談社文庫、 1992年1月)
東京サイテー生活―家賃2万円以下の人々
太田出版、1993年2月
東京サイテー生活―家賃月2万円以下の人々
(講談社文庫、1994年11月)
消えたマンガ家
太田出版、1996年12月
麻原彰晃を信じる人びと
洋泉社、1996年1月
消えたマンガ家 (2)
太田出版、1997年6月
庵野秀明 スキゾ・エヴァンゲリオン
太田出版、1997年3月
消えたマンガ家〈3〉
太田出版、1997年12月
消えたマンガ家―ダウナー系の巻
新潮OH!文庫、2000年12月
消えたマンガ家―アッパー系の巻
新潮OH!文庫、2000年12月
宮崎駿の原点―母と子の物語
潮出版社、2002年10月
人格障害をめぐる冒険
草思社、2005年12月
萌えの研究
講談社、2005年12月


共著、編著、(  )内は共著者
水木しげるの大冒険
(絵・水木しげる)、扶桑社、1994年9月
水木しげるの妖怪探険―マレーシア大冒険
(改題 講談社文庫、1999年8月)
マレー獏は悪夢を見ない―夢をコントロールする民族・セノイへの旅
(写真・吉田勝美)、扶桑社、1994年7月
夢を操る―マレー・セノイ族に会いに行く
(改題『夢を操る―マレ-・セノイ族に会いに行く』講談社文庫、1996年11月)
爆音に焦がれて―森且行の挑戦
(写真・関根虎洸)、太田出版、1997年9月
予想屋
(田中良成)、太田出版、1998年2月
水木しげるの大冒険 幸福になるメキシコ―妖怪楽園案内
(絵・水木しげる)、祥伝社、1999年6月
水木しげるの大冒険〈2〉精霊の楽園オーストラリア(アボリジニ)―妖怪の古里紀行
(絵・水木しげる)、祥伝社、2000年10月
本日の水木サン―思わず心がゆるむ名言366日
(著・水木しげる)、草思社、2005年12月

HP

http://d.hatena.ne.jp/oizumi-m/

備考
更新日 09/07/30




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7月28日 大阪府大会 5回戦 
関大北陽 6-4 浪速

レポート 氏原英明

大会を通してみる楽しみとしてあるのが、大会の中に成長していく選手を発見できるところである。
序盤戦は活躍できず、そのことで、印象を薄くしていたのが、戦いを経ていくにつれて、成長に気づいたりする。

指揮官の中には
「練習より、練習試合。練習試合より公式戦。場が大きくなればなるほど選手は成長していくんです」
と話す人もいるくらいだ。

きょうは、以前にも書いた関大北陽の2年生右腕・畑瀬の成長ぶりについて触れたいと思う。

 2回戦の大阪戦で畑瀬を見たとき、個人的には好きな選手という印象を持ったが、そう活躍したわけではなかった。その時のブログで、僕はこう書いている。

「135キロ台中盤ほどのストレートとカーブ、スライダーが特徴の本格派。
 球速はさほどないが、肘がしなっているからスピード以上のキレを感じる。投球フォームも見た目に、バランスがとれていて、見栄えは抜群だ。」(7.22update『関大北陽 「2強」の壁を破るか』)

 その印象は今も変わらない。しかし、その時は、新納監督の方針もあり、登板中に何度も怒鳴られ、輝きを失っていた。
マウンド上でも、ベンチ裏でも自信なさげにしていたのを覚えている。

実はあのあと、こんなことがあった。

試合後の新納監督をつかまえて、挨拶にいった。そして、「畑瀬くんを見にきた」と伝えると、新納監督は、畑瀬を呼びよせて、こういったのだ。

「畑瀬!こうやってな、お前を見に来てくれている人がおるんや。わかるか。だから、もっと自信をもってやれよ!」

 新納監督の期待がうかがえたし、彼の何よりの成長の課題は自信の芽生えだということが、このときのやり取りで見てとれた。

 そして、きょう、5回戦・対浪速戦。畑瀬は先発マウンドに立った。
1回表に2点のアドバンテージをもらった畑瀬は、1回裏を2三振の見事な立ち上がり。3回までを無失点で抑え、試合を作った。
2回裏のピンチで三振を取った際には、マウンド上で吠えていた。2回戦の試合後、あれだけ自信なさげにしていた畑瀬が、である。

3-0の4回裏、浪速の猛反撃を受けてしまう。二塁打と犠打、犠飛で1点を失い、2さらに2連打を食らったところで、新納監督は左腕の山口にスイッチした。
しかし、前回と違ったのはここから。新納監督は2回戦で畑瀬を替えた時、ベンチに下げてしまったが、きょうは左翼に残したのだ。

試合はその後、山口―笛吹とつなぎ、失点を計3点で食い止め、攻撃面では計6得点を奪い、9回を迎えていた。勝利目前までこぎつけていた。

ところが、9回裏、最後の攻撃に浪速ナインの気持ちが一つになる。先頭の1番・井上、2番・松岡と連続安打で出塁、マウンド上の笛吹を攻め立てた。スタンドの応援も重なりあって、関大北陽は受けに立ってしまった。
すると、ここで、新納監督は畑瀬の再登板を指示したのである。若き2年生右腕にこの試合を託したのだ。

「心の準備はできていた」
という畑瀬はこの窮地にも、冷静だった。
3番・近藤を三振に切って取ると、序盤に見せたようにマウンド上でほえた。続く打者を右翼フライ。5番・辻野に右翼前適時打を打たれるも、6番・磯谷四球のあと、7番・西尾の代打納家を遊撃ゴロに打ち取り、試合を締めた。

もうそこに、以前の表情をする畑瀬の姿はなかった。自信を手にした2年生右腕の表情があった。
大会の中で成長を見せている、高校野球観戦はだから、やめられない。今後もさらなる成長を見せてほしいものだ。

 また、前回のブログでは「第2勢力」について書いたが、きょう、南港球場で行われた3試合は第2勢力たちの熾烈な争いが繰り広げられていた。
 先述したように、第1試合では関大北陽が浪速に勝ち、第2試合では履正社が大産大附を破った。第3試合では上宮太子が、完全試合男・田中大輔率いる近大付を圧倒して勝ち、ベスト8へコマを進めた。
 舞洲球場では金光大阪が、4番・陽川の活躍でサイクル男の西田哲朗はいる関大一を破り、NO1野手対決を制した。第2勢力たちはさらに絞られ、次なる舞台へと向かう。

 準々決勝の組み合わせでは、明日、PL学園が5回戦を突破すれば、大阪桐蔭との二強対決が実現することになっている。
 そして、履正社は上宮太子と、関大北陽は金光大阪と対戦。大会もいよいよ大詰め。どこが覇権をとるのだろうか。

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 在日チャイニーズの取材をきっかけに、池袋でよく飲んだり食べたりするようになりました。客の大半が中国人という店ばかりですが、日本人のグループもけっこう楽しそうにわいわいやっています。中国人たちは、安くてうまい店を見つけるのがとにかく上手で、先週も中国人の床屋さんと二人してかなり飲んだり食べたりしたのですが、なんと一人3000円ちょうど(!)。北京ダックなど、横浜中華街の半額以下です。池袋では、先走り気味のチャイナタウン計画をめぐって、地元商店街との対立ばかりがマスメディアにとりあげられますが、活気のある新しいコミュニティーが生まれつつある現実にこそ焦点をあてるべきでしょう。日本人客がいても彼らはまったく無頓着なので、私などにはかえって気が楽なくらいです。

野村 進
(7月27日記)

前回・5月17日の通信はこちら



Profile
のむら すすむ
1956年生まれ。上智大学中退。アテネオ・デ・マニラ大学留学中に取材・執筆活動を始める。97年、『コリアン世界の旅』(講談社+α文庫)で大宅壮一ノンフィクション賞と講談社ノンフィクション賞をダブル受賞。99年、『アジア 新しい物語』(文春文庫)でアジア太平洋賞受賞。『千年、働いてきました』(角川oneテーマ21)など著書多数。現在、拓殖大学国際学部教授も務める

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人名 高橋幸春
よみがな

たかはし ゆきはる 

プロフィール 1950年生まれ、早稲田大学第一文学部卒。75年から3年間パウリスタ新聞で記者として勤務後、ブラジル移民を描いた『蒼氓の大地』(講談社)で、91年の講談社ノンフィクション賞を受賞。「麻野涼」の名で小説も執筆している
作品

明日香ちゃん美しく―稀少難病と闘う患者たちの記録
桐原書店、1982年7月
翔べ!浩―あるサリドマイド児の青春
桐原書店、1983年12月
流民の大地
桐原書店、1984年7月
明日香ちゃん美しく〈続〉―稀少難病と闘う患者たちの記録
桐原書店、1985年11月
カリブ海の「楽園」―ドミニカ移住30年の軌跡
潮出版社、1987年9月
蒼氓(そうぼう)の大地
講談社、1990年11月
蒼氓の大地
(講談社文庫、1994年3月)
行こか戻ろか出稼ぎジャポン
講談社、1992年12月
日系ブラジル移民史
三一書房、1993年10月
悔恨の島ミンダナオ
講談社、1994年12月
絶望の移民史―満州へ送られた「被差別」の記録
毎日新聞社、1995年11月
車椅子の挑戦者たち―私の夢を生きるために
東林出版社、1996年7月
日系人 その移民の歴史
三一新書、1997年12月
日本一のわたしの母へ 涙でありがとう
東林出版社、1998年3月
日系人の歴史を知ろう
岩波ジュニア新書、2008年9月


共著、編著、(  )内は共著者、共編者
ドミニカ移民は棄民だった―戦後日系移民の軌跡 (世界人権問題叢書)
(今野敏彦)、明石書店、1993年10月
パウラちゃんのニッポン日記 (子どもドキュメント)
(写真・田中和生)、 国土社、1995年1月
愛が引き裂かれたとき―追跡ルポ・結婚差別
(石飛仁)、解放出版社、1996年10月
死刑判決は『シルエット・ロマンス』を聴きながら―林眞須美 家族との書簡集
(著・林眞須美、共編・長冨俊和)、講談社、2006年8月

HP

備考
更新日 09/07/27




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7月26日 西東京大会 準々決勝 (神宮球場)
日大三 13-1 東亜学園

レポート 鷲崎文彦

 05年に夏3連覇を果たして以来、甲子園から見放されている日大三。昨夏は準決勝で早稲田実業に逆転負けを喫したが、主戦投手を務めてきた関谷と塚田が残り、今春のセンバツも有力視されていた。  だが、秋は1次予選こそ危なげなく勝ちあがるも、本大会では1回戦で日大鶴ヶ丘に5対14で屈辱の8回コールド負け。
 関谷と塚田が2回までに11点を失うという予想だにしない展開だった。
 
 それがよほどの薬になったのだろう、冬を越えてからは本来の姿を取り戻してきた。春の都大会を制して第1シードで臨んだこの夏もここまですべて5回コールド勝ち(初戦の2回戦・都日野台戦11対0、3回戦・都調布南戦12対0、4回戦・創価戦11対0)。
 強い三高を見せつける。小倉監督の頭の中には勝ち抜くことは当然で、相手を寄せつけずに圧勝して甲子園まで繋げたい、そんな思いがあるのではないだろうか。
 試合前、選手がアップする中、東亜学園の監督と少し話をするシーンがあったのだが、小倉監督は笑顔を見せるなど余裕たっぷりといった様子だった。

 試合は日大三が初回から主導権を握る。四球と相手のエラーでチャンスをもらうと、3番の日下が先制の2点タイムリー。さらにヒットを連ねて5得点。バッターはみな、トップの位置を肩口に残してボールを捕えに行くことが徹底されていた。
 2回は1点を追加した後の2死1塁から盗塁を決め、次打者がタイムリーヒットを放つ効率の良い攻撃。
 4回に2点を奪って1死1、2塁の場面では9-0でもきっちりと送りバントを決める。内野安打で10点目を取ると、続く左打者の角(ヤクルト角富士夫2軍守備走塁コーチの長男)が高めの真っ直ぐを押し込むように打ってライトスタンドへの3ラン。2番打者とは思えない豪快な1発で13-0。

 東亜は4回戦でセンバツに出場した早実を10-0で6回コールド勝ち(前日は5回表を終わって3対8で劣勢も雨のため再試合になる運が味方したとはいえ)したチームである。
 初回と5回には満塁のピンチもあったが結局、得点を許したのは4回の1点のみだった。
 
 まさに圧勝だったのだが、小倉監督はこの1点を失ったシーンを納得していない様子だった。
 セカンドの悪送球が絡んでのものだったのだが、1塁ランナーが送球を妨害したとセカンドが審判にアピール。にも関わらず審判団からしっかりとした説明が得られなかったからだ。
 点差を考えれば大勢に影響はないが、常に1点にこだわる指揮官の姿勢がチームに浸透していることをうかがわせた。

 各地で本命と目される高校の敗退が相次いでいるが、西東京の大本命は崩れそうにない。

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人名

野田正彰(2)

作品

気分の社会のなかで―神戸児童殺傷事件以後
中央公論新社、2000年1月
国家に病む人びと―精神病理学者が見た北朝鮮、バルト、ガリシアほか
中央公論新社、2000年11月
犯罪と精神医療―クライシス・コールに応えたか
岩波現代文庫、2002年1月
させられる教育―思考途絶する教師たち
岩波書店、2002年6月
背後にある思考
みすず書房、2003年8月
共感する力
みすず書房、2004年1月
■『災害救援』
岩波新書、2004年12月
陳真―戦争と平和の旅路
岩波書店、2004年12月
砂漠の思想―リビアで考えたこと
みすず書房、2005年2月
この社会の歪みについて―自閉する青年、疲弊する大人
ユビキタ・スタジオ、2005年8月
なぜ怒らないのか
みすず書房、2005年9月
子どもが見ている背中―良心と抵抗の教育
岩波書店、2006年10月
見得切り政治のあとに
みすず書房、2008年5月
虜囚の記憶
みすず書房、2009年6月


共著、翻訳、(  )内は共著者、原著者
マインドスケイプ 現代の不安、OAストレス症候群―ハイテク時代のアメリカ式健康マニュアル
(クレイグ ブロード)、集英社、1989年7月
コンピュータリズム (メンタルヘルス・シリーズ)
(内山喜久雄)、 同朋舎出版、1990年3月
ビジネスマンの性―ストレス過剰時代を生き抜くための「心と体」の常識
(阿部牧郎、小野寺時夫 、斎藤茂男、市川森一)、プレジデント社、1995年7月
人活論―したたかな個人主義が会社を救う
(江坂彰)、徳間書店、1996年6月
京都 花の名庭散歩―四季折々の美を堪能する古都案内
(写真・水野克比古)、講談社カルチャーブックス、1997年3月
対論・日本のマスメディアと私たち
(浅野健一)、晃洋書房、 2005年9月
災害救援の視点―神戸市長田区から世界へ (K.G.りぶれっと)
(伊佐秀夫、青木しげゆき、池田清)、関西学院大学出版会、2005年9月
「麻原死刑」でOKか?
(大谷昭宏、宮台真司、宮崎学、森達也)、ユビキタ・スタジオ、2006年4月
こどもに命の大切さを伝える (K.G.りぶれっと)
(日野原重明、井垣康弘、磯貝曉成)、関西学院大学出版会、2007年2月

他の作品リスト(WHO'S WHO-1)を見る

更新日 09/07/26




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人名 野田正彰(1)
よみがな

のだ まさあき 

プロフィール 1944年生まれ。北海道大学医学部卒業。専攻は比較文化精神医学、文化人類学。 87年、『コンピュータ新人類の研究』(文藝春秋)で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。 92年、『喪の途上にて』(岩波書店)で講談社ノンフィクション賞受賞
作品

錯乱と文化―精神医学と人類学との対話
マルジュ社、1981年5月
狂気の起源をもとめて―パプア・ニューギニア紀行 中公新書、1981年7月
クライシス・コール―精神病者の事件は突発するか 毎日新聞社、1982年10月
日本カネ意識―欲求と情報を管理するクレジット社会
情報センター出版局、1984年12月
都市人類の心のゆくえ―文化精神科学の視点から
NHKブックス、1986年2月
コンピュータ新人類の研究
文藝春秋、1987年3月
コンピュータ新人類の研究
(文春文庫、1994年4月)
文化に囚われた心―不安からの脱出
人文書院、1987年5月
経営者人間学―リーダーはいかにして創られるか
ダイヤモンド社、1988年1月
漂白される子供たち―その眼に映った都市へ
情報センター出版局、 1988年8月
生きがいシェアリング―産業構造転換期の勤労意識
中公新書、1988年10月
リビア新書
情報センター出版局、1990年3月
喪の途上にて―大事故遺族の悲哀の研究
岩波書店、1992年1月
さまよえる都市人類―勤勉の快楽・消費の憂鬱
PHP研究所、1992年10月
国家とマロニエ―日本人の集団主義と個の心
新潮社、1993年1月
紊乱のロシア
小学館、1993年2月
紊乱のロシア
(小学館ライブラリー、1999年6月)
泡だつ妄想共同体―宗教精神病理学からみた日本人の信仰心
春秋社、1993年5月
中年の発見
新潮社、1994年3月
人生の秋は美しい
(増補、『人生の秋は美しい』三五館、1997年8月)
庭園に死す
春秋社、1994年3月
庭園に死す
(新装、春秋社、1999年4月)
経営者の人間探究―企業トップはいかにして創られたか
プレジデント社、1994年5月
中年なじみ
ダイヤモンド社、1994年9月
災害救援の文化を創る―奥尻・島原で
岩波ブックレット、1994年11月
災害救援
岩波新書、1995年7月
ポストバブルの日本人
春秋社、1995年10月
ミドルの転機―続・中年なじみ
ダイヤモンド社、1995年11月
■家を失うことの意味―救援の思想・阪神大震災の現場から (ライブ・ディスカッション・レポート)
スタジオ・ユキ「青山を研究する会」、1996年4月
わが街―東灘区森南町の人々
文藝春秋、1996年7月
鏡の中の迷宮
春秋社、1996年10月
あの世とこの世 (現代の世相)
小学館、1996年12月
戦争と罪責
岩波書店、1998年8月
聖ロシアの惑乱
小学館、1998年10月


他の作品リスト(WHO’S WHO-2)を見る

HP

備考
更新日 09/07/26




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保阪正康のノンフィクション100選:翻訳書
※コメントは選者ご本人によるものです

医の倫理 (文庫クセジュ (738))
クレール・アンブロセリ/中川米造訳
白水社文庫クセジュ/1993年
医の倫理は時代の枠組みの中でどう動いたかを見つめる

ウィガン波止場への道 (ちくま学芸文庫)
ジョージ・オーウェル/土屋宏之、上野勇訳
ちくま学芸文庫/1996年
労働者の生活に入り、作家が社会主義者として目ざめる点に興味がある

カール・マルクス―その生涯と思想の形成
E・H・カー/石上良平訳
未來社/1998年
マルクスの存在を、立場を異にする目で書いている

死よ驕るなかれ (1950年) (岩波新書〈第40〉)
ジョン・ガンサー/中野好夫、 矢川徳光訳
岩波新書/1950年
息子の死を通して、死をみつめたジャーナリストの心情がでている

キッシンジャー激動の時代 1
キッシンジャー激動の時代〈2〉火を噴く中東 (1982年)
キッシンジャー激動の時代 3(全3巻)
H・A・キッシンジャー/読売新聞・調査研究本部訳
小学館/1982年
自らの回顧録を残すのが義務との考えで書かれている。20世紀が浮かびあがる

ちょっとピンぼけ
ロバート・キャパ/川添浩史、井上清一訳
文春文庫/1979年
ある写真家が自らを語っていく。そこに20世紀の写真の歴史がある

■『戦争論』(上中下)
カール・フォン・クラウゼヴィッツ/篠田英雄訳
岩波文庫/1968年
戦争論を展開するときは、今なおこの書が下敷きになる

歴史的決断〈上〉 (ちくま学芸文庫)
歴史的決断〈下〉 (ちくま学芸文庫)(上下)
K・R・グリーンフィールド編/中野五郎訳
ちくま学芸文庫/2004年
アメリカの軍事評論家たちが第二次大戦のそれぞれの局面の決断を分析

■『イワン・デニーソヴィチの一日』
アレクサンドル・ソルジェニーツィン/木村浩訳
新潮文庫/2005年
強制収容所での一日の生活を通して政治と人間の闘いを見る

吉田茂とその時代 (上巻) (中公文庫)
吉田茂とその時代〈下〉 (中公文庫)(上下)
ジョン・ダワー/大窪愿二訳
中公文庫/1991年
吉田茂の生と死まで、その全体像を歴史の中に位置づける

天才の通信簿 (講談社文庫)
ゲルハルト・プラウゼ/丸山匠、加藤慶二訳
講談社文庫/1984年
各界の歴史上の人物はどのような学業成績だったのか。その成長を考える

東京裁判―もう一つのニュルンベルク
アーノルド・C・ブラックマン/日暮吉延訳
時事通信社/1991年
UP記者だった著者が30年をかけてまとめた書

コン・ティキ号探検記 (ちくま文庫)
トール・ヘイエルダール/水口志計夫訳
ちくま文庫/1996年
いかだで海をわたることで真の冒険の意味をわからせる

保守主義的思考 (ちくま学芸文庫)
カール・マンハイム/森博訳
ちくま学芸文庫/1997年
保守思想の系譜を辿りながら、それぞれの時代の保守を考える

■『千の太陽よりも明るく 原爆を造った科学者たち』
ロベルト・ユンク/菊盛英夫訳
平凡社ライブラリー/2000年
原爆をつくった科学者たちのその心理のなかにひそむものは何か

ユング自伝―思い出・夢・思想 (1)
ユング自伝―思い出・夢・思想 (2)(全2巻)
C・G・ユング/河合隼雄、藤縄昭、出井淑子訳
みすず書房/1972年
自らの精神遍歴を通して、精神医学の変容を語っている

中国の冬―私が生きた文革の日々
梁恒、ジュディス・シャピロ/田畑光永訳
サイマル出版会/1984年
文革の日々のなかで中国人の生活はどのようなものだったかが理解できる

翼よ、あれがパリの灯だ
C・A・リンドバーグ/佐藤亮一訳
恒文社/1991年
大西洋横断のこの主人公は歴史にふり回されるが、それを前提に読むとわかるところも多い

文明化した人間の八つの大罪
コンラート・ローレンツ/日高敏隆、大羽更明訳
新思索社/1995年
文明化することによって人間は破滅の道への業を背負っていく

死ぬ瞬間―死とその過程について (中公文庫)
E・キューブラー・ロス/鈴木晶訳
中公文庫/2001年
死を迎えたときの人間の記憶はどのようによみがえるかをさぐる


この項、了


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人名 渡瀬夏彦
よみがな

わたせ なつひこ

プロフィール

1959年生まれ。大学中退後に雑誌記者となり、89年にフリー・ライターとして独立。 92年、『銀の夢 オグリキャップに賭けた人々』(講談社)で、講談社ノンフィクション賞とJRA馬事文化賞をダブル受賞。 

作品

銀の夢―オグリキャップに賭けた人々
講談社、1992年5月
銀の夢―オグリキャップに賭けた人々
(講談社文庫、1996年5月)
修羅の華―辰吉丈一郎がゆく
講談社、1996年2月

共著、編著、(  )内は共著者

誰が日本を支配するのか!? 沖縄と国家統合
(佐藤優、魚住昭) マガジンハウス、2010年8月

 

HP

http://watanatsu.ti-da.net/

備考
更新日

10/08/13

 




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保阪正康のノンフィクション100選:和書その3
※コメントは選者ご本人によるものです

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)
戸部良一、寺本義也、鎌田伸一、杉之尾孝生、村井友秀、野中郁次郎
中公文庫/1991年
日本軍の主要な作戦はなぜ失敗したのか。そのからくりを見る

■『昭和史』(Ⅰ・Ⅱ)
中村隆英
東洋経済新報社/1993年
バランスの取れた昭和という時代の通史といえる

原爆はなぜ投下されたか―日本降伏をめぐる戦略と外交 (1971年) (青木文庫)
西島有厚
青木文庫/1971年
原爆投下の本質を日本人の目で検証した最初の書である

昭和ナショナリズムの諸相
橋川文三
名古屋大学出版会/1994年
昭和ナショナリズムを体系だてて論じるための骨格が示される

ある心の自叙伝 (講談社学術文庫 (636))
長谷川如是閑
講談社学術文庫/1984年
言論人として社会をどう見たか。自由人であろうとすることの闘いともいえる

決定版 日本のいちばん長い日 (文春文庫)(決定版)
半藤一利
文春文庫/2006年
「昭和20年8月15日」を初めて知らしめたノンフィクション

侍従長の回想 (中公文庫)
藤田尚徳
中公文庫/1987年
敗戦をはさんで、天皇の側近が見た天皇と宮中の内容が貴重

細川日記 上 改版 中公文庫 B 1-35 BIBLIO20世紀
細川日記 下 改版 中公文庫 B 1-36 BIBLIO20世紀(上下)
細川護貞
中公文庫BIBLIO20世紀/2002年
近衛文麿の秘書官、高松宮の情報係、旧華族たちの反軍事観が印象的

大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇 (文春文庫)
堀栄三
文春文庫/1996年
大本営情報参謀は決してアメリカに劣ってはいなかったことを裏づける

わたしの山旅 (1968年) (岩波新書)
槇有恒
岩波新書/1968年
山を愛する自由人の心境が時代の空気とは異なった空間を生みだす

上海時代―ジャーナリストの回想〈上〉 (中公文庫)
上海時代―ジャーナリストの回想〈中〉 (中公文庫)
上海時代―ジャーナリストの回想〈下〉 (中公文庫)(上中下)
松本重治
中公文庫/1989年
同盟通信の特派員が見た日中戦争前後の日中関係

絵巻物に見る日本庶民生活誌 (中公新書 (605))
宮本常一
中公新書/1981年
庶民の生活をあらわす絵巻物のなかにそれぞれの階層の姿を見る

女の民俗誌 (岩波現代文庫―社会)
宮本常一
岩波現代文庫/2001年
近代の女性の生き方のなかに伝統の継承と崩壊を見る

ある終戦工作 (中公新書 581)
森元治郎
中公新書/1980年
同盟通信の記者による終戦時の命を賭けた工作がわかる

特攻―外道の統率と人間の条件 (光人社NF文庫)
森本忠夫
光人社NF文庫/2005年
特攻世代が著した同世代の仲間を悼む書。誰かが書かねばならなかった

僕の昭和史 (新潮文庫)
安岡章太郎
新潮文庫/2005年
大正生まれの作家が訥々と語る昭和史の風景

■『近衛文麿』(上下)
矢部貞治
弘文堂/1952年
近衛文麿という昭和の宰相の全貌を史料でえがきだす

道化の民俗学 (岩波現代文庫)
山口昌男
岩波現代文庫/2007年
東西の道化を論じながら、何がそれぞれの文化を具現化するかを問う

回想十年〈1〉 (中公文庫)
回想十年〈2〉 (中公文庫)
回想十年〈3〉 (中公文庫)
回想十年〈4〉 (中公文庫)(全4巻)
吉田茂
中公文庫/1998年
戦後史に名をのこす首相の淡々とした筆調が印象的だ

死の懴悔―或る死刑囚の遺書
吉田大次郎
春秋社/1998年
大正期のアナキストがもっていた直線的な行動は日本人の特性か

零の発見―数学の生い立ち (1979年) (岩波新書)
吉田洋一
岩波新書/1979年
ゼロという概念を人間がもったとき、人類史は変わっていった


「翻訳書」に続く


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人名 立石泰則
よみがな

たていし やすのり

プロフィール 1950年生まれ。中央大学大学院法学研究科修士課程修了。経済誌編集者、週刊誌記者を経てノンフィクション作家に。 93年、『覇者の誤算』(日本経済新聞社)で講談社ノンフィクション賞受賞
作品

復讐する神話―松下幸之助の昭和史
文藝春秋、1988年12月
復讐する神話―松下幸之助の昭和史
(文春文庫、1992年3月)
漂流する経営―堤清二とセゾングループ
文藝春秋、1990年6月
堤清二とセゾングループ
(増訂、講談社文庫、1995年2月)
地方の王国
プレジデント社、1991年12月
ふたつの轍―ワコール・塚本幸一を支えた男たち
日本実業出版社、1991年2月
女性を創造する―ワコール物語
(増訂、講談社文庫、1996年2月)
覇者の誤算―日米コンピュータ戦争の40年〈上〉
覇者の誤算―日米コンピュータ戦争の40年〈下〉
日本経済新聞社上下巻、1993年6月
覇者の誤算―日米コンピュータ戦争の40年
(講談社文庫、1997年2月)
三和銀行香港支店
講談社、1997年5月
ふたつの西武―揺らぐ兄弟の王国
日本経済新聞社、1997年8月
井深大とソニースピリッツ
日本経済新聞社、1998年3月
ソニーの「出井」革命―リ・ジェネレーションへの挑戦
講談社、1998年7月
ソニーの「出井」革命
(講談社+α文庫、2003年2月)
魔術師―三原脩と西鉄ライオンズ
文藝春秋、1999年4月
魔術師 決定版―三原脩と西鉄ライオンズ
(決定版、小学館、2002年11月)
魔術師〈上〉―三原脩と西鉄ライオンズ
魔術師〈下〉―三原脩と西鉄ライオンズ
(小学館文庫上下巻、2005年5月)
ソニーと松下―二十一世紀を生き残るのはどちらだ!
講談社、2001年1月
ソニー革命―ブロードバンド戦略を築く男たち
プレジデント社、2002年8月
異端の勇気―ソニー革命の起爆剤
中央公論新社、2003年2月
ソニーと松下〈上〉企業カルチャーの創造
講談社+α文庫、2003年7月
ソニーと松下〈下〉
講談社+α文庫、2003年7月
淋しきカリスマ堤義明
講談社、2005年1月
チャイナリスク ある邦銀の挑戦
小学館文庫、2006年1月
働くこと、生きること
草思社、2006年1月
ソニー インサイド ストーリー
講談社、2006年9月
ソニー 厚木スピリット
小学館、2007年6月
ヤマダ電機の品格―No.1企業の激安哲学
講談社、2008年1月
ソニー最後の異端―近藤哲二郎とA3研究所
講談社文庫、2008年5月
企業栄えて、我ら疲弊す―会社は誰のためにあるのか
草思社、2008年11月


共著、(  )内は共著者。
土地の魔術―地価高騰の舞台裏を検証する
(佐瀬稔、入江吉正、向谷進)、文藝春秋、1990年12月
「経営の神様」最後の弟子が語る 松下幸之助から教わった「経営理念を売りなさい」
(佐久間昇二)、講談社、2009年3月

HP

備考
更新日

09/07/23

 




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保阪正康のノンフィクション100選:和書その2
※コメントは選者ご本人によるものです

■『人間魚雷回天』
神津直次
図書出版社/1989年
回天搭乗員だった学徒兵の体験は何とも痛々しい

びんぼう自慢 (ちくま文庫)
古今亭志ん生
ちくま文庫/2005年
これほど貧しくとも精神の自由は失わない。終戦時のエピソードが秀逸

太平洋戦争 (上) (中公文庫)
太平洋戦争 (下) (中公文庫)(上下)
児島襄
中公文庫/1974年
ジャーナリストが客観的にまとめた太平洋戦争の入門書

逸翁自叙伝―青春そして阪急を語る
小林一三
阪急電鉄総合開発事業本部コミュニケーション事業部/2000年
若き経済人の洒脱さと先見の明が窺える。文人的経済人の書である

考へるヒント
小林秀雄
文藝春秋新社/1964年
青年期に読んで人生を変え、自らの存在を考えることを学ぶ

御前会議 (文春文庫 (115‐11))
五味川純平
文春文庫/1984年
開戦前、御前会議で何が話し合われたかを徹底的に暴く

■『自治民範』
権藤成卿
平凡社/1927年
日本の共同体における社稷の考え方を確認していくことができる

回顧七十年 (中公文庫)
斎藤隆夫
中公文庫/2007年
反骨代議士のその闘いの中から何を学ぶべきかを教えてくれる

堕落論・日本文化私観 他二十二篇 (岩波文庫)
坂口安吾
岩波文庫/2008年
戦後の思想に新しい視点をもちこんだ内容だが、わかりやすいところがいい

復讐するは我にあり
佐木隆三
弦書房/2007年
殺人犯のその破滅的な行動の核に何があったのか。その問いは重い

重光葵―外交回想録 (人間の記録 (7))(人間の記録7)
重光葵
日本図書センター/1997年
戦時下の外相として昭和の外交の実態を正直に語る

私の昭和史 (1974年)
末松太平
みすず書房/1974年
青年将校のシンパが体験した2・26事件の外側の光景

マッカーサーの二千日 (中公文庫)(改版)
袖井林二郎
中公文庫/2004年
マッカーサーという日本占領の最高責任者の素顔が初めて描かれた

戦死―インパール牽制作戦 (文春文庫 (151‐3))
高木俊朗
文春文庫/1984年
軍人(高級指揮官)の性格によってどれだけの悲劇が生まれるかを明かす

二・二六事件―「昭和維新」の思想と行動 (中公新書)
高橋正衛
中公新書/1994年
二・二六事件の全体図を説いた入門書

敗戦日記 (中公文庫BIBLIO)
高見順
中公文庫BIBLIO20世紀/2005年
作家の冷静な筆調が日本の敗戦時の様子を描きだす

日本とアジア (ちくま学芸文庫)
竹内好
ちくま学芸文庫/1993年
日本はアジアに対して過ちを犯したか。ナショナリズム再考の書である

政治家の文章 (岩波新書)武田泰淳
岩波新書/1960年
何人かの政治家の文章をもとにその政治家の人間性を見ていく

■『日本愛国革新本義』
橘孝三郎
建設社/1932年
農本主義者はいかにしてナショナリズムの視点に立ったかがわかる

機密日露戦史
谷壽夫
原書房/2004年
日露戦争で真に語り継ぐべきは何だったのか。それが歪められたのはなぜか。それが本書でわかる

日本海軍の戦略発想
千早正隆
プレジデント社/2008年
若い海軍士官が敗戦直後にまとめた日本海軍の誤り

伝説の時代―愛と革命の二十年 (1980年)
寺尾とし
未來社/1980年
共産主義思想に賭けていく女性たちのその時代を見る

「甘え」の周辺
土居健郎
弘文堂/1987年
「甘え」とは何か。それはあらゆる人間関係にどうあらわれるかを見る

時代の一面―東郷茂徳外交手記
東郷茂徳
原書房/2005年
開戦と敗戦それぞれに外相だった著者の残した歴史的回想記

徳富蘇峰―蘇峰自伝 (人間の記録 (22))(人間の記録22)
徳富蘇峰
日本図書センター/1997年
近代日本を生き抜いた蘇峰がある年代までの自己を見つめる


「和書その3」に続く


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7月22日 大阪府大会 3回戦 (舞洲球場)
関大北陽 3-1 大阪

レポート 氏原英明

 きょうは、奈良大会・準々決勝第1試合を5回まで観戦したのち、大阪大会へ移動。ことし、「大型チーム」として評判の高い関大北陽を見にいった。

 奈良大会の会場がある橿原球場から目当ての関大北陽が登場する舞洲球場まではおよそ、1時間半。
 その車中では緊張の時が続いた。
 というのも、きょうは大阪大会の別会場で大阪桐蔭が登場。苦戦を強いられていたのだ。8回表の時点で、大阪桐蔭は8-10のビハインド。番狂わせの匂いがした。
 また、遠く長崎大会では、センバツ覇者・清峰が長崎日大の前に、1-3でリードされているという情報も入った。昨夏と今春のチャンピオンが同時に敗退するのか、やきもきしたものだ。
 
 清峰は敗れたものの、大阪桐蔭は勝ち、同時の敗退は免れたが、夏の戦いの怖さを改めて痛感した。
 長崎日大と戦った清峰はともかく、大阪桐蔭の対戦相手は公立校の春日丘だった。

 そんな思いを巡らせながら、舞洲球場についてみると、センバツ出場校の金光大阪が苦戦していた。
 6回終了時点で0-2の2点ビハインド。大阪学院の変則派右腕・佐藤に手こずっていた。
 9回裏に追いつき、延長15回でも決着がつかず再試合となったが、この試合もまた、夏の怖さを感じた。

 前評判など、何の力もくれない、ということだ。

 さて、お目当ての関大北陽である。
 このチームが大型といわれるのは、4人の安定した投手陣と大型捕手・加納、切れ目のない打線の存在がそう言われるゆえんだ。
 特に僕が注目したのはバッテリーで、その能力の高さには驚かされた。

 先発に立った2年生右腕・畑瀬は135キロ台中盤ほどのストレートとカーブ、スライダーが特徴の本格派。
 球速はさほどないが、肘がしなっているからスピード以上のキレを感じる。 投球フォームも見た目に、バランスがとれていて、見栄えは抜群だ。

 しかし、きょうは、制球が定まっていなかった。前の試合が長引いた影響があってもおかしくはない。彼らは高校生だから。
 そこに、拍車をかけるように新納監督の怒声が響く。指揮官の思惑は「待たされた分の切れた緊張の糸を戻すため」だったそうだが、2年生右腕は余計に力んでしまっていた。
 2回途中で降板。まだ失点していたわけではなかったので、この時点での降板は少し残念。彼の評価はまた次の機会においておこうと思う。

 代わりに登板した3年生右腕・中村は後続をきっちりと抑え、流れを作った。タイプとしては畑瀬とそう変わらないが、畑瀬ほどのストレートのキレはないながらに、内・外の使い分けが上手い。
 こういう投手が背番号「12」をつけているんだから、ことしの関大北陽投手陣は相当分厚い。
 中村は7回までを1失点で抑え役割を果たした。
 
 最後に登板したのがエースナンバーをつけた笛吹。
 畑瀬が怪腕なら、笛吹は剛腕。重みのあるストレートとスライダー、チェンジアップで勝負する。ストッパータイプに合いそうだ。
 3年生だし、最後の意地に掛けて、締めてくれそうなタイプだ。昨年冬に手術をしたと聞くが、あれだけ腕を振れたら問題ないだろう。実に豪華な陣容といえる。

  次に注目したのが捕手・加納。183㌢83㌔の体型は、立ち姿を見ただけでも大型選手の印象。雰囲気もある。
 だが、なにより目を引いたのが捕手として声を掛けまくる姿勢が良い。しかも、その掛け方は優しくない。厳しい言葉でチームを引き締める司令塔である。そうでないと、4人いる投手のリーダーシップを取れないのだろう。
 昨今のキャッチャーを見ていると、二塁へのスローイングばかりに目を奪われ、こうした「仕切り」ができないキャッチャーが多い。
 そういう点では加納の捕手としての声掛けには目を引くものがあった。
 もちろん、スローイングも大切。きょうの加納はタイムを測られるのを避けたいのか、ボールを捕ってからは素早くしながらも、投げに行く時には手を抜いていた。

 一方、試合展開はというと苦戦だった。
 練習試合で大勝していたという大阪高に対し、油断もあっただろうし、新納監督の叱咤激励が空回りした部分もあっただろう。観客席に元阪神監督で同校OBの岡田彰布氏が観戦に来ていたことも作用しただろうか。得点を奪えず、いいリズムで試合ができていなかった。
 8回表の時点で1-1。試合の行方は分からない展開であった。

 これを打破したのが5番・中山。8回裏、先頭の川西が左翼前安打で出塁、犠打で二進、3番・山崎中堅飛球、4番・西村四球で回ってきた。 中山は初球を打って、右中間を破る適時三塁打。重たい空気を吹き払った。こうした終盤の精神戦で力を発揮できる選手は強い。
 新納監督も
「もっとやれる、能力のある選手なのに、結果が出ていなかった。これで、今後が楽しみ」
 と、目を細めていた。

 「大型チーム」という評判を聞いてその強さを確かめたかった関大北陽。
 畑瀬の途中降板など、まだ推し量れない部分はあったが、確かに力はあるなと感じるチームだった。
 PL学園、大阪桐蔭の2強の評判ばかりが先行することしの大阪。関大北陽はどこまで迫ることができるだろうか。


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『検証甲子園2009』のすべての記事は、『現代プレミアブログ』の姉妹サイト『検証甲子園2009by講談社』http://www.plus-blog.sportsnavi.com/koshien2009/で読むことができます。




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保阪正康のノンフィクション100選:和書その1
※コメントは選者ご本人によるものです

非常民の民俗文化―生活民俗と差別昔話 (ちくま学芸文庫)
赤松啓介
ちくま学芸文庫/2006年
日本の下層社会の人々のありのままの生活感が出ている

平民社時代 (中公文庫 M 42)
荒畑寒村
中公文庫/1977年
日本の社会主義思想の草分け時代を人間模様で捉えている

東京裁判への道(上) (講談社選書メチエ)
東京裁判への道(下) (講談社選書メチエ)(上下)
粟屋憲太郎
講談社選書メチエ/2006年
最新の資料を使って東京裁判までの被告選定の経緯を明かす

苦海浄土―わが水俣病 (講談社文庫)(新装版)
石牟礼道子
講談社文庫/2004年
公害のもつ悲劇とそれが人災であることを明かした歴史的な書である

太平洋戦争日記 (1)
太平洋戦争日記 (2)
太平洋戦争日記 (3)(全3巻)
伊藤整
新潮社/1983年
作家の戦時下の日記。戦況に一喜一憂するところがよい

花々と星々と (中公文庫 M 7)
犬養道子
中公文庫/1974年
祖父犬養毅のテロ事件のとき七歳の少女。彼女は何を思って育ったか

■『昭和史』
今井清一、遠山茂樹、藤原彰
岩波新書/1955年
戦後の論壇をリードした昭和史論。唯物史観の立場である
私記・一軍人六十年の哀歓 (1970年)
今村均
芙蓉書房/1970年
軍人として正直に生きた人物の自省を交えてのその生活

辻の華―くるわのおんなたち (中公文庫)
上原栄子
中公文庫/1984年
沖縄の遊郭がもつ共同体にも似たつながりの強さに打たれる
あゝ祖国よ恋人よ―きけわだつみのこえ 上原良司
上原良司
信濃毎日新聞社/2005年
特攻として逝った学徒兵の遺稿集。自由主義者としての誇りある死

余は如何にして基督信徒となりし乎 (岩波文庫 青 119-2)
内村鑑三
岩波文庫/1958年
日本の知識人による宗教的体験を本格的に語っている
日中十五年戦争と私―国賊・赤の将軍と人はいう (1974年)
遠藤三郎
日中書林/1974年
戦後、非武装中立を主張した元軍人の昭和の戦争での処し方

二・二六事件への挽歌―最後の青年将校 (1971年)
大蔵栄一
読売新聞社/1971年
青年将校のシンパの見た事件までの道筋と事件の裏側

日本語はどこからきたのか―ことばと文明のつながりを考える (中公文庫)
大野晋
中公文庫/1999年
日本語の由来を辿ることで、私たちは新たな視点をもつ

原爆の子―広島の少年少女のうったえ〈上〉 (岩波文庫)
原爆の子―広島の少年少女のうったえ〈下〉 (岩波文庫)(上下)
長田新編
岩波文庫/1990年
原爆に被災した子供たちの手記を同世代として忘れてはいけない

近衛内閣 (中公文庫 M 185)
風見章
中公文庫/1982年
近衛内閣の書記官長だった人物の近衛を見つめる目の温かさ

新版 日本のヤクザ
加太こうじ
大和書房/1993年
日本のアウトローを歴史のなかに位置づけている。ユニークな見方である

夢酔独言 他 (平凡社ライブラリー)
勝小吉
平凡社ライブラリー/2000年
辛口の口調で語る人生修養へつながる書。重みがある

現代史の課題 (岩波現代文庫)
亀井勝一郎
岩波現代文庫/2005年
唯物史観に異議を申し立てた評論家の現代史観。独自の見方の部分もある

サーカスが来た!―アメリカ大衆文化覚書 (同時代ライブラリー)
亀井俊介
岩波同時代ライブラリー/1992年
大衆に愛される演芸の発達のなかに人類の芸能への関心を見る

三光―日本人の中国における戦争犯罪の告白 (1957年) (カッパ・ブックス)
神吉晴夫編
光文社カッパ・ブックス/1957年
日本軍が中国で行った作戦。その手記はある時代には大問題に

■『日本改造法案大綱』
北一輝/西田税
1926年
若き革命家の冷徹な革命プログラム。その怖さはあまり知られていない

側近日誌
木下道雄
文藝春秋/1990年
敗戦直後の侍従次長が天皇を見つめた記録になっている

暗黒日記〈1〉 (ちくま学芸文庫)
暗黒日記〈2〉 (ちくま学芸文庫)
暗黒日記〈3〉 (ちくま学芸文庫)(全3巻)
清沢洌/橋川文三編
ちくま学芸文庫/2002年
戦時下の外交評論家が見つめているリベラリズムの社会観


「和書その2」に続く


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人名 井田真木子
よみがな

いだ まきこ

プロフィール 1956年生まれ。慶応義塾大学哲学科卒。早川書房勤務を経て、81年からフリーランス・ライターに。
91年、『プロレス少女伝説』(かのう書房)で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。93年、『小蓮の恋人』(文藝春秋)で講談社ノンフィクション賞受賞。
2001年3月14日に急逝 
作品

■温泉芸者一代記―湯河原の芸妓おかめさんの話しより
かのう書房、1989年9月
■温泉芸者一代記―湯河原の芸妓おかめさんの話しより
(かのう書房、女性の世界シリーズ5、1990年4月)
■プロレス少女伝説―新しい格闘をめざす彼女たちの青春
かのう書房、1990年10月
プロレス少女伝説
(文春文庫、1993年10月)
彼女たち(ワーキング・ウーマン)のホーム・スウィートホーム(hen party series)
弓立社、1991年6月
小蓮(シャオリェン)の恋人―新日本人としての残留孤児二世
文藝春秋、1992年7月
小蓮(シャオリェン)の恋人―新日本人としての残留孤児二世
(文春文庫、1995年10月) 
同性愛者たち
文藝春秋、1994年1月
もうひとつの青春―同性愛者たち
(増補 文春文庫、1997年12月)
旬の自画像―2チャンネルの女から永田町の男まで
文藝春秋、1995年4月
フォーカスな人たち
(増補 新潮文庫、2001年4月)
十四歳―見失う親 消える子供たち
講談社、1998年5月
ルポ十四歳―消える少女たち
(改題 講談社文庫、2002年2月) 
かくしてバンドは鳴りやまず
リトル・モア、2002年2月


共著、(  )内は共著者

いつまでもとれない免許―非情のライセンス
(画・しりあがり寿)、集英社、1998年5月

ノンフィクションを書く!
(中村智志、吉田司、加賀孝英、小林紀晴、永沢光雄、野村進、江口まゆみ、金子達仁、山文彦、藤吉雅春)ビレッジセンター出版局、1999年6月

HP

備考
更新日 09/07/22

 




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