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現代ビジネスOPEN!! どりこの探偵局



『コーポレートコンプライアンス』 季刊第19号
特集 メディアの倫理を問う

郷原信郎監修
絶賛発売中   2200円(税別)

   
   マスコミ就職を考える学生、
                     メディア関係者は必読!


マスコミが「マスゴミ」と揶揄されるのは何故か?

捏造・やらせ・虚報が頻発するのは何故か?

マスコミを規制すれば問題は解決するのか?

多彩な執筆陣が、メディアが直面している「いま」を抉る!


 上の画像をクリックしてください

■ISBN 978-4-06ー379389-5


郷原信郎(ごうはら のぶお)
1955年生まれ。東京大学理学部卒。1983年検事任官。東京地検特捜部ではゼネコン汚職捜査に携わる。長崎地検次席検事時代には、自民党長崎県連の違法献金事件を立件。2006年検事退官、弁護士登録。同年、株式会社コンプライアンス・コミュニケーションズ設立。2009年より名城大学教授。 『「法令遵守」が日本を滅ぼす』(新潮新書) 『思考停止社会』(講談社現代新書) 『検察の正義』(ちくま新書)など著書多数。09年10月より総務省顧問に。

  




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   1兆5000億円のビジネスチャンス 
~「メディア半減期」の向こうにあるもの
~ 

 

 先週、ニッポン放送の重村一会長の話を聴く機会があった。
 民放ラジオ局の営業収入は、ピーク時に比べて、半減に近いレベルになっているという。

 2015-20年に半減期に達する

 物理学で半減期という言葉があり、ウィキペディアでは「半減期(はんげんき、Half-life)は、放射性核種あるいは素粒子が崩壊して別の核種あるいは素粒子に変わるとき、元の核種あるいは素粒子の半分が崩壊する期間を言う。これは核種あるいは素粒子の安定度を示す値でもあり、半減期が短ければ短いほど不安定な核種または素粒子ということになる」と書いてある。

 

 で、気になって調べてみた。

 

 電通の「日本の広告費」によると、ラジオ広告費のピークは1991年で、2,406億円、2008年は1,549億円なので、36%減っている計算だ。しかし、07年から09年に120億円減っているということからみて、2010年か2011年に半減期に達すると思われる。

 テレビは、ピークが2000年の20,793億円で、08年が19,092億円。8%程度の減少だ。   

 しかし07年から09年に900億円減少し、今年はそれ以上落ちそうな情勢だ。年間1000億円のスピードで落ちると、半減期は2017年ごろという計算だ。もう少し早まるかもしれない。

 新聞は、広告だけだと、ピークが1990年の13,592億円、08年が8,276億円で39%減っている。これも07-08年に約800億円減っていて、2010年には半減期になる。しかし、新聞は購読収入が半分以上だ。日本新聞協会の新聞の総売上高のデータだ 

 と、ピークは2000年度の25,222億円。2008年度は21,400億円なので15%減だ。このデータだと07-08年度に約900億円減になっている。このスピードだと、2018年が半減期になる。これも部数減が進めば、広告の減少がさらに進むので、早まっていくと危惧している。人口減と、購読者年齢の高齢化が懸念材料だ。

 景気が影響するので、これから、減少のスピードが早まるのか、緩くなるのかは不透明だが、一時的な鈍化はあっても、減少に向かうトレンドは変わらないだろう。つまり、2015年から2020年の間にマスメディアは半減期になるという見通しだ。

単純な有料化で成功する新聞サイトは皆無

 減った分がどこに吸収されるのか? それが問題だ。

 私はそこにチャンスが生まれると見る。マスメディアを代替するメディアが出てくれば、そこが大きなパイを奪っていくわけだ。08年度のインターネット広告費は6,983億円。テレビと新聞の減少で穴が開く部分が約2兆2000億円あるので、GDP(国内総生産)が減少しなければ、1兆5000億円のビジネスチャンスがあるということだ。

 最近、マスメディア関係者から、いくつかの相談を受けた。一つは新聞のネット事業は有料化に成功するかということ。もう一つは地方の新聞社のネット事業をどう成功させるかだ。

 端的に言うと、現状のネット事業をそのまま有料化して成功する新聞社は皆無だろう。日経が2010年に電子新聞を有料で発行するが、これもサービス内容を現状から大幅に改良して初めて、成功の鍵を握るだろう。

 地方の新聞社も、県庁や県警本部に常駐して、ありきたりの情報を流している程度なら、沈下は避けられない。米国の地方新聞社が続々倒産しているのは対岸の火事ではない。どういう情報を、どういうサービス形態で配信するか、ゼロから考えるべきだろう。

 そこで大事なことは、ネット事業はコンテンツがポイントではないということに気づくことだろう。一番大事なことはサービスだ。書籍のアマゾンや、モールの楽天が成功したのは、サービスの質が決め手だった。

 画面の見易さ、ボタンの配置、情報の更新頻度などが決定的に大事で、「いい記事だから読まれるだろう」などというセンスでは戦えない。

つまり、我々が相手にしているのはインターネットという土管ではなくて、Webという情報環境なのだということだ。建築で例えれば、空間設計そのものだ。お飾りの絵画などは、従属物だということ。そこを考えてほしい。
                          2009年10月7日
                                        坪田知己


 

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坪田知己著『2030年 メディアのかたち』絶賛発売中です!

 本書を読んでのご感想、デジタルメディアやジャーナリズムに関するご意見・ご質問を本連載コメント欄にどしどしお寄せください。




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人名 星野博美
よみがな

ほしの ひろみ  

プロフィール 1966年生まれ。国際基督教大学教養学部社会科学科卒。 OL勤務の後、写真家・橋口譲二氏のアシスタントを経て、94年に独立。96年から、返還をはさんで香港に滞在した時の経験を基に著した『転がる香港に苔は生えない』(情報センター出版局)で、大宅壮一ノンフィクション賞受賞
作品

謝々!チャイニーズ
情報センター出版局、1996年2月
謝々(シエシエ)!チャイニーズ
(文春文庫、2007年10月 )
華南体感―星野博美写真集
情報センター出版局、1996年3月
転がる香港に苔は生えない
情報センター出版局、2000年4月
転がる香港に苔は生えない
(文春文庫、2006年10月)
ホンコンフラワー
平凡社、2000年10月
銭湯の女神
文藝春秋、2001年12月
銭湯の女神
(文春文庫、2003年12月)
のりたまと煙突
文藝春秋、2006年5月
のりたまと煙突
(文春文庫、2009年5月)
迷子の自由
朝日新聞社、2007年2月
愚か者、中国をゆく
光文社新書、2008年5月


共著、(  )内は共著者、編者

対話の教室―あなたは今、どこにいますか?
(橋口譲二)、平凡社、2002年7月
■100円の重み―「銭湯の女神」より(ポプラ・ブック・ボックス)
(編・赤木かん子)、ポプラ社、2008年4月

HP

備考
更新日

09/10/19




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人名 米原万里
よみがな

よねはら まり  

プロフィール 1950年4月29日~2006年5月25日。9歳から14歳までソビエト(当時)学校で過ごした。東京外国語大学、東京大学大学院を卒業後、ロシア語同時通訳の仕事を始める。90年のエリツィン・ロシア大統領来日時には、記者会見やインタビューなどで通訳を務めた。02年、『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(角川書店)で、大宅壮一ノンフィクション賞受賞
作品

不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か
徳間書店、1994年9月
不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か
(新潮文庫、1998年1月)
魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章
読売新聞社、1996年8月
魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章
(新潮文庫、2000年1月)
ロシアは今日も荒れ模様
日本経済新聞社、1998年2月
ロシアは今日も荒れ模様
(講談社文庫、2001年2月)
ガセネッタ&シモネッタ
文藝春秋、2000年12月
ガセネッタ&(と)シモネッタ
(文春文庫、2003年6月)
嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (文芸シリーズ)
角川書店、2001年6月
嘘つきアーニャの真っ赤な真実
(角川文庫、2004年6月)
真夜中の太陽
中央公論新社、2001年7月
真夜中の太陽
(中公文庫、2004年8月)
ヒトのオスは飼わないの?
講談社、2001年11月
ヒトのオスは飼わないの?
(文春文庫、2005年6月)
旅行者の朝食
文藝春秋、2002年4月
旅行者の朝食
(文春文庫、2004年10月)
オリガ・モリソヴナの反語法
集英社、2002年10月
オリガ・モリソヴナの反語法
(集英社文庫、2005年10月)
真昼の星空
中央公論新社、2003年10月
真昼の星空
(中公文庫、2005年1月)
パンツの面目ふんどしの沽券
筑摩書房、2005年7月
パンツの面目ふんどしの沽券
(ちくま文庫、2008年4月)
必笑小咄のテクニック
集英社新書、2005年12月
他諺の空似 ことわざ人類学
光文社、2006年8月
他諺の空似―ことわざ人類学
(光文社文庫、2009年5月)
打ちのめされるようなすごい本
文藝春秋、2006年10月
打ちのめされるようなすごい本
(文春文庫、2009年5月)
発明マニア
毎日新聞社、2007年3月
終生ヒトのオスは飼わず
文藝春秋、2007年5月
米原万里の「愛の法則」
集英社新書、2007年8月
心臓に毛が生えている理由(わけ)
角川学芸出版、2008年4月
言葉を育てる―米原万里対談集
ちくま文庫、2008年9月

翻訳、共著、(  )内は著者、共著者
わたしの外国語学習法―独学で外国語を身につけようとしている人々のために
(著・カトー・ロンブ)、創樹社、1981年9月
わたしの外国語学習法
(著・ロンブ・カトー)、ちくま学芸文庫、2000年3月
マイナス50℃の世界−寒極の生活
(毎日小学校新聞編)、現代書館、1986年7月
マイナス50℃の世界
(写真・山本皓一)、清流出版、2007年1月
父と暮らせば―ロシア語対訳
(著・井上ひさし)、井上事務所、2008年8月

HP

備考
更新日

09/10/12




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10月8日(一部書店では10日)、現在日本代表として活躍中の中村憲剛(川崎フロンターレ)の半生を描いたノンフィクション『永遠のサッカー小僧 中村憲剛物語』が刊行されました。

2003年に川崎に加入し、プロ選手になった憲剛。06年に日本代表初招集。現在は代名詞といえるスルーパスやミドルシュートを武器にクラブ、日本代表いずれでも不可欠な存在になっている。

しかし、そんな中村憲剛は、子供の頃から体が大きいわけでもなく、足が速いわけでもなく、天才的なテクニックがあるわけでもなかった。悩みもあり、挫折も経験した“平凡な選手”だった中村は、どのようなサッカー人生を経て今日にいたったのか? その半生と素顔を赤裸々に綴るスポーツノンフィクションです。サッカー選手を目指すお子さんやその親御さんはもちろん、悩みがあったり壁にぶち当たったことのあるすべての人に読んでほしい1冊。
 憲剛自身「自分でも忘れていたようなエピソードや、当時の感情をするすると引き出して頂きました。正直、ここまで自分のことを包み隠さず話したのは初めてです。恥ずかしいことも含めて、全部さらけ出しました。本当に全部です」と話すほど「ケンゴの歴史」をすべて明かした、ファンならずとも必見の内容です。


<書籍情報>
■書名:
永遠のサッカー小僧 中村憲剛物語
■発行日:
2009年10月8日
■著者:
森沢明夫
■ページ数・版型:
256P/四六判
■定価:
1500円(税別)
■ISBN:
ISBN978-4-06-215559-5
■発行元:
株式会社講談社


著者紹介や憲剛からのメッセージはこちら

★日本代表総力特集号のFOOTBALL NIPPON VOL.18情報はこちら


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 『検証 甲子園2009』

好評発売中          小関順二
1500円
(税抜)


1ヵ月で60万人が見た人気ブログが本になった!

 あの桑田真澄さんも絶賛! 
 「すごいです! こんな高校野球の見方があったんですね!」




 高校野球の魅力にあらゆる角度から迫った「甲子園本の決定版!」
『現代プレミアブログ』の姉妹サイト『検証甲子園2009by講談社』(スポナビブログ)の内容を、加筆修正・新たな書下ろしを大幅に加えました。
 ブログでおなじみの地方大会からの詳細な観戦記(ブログ未公開の試合もあります)だけでなく、10.29ドラフト会議には必携の「金の卵150人リスト」、清峰・今村猛、慶應・白村明弘ら甲子園に届かなかった逸材・名門校の夏を追った特集もあります。
ぜひご覧下さい! 




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小関順二(こせき・じゅんじ)
52年神奈川県生まれ。ドラフト戦略の重要性に着目し、野球メディアに「ドラフト」というカテゴリーを確立したスポーツライター。また、走塁、送球など、それまで抽象的にしか評価されなかったプレーにデジタル要素を初めて導入し、「100分の1秒の世界」が野球にもあることを広く知らしめた。著書『2009年版 プロ野球問題だらけの12球団』(草思社)『野球力 ストップウオッチで判る[伸びる人材]』(講談社α新書) 、  『WBC日本代表はなぜ世界一になれたのか?』(ぴあ) など多数

 




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緊急決定!

最新情報はここをクリック!

   もう、二度と逢えないと思っていた
               少女小説・少女漫画が帰ってくる――


昭和30年代
『少女クラブ』からの贈りもの……。
「懐かしの少女夢ふろく」


 

 
 昭和30年代――それは、戦争の惨禍から日本がたちなおった特別な時代です。
 町のあちらこちらには、まだ防空壕跡や空襲を受けて傷ついた建物などが残っていましたが、人々はやがてやって来る豊かな暮らしに胸をときめかせながら、精一杯に生活していました。
 マイカーやハワイ旅行はたかね
の花。アメリカのテレビドラマに出てくるような“かわいい子ども部屋”も夢のまた夢でした。カラフルなカーテンも、きれいなカバーが掛かったベッドも、ステレオセットもありませんでしたが、家族と一緒にちゃぶ台をかこみ、せまい部屋に布団をならべてねむる安らぎの時間を、どれほど愛おしいと感じたことでしょう。
 ゲームやケータイ、進学塾に一日の時間を支配されることなく、ゆっくりとたおやかな時間が流れていた昭和30年代……。
 あのやさしさと希望に満ちた時代を、すべての世代の人々に感じてもらおうと企画したのが、この「夢ふろく」です。昭和30年代に発行された『少女クラブ』のふろくのなかから、屈指の名作を厳選。完全復刻した逸品を素敵なパッケージでお届けします。


 

 別冊として創作されたふろくの少女小説や少女漫画、絵物語などは、これまで復刻の機会に恵まれることがほとんどありませんでした。しかし、『少女クラブ』のふろくは、いずれもまごころのこもったすぐれた作品ばかりです。
 懐かしいふろくたちは、同時代を生きた人々にあふれんばかりの郷愁を、若い世代には、かけがえのない友情や思いやりの心を与えてくれることでしょう。
 



発売予定は12月中旬

特別版のため、限定生産になる予定です。
この機会をお見逃しなく。


作品のラインナップや価格、お求め方法など、詳細につきましては、今後このブログで逐一紹介して参ります。

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「新聞の亡霊」がまた出てきた 
~毎日新聞社のDoTV実験の無意味~



 9月29日に、毎日新聞社は、シャープの液晶テレビAQUOSで、新聞が読める「毎日新聞×DoTV」というサービスを始めた。
 また出てきた「新聞の亡霊」に、この業界の発想の貧しさを感じる。 

 「紙面フェチ」に侵された業界幹部

 新聞の紙面をそのまま、インターネット上で読めるようにするという発想は、昔からある。
 産経新聞は2001年から「新聞まるごと電子配達」というサービス(有料)を行っているが、読者はほとんどいないということだ。
 産経は昨年からiPhoneで無料で読めるサービスもしているが、これも最初はものめずらしさで見る人が多かったが、その後は人気が落ちていると聞く。
 私は、産経に技術提供した会社から「日経もやりませんか」と誘われ、「何の意味もない」と断った。2000年ごろのことだったと思う。
 新聞業界は、恐ろしいほど「紙面フェチ」の人が多く、役員はほとんどそれに侵されている。
 もういい加減に、何がデジタルの本質かを知るべきだと思う。(それについては、ぜひ『2030年 メディアのかたち』をお読みください。この程度はデジタルの常識ですから)
 今の新聞は、1日に2回発行して、宅配をするというビジネスモデルの上に成り立っている。インターネットを使えば24時間、ニュースを更新できるし、ハイパーリンクによって、様々な関連情報を参照できる。
 いま進行しているデジタル革命は、アナログ(紙面)の情報をデジタル化して、インターネットで送るなどという陳腐な話ではない。何よりもWWWによるハイパーリンクの構造が本質だ。

 若手社員で「ノアの箱舟」作戦

 「新聞は再生できますか」と私は時々質問される。
 「再生できません」と私は答える。
 今の新聞は1998年ごろに収入のピークを迎え、その後は、販売も広告もどんどん落ちてきている。この傾向は景気が回復しても改善することはなく、向こう10年で、業界の規模は半減すると予想される。
  その減少分をさらっていく新たなメディアの創造が必要だ。
 私が新聞経営者なら、40-50人の社員に4年間で50億円ぐらいの資金を与えて、「新たなデジタルメディアを創れ」と命じ、それが軌道に乗ったら、既存の紙の新聞から、使える社員だけを新しい船(デジタル)に乗り換えさせる・・・という作戦を取るだろう。私はこれを「ノアの箱舟作戦」と呼んでいる。
 その時に重要なのは、「骨格」だ。最初にどういうページを見せ、そこからどういうボタンとリンクを用意して、使いやすく魅力的な構造を作る。そこにコンテンツを貼り付けていく・・・というわけだ。  
 コンテンツが重要ではない。ユーザーにとって重要なのは使いやすさ、見やすさである。そういうセンスは日常的にネットを使っている人でなければわからない。ネットを使わない人が、意思決定するなど論外だ。

 我々は一体何をしているのか?

 日本雑誌協会も、8月に雑誌コンテンツデジタル推進コンソーシアムを立ち上げた。ミソはパソコンや携帯電話で記事単位で読めるサービスを提供することだという。これも成功はおぼつかないと見る。
 毎日新聞のある幹部に「DoTVの先の戦略はありますか?」と聞いたら、「何も考えていない」という。シャープやNTTコミュニケーションズの誘いに乗っただけのようだ。        

 もう一度、原点を確認しよう。
 新聞は「ニュースを提供する」のが最大の仕事だ。であるなら、取材したら即座に読者に知られなければならない。紙面の締め切りなど待ってはいられない。現在の紙面や記事は、「紙に印刷する」という前提で考えられた「形式」に過ぎない。
 雑誌についても同じだ。今の雑誌コンテンツは雑誌というコンテナに合わせて中身を盛り付けているだけだ。インターネット上に置くなら、インターネットの特性をフルに使うべきだ。
 私は、新聞や雑誌が衰退していくことを止めようとは思わない。馬車がなくなって自動車になったように、手段は時代に合わせて変わるのが当然だ。 
 しかし、ジャーナリズムがなくなるのは絶対に防がないといけない。ジャーナリズムがなくなれば、民主主義は窒息死するからだ。 
 そういう意味で、デジタル・ジャーナリズムの新しい形を考えて生きたい。                                      

                                   2009年9月30日
                                      坪田知己 

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坪田知己著『2030年メディアのかたち』絶賛発売中です!

  
『2030年メディアのかたち』を読んでのご感想、デジタルメディアやジャーナリズムに関するご意見・ご質問を本連載コメント欄にどしどしお寄せください。

 

 




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