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てんかん重積状態の海外第一選択薬のロラゼパムが国内で販売開始

2019年02月21日 | 治療・予防など

以前書いた記事の更新情報ですが、ロラゼパムの注射製剤が販売開始されたので、関連記事を紹介します。

ファイザー てんかん重積状態の治療薬ロラピタ静注を発売

ファイザーは2月20日、てんかん重積状態に対する治療薬ロラピタ静注2mg(一般名:ロラゼパム)を発売したと発表した。てんかん重積は、てんかん発作を繰り返したり、一定時間続いたりする状態を指す。後遺症を残すおそれがあるため、早急な治療が必要で、同剤は救急対応の選択肢となる。成人だけでなく3か月以上の小児にも適応を持つ。

ロラゼパムの注射剤は、海外ではてんかん重積状態の標準薬として承認、第一選択薬の位置づけだが、日本では未承認だった。そのため、日本てんかん学会、日本小児神経学会から厚労省に、てんかん重積状態に対する開発要請がされた。同省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」の検討を経て、同省からの開発要請に基づきファイザーが開発した。薬価は、2mg1mL1瓶2225円。

 

以下、2018年11月の投稿

てんかん重積状態の第一選択治療薬であるロラゼパムの注射製剤(商品名:ロラピタ)がミダゾラムの注射製剤に引き続き、日本で承認されました。

下記は、日経メディカル【新薬】ロラゼパム(ロラピタ)てんかん重積状態の海外第一選択薬が国内で承認の引用です。

2018年9月21日、抗けいれん薬ロラゼパム静注製剤(商品名ロラピタ静注2mg)の製造販売が承認された。適応は「てんかん重積状態」、用法用量は「成人:4mgを2mg/分を目安に緩徐に静注。必要に応じて4mgを追加投与するが、初回と追加投与の総量は8mgを超えないこと。生後3ヵ月以上の小児:0.05mg/kg(最大4mg)を2mg/分を目安に緩徐に静注。必要に応じて0.05mg/kgを追加投与するが、初回と追加投与の総量は0.1mg/kgを超えないこと」となっている。

 てんかん重積状態(SE)は、「発作停止機構の破綻、あるいは異常に遷延する発作を引き起こす機構が惹起された状態。また、発作型や持続時間によっては、神経細胞死、神経細胞障害、神経ネットワーク変化を含む長期的な後遺症をもたらす状態」とされている。SEは、成人では脳血管障害や頭部外傷など、小児では熱性けいれんなどにより引き起こされ、特に1歳未満での発症が多いとされる。

 SEの治療薬として、注射製剤であるジアゼパム(セルシン、ホリゾン他)、フェニトインナトリウム(アレビアチン)、フェノバルビタールナトリウム(ノーベルバール)、ホスフェニトインナトリウム(ホストイン)、ミダゾラム(ミダフレッサ)や、外用製剤の抱水クロラール(エスクレ)が適応を有している。

 小児SEの海外ガイドラインでは、ジアゼパムおよびミダゾラムの静注製剤、またロラゼパムの注射製剤も第一選択薬として推奨されていた。日本においてはロラゼパムの注射製剤は未承認であり、内服製剤(ワイパックス他)が「神経症・心身症の不安・緊張・抑うつ、心身症の身体症候」の適応で臨床使用されている。

 以上のことから、日本てんかん学会および日本小児神経学会から、SEに対するロラゼパムの注射製剤の早期開発・承認の要望書が厚労省へ提出されていた。「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において医療上の必要性が高い薬剤として評価された後、開発が進み今回の承認に至った。

生後4か月~49歳のSE患者を対象とした国内第3相試験(非盲検試験)では、発作消失などの有効性や安全性が確認された。海外では、SEの適応で米国など世界7カ国で承認されている(2018年6月現在)。

 薬剤使用に際しては、副作用(臨床検査値異常を含む)が15.4%認められていることに注意する。主な副作用は傾眠(7.7%)、運動失調、平衡障害(各3.8%)などであり、重大な副作用として呼吸抑制、無呼吸、心停止、昏睡、激越、錯乱、攻撃性を生じる可能性がある。

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てんかんにおける新たな進歩(一般治療の抜粋)

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