以前の記事、「ドラベ症候群の治療薬としてのフェンフルラミンの海外臨床治験について」で紹介したフェンフルラミンの臨床第三相試験結果が学術集会で発表されていたので、簡単に紹介します。
方法ですが、無作為化二重盲検臨床研究、研究参加者(ドラベ症候群の患者)119人が6週間、ベースラインとなる発作頻度等を観察して、40人ずつの偽薬内服群、0.2mg/kd/daのフェンフルラミン内服群、0.8mg/kg/dayのフェンフルラミン内服群に無作為割付して、2週間後から12週間の有効性や安全性を評価します。
結果として、3つのグループに分かれた患者群において、治療前の患者背景や発作頻度に差は認めない。
治療開始後、各群の1月当たりの発作減少割合は、痙攣発作以外の発作(欠神発作、ミオクロニー発作、弛緩発作、部分発作)は0.8mg/kg/day治療群、0.2mg/kg/day治療群、偽薬群でそれぞれ75.1%(有意差あり)、40.9%(有意差なし)、55.6%減少さした。けいれん発作は、同様にそれぞれ70.1%(有意差あり)、34.3%(有意差あり)、13.1%減少した。
下表は痙攣以外の発作の減少頻度の内訳
保護者と医療従事者の治療後の印象は治療群で有意に改善
副作用については、重篤な症状で救急外来を受診した頻度は治療群と偽薬群の間に差はなしだが、重篤ではないものを含めて1回以上救急外来受診をした頻度は治療群で多い(食思不振、下痢、倦怠感等)
結果として、痙攣発作は治療群で有意に減少した。偽薬群でも痙攣以外の発作の減少を認めていて、このような発作を評価することの難しさがあるが、0.8mg/kg/dayで治療した群での方が高い効果を示した。副作用については、重篤なものは認めなかった。フェンフルラミンはドラベ症候群の新たな有効な治療手段となりうる。