Efficacy of Stiripentol and the Clinical Outcome in Dravet Syndrome
ドラべ症候群は、幼児期の稀で進行性のてんかん性脳症である。スチリペントールは、ドラべ症候群患者の発作頻度を減少させる。
ドラッベ症候群患者の臨床的特徴およびスチリペントールに対するそれらの応答を評価した。 2016年6月から2017年6月まで外来診療所でドラべ症候群に対してスチリペントールの治療を受けた21人の患者(11人が女性、平均年齢8.2歳、5.4〜15歳)のデータを遡って収集した。発作頻度の50%以上の減少を薬剤への反応ありとした。
患者のほとんどは、重度(47%)または中程度(33%)の認知障害を有していたが、軽度の認知障害を有する患者は14%であった。正常/軽度対重度/中等度の神経認知予後を有する群の間で、てんかん重積状態および年齢の両方に有意差を認めた。
患者の85.7%がスチリペントールを使用し、平均使用期間は41.2ヶ月(範囲:24〜64ヶ月)であった。
12人の患者(57%)において、発作頻度は50%以上減少し、2人は発作を完全にコントロールできた。てんかん重積状態を有する11人の患者のうち8人において、スチリペントール治療後のてんかん重積状態は記録されなかった。サンプルサイズが小さいが、本研究結果は、スチリペントールがドラべ症候群に対して好ましい効能を有することを示唆している。さらに、治療後のてんかん重積状態の頻度の改善、てんかん重積状態の認知発達への負の影響を考慮すると、発作の管理が困難なドラべ症候群患者では早期に治療が開始されるべきと考えられる。
個人的なコメント:認知機能の原因がてんかん重積発作によるものか、遺伝子変異などの疾患そのものによるものか議論があるとことですが、個人的には遺伝子変異による影響の方が大きい一方で、脳症等の合併症予防の効果はあるのではないかと考えています(長男は1歳未満でスチリペントールを開始して、脳症をきたすような重積発作の頻度は少ないですが、明らかな認知機能の低下を認めるため)。