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胃生検の小部屋 Cottage for Gastric Biopsy

胃生検からはじまる消化管病理の美しい世界

印環細胞癌、層構造

2009-06-04 | 胃未分化型癌
 きれいな層構造のみられる印環細胞癌です。ESDの適応拡大症例でみられたものです。「未分化型」とかdiffuse typeとされる印環細胞癌で、非腫瘍の胃腺管と同様の分化傾向(層構造)がみられることは、既に1980年代前半、伊賀流一門の先代当主が一流英文誌で発表し、受け継がれています。
 核異型が乏しく、この構造が保たれている限り、印環細胞癌は横方向へ広がり、深部浸潤傾向はあまり示しません。ESDの相対適応条件を拡大するために注目する所見のひとつであることを、現施設の先代当主のグループが報告しています。
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抗癌剤胃炎、再生異型

2009-06-04 | 胃炎
 抗がん剤胃炎の生検組織像です。知っておかないと思わぬ失敗をするかもしれません。臨床情報が大変重要な胃生検の代表例です。
 核小体の目立つ腫大した核、変性腺管、管腔内壊死など癌でみられる「異型」がいろいろ出現します。これが癌でないという理屈を書くと色々ありますが、ちょっと変だぞど思って臨床経過を聞くと、なるほどと思うことがあります。GVHDの胃粘膜でもいやな異型性が出てくることがあります。
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