『コリアン世界の旅』が、講談社文庫から再び文庫化されました。原著の出版から、はや13年がたち、在日コリアン社会も、それをとりまく状況も大きく変わっています。文庫版のまえがきで、この間の変化をまとめてありますので、関心のある方はご一読ください。
また、いま取材と執筆を続けている在日チャイニーズ(華人・華僑)に関する連載は、「月刊現代」からPR誌の「本」に舞台を移して続行しています。人口数でコリアンを上回り、初めて在日外国人の最大グループに急成長したチャイニーズ社会の取材は、予想どおりエキサイティングで、蒙(もう)を啓(ひら)かれる日々を送っています。
野村進
(2009年5月17日記)
Profile
のむら すすむ
1956年生まれ。上智大学中退。アテネオ・デ・マニラ大学留学中に取材・執筆活動を始める。97年、『コリアン世界の旅』(講談社+α文庫)で大宅壮一ノンフィクション賞と講談社ノンフィクション賞をダブル受賞。99年、『アジア 新しい物語』(文春文庫)でアジア太平洋賞受賞。『千年、働いてきました』(角川oneテーマ21)など著書多数。現在、拓殖大学国際学部教授も務める