真夜中の映画&写真帖 

渡部幻(ライター、編集者)
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NY派の職人硬派シドニー・ルメット・・・都市型リアリズム作家の死。

2011-04-10 | 映画作家



未知への飛行



蛇皮の服を着た男

シドニー・ルメットが亡くなったという。
『12人の怒れる男』『質屋』『蛇皮の服を着た男』『未知への飛行』『丘』『グループ』『オリエント急行殺人事件』『セルピコ』『狼たちの午後』『ネットワーク』『プリンス・オブ・シティ』『評決』『デストラップ』『Q&A』『旅立ちの時』、そして最晩年の超絶倫的傑作『その土曜日、7時58分』などなど・・・俳優から名演技を引き出す達人で、特にNYが舞台の作品でのロケーションが見事な監督だった。
特に『プリンス・オブ・シティ』は凄まじくヘビィで、警察の汚職問題を告発する(『セルピコ』『Q&A』『NY検事局』でも同様の主題を追及している)。ノンスターで描かれたイタリア系刑事たちの姿を描く3時間弱。
この作品は82年の初頭に雨の歌舞伎町で見た。寒々とした都市の風景と主人公の陥る孤独の心情が胸に重く響き、映画と現実の景色が溶け合うような強烈な体験であった。
一番繰り返し見たのは『狼たちの午後』だが、一番の傑作は『プリンス・オブ・シティ』だと思っている。妥協のない作品だ。




セルピコ



狼たちの午後



ネットワーク





評決





プリンス・オブ・シティ






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