胃生検の小部屋 Cottage for Gastric Biopsy

胃生検からはじまる消化管病理の美しい世界

鬼怒川フォーラム,resect and discard ?

2012-03-07 | 研究会、学会
 鬼怒川フォーラムという研究会が静岡でありました。
 病理医による講演は
1) NETと臨床
2) 消化管腫瘍におけるinvasive micropapillary patternとは
3) 逆流性食道炎・バレット食道の病理
でした。
 ミニシンポジウムは「直腸病変の謎」で,特にRbにおける腫瘍のⅡ-b様の広がりや,スカート・サインについて学びました。
 NBI研究会では‘Resect and Discard’という考え方について討論されました。
 特別講演はmicroscopic colitis (CC/LC)でした。引用ありがとうございました。

【写真と追記】
研究会の帰りに300系のきれいな写真が撮れました(写真クリック)。当小部屋へのアクセスが300,000を越えました。なかなか更新できませんが,いつもご来室ありがとうございます。
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第9回日韓消化管病理セミナー

2011-12-14 | 研究会、学会
第9回日韓消化管病理セミナーをソウル市梨泰院の順天卿大学病院で開催しました。
セミナーの前には三星医療センターソウル病院を見学してまいりました。両国の先生方に感謝します。
Friday
12:00-13:00 Registration (Lunch box)
13:00-13:05 Welcome Address
13:05-13:10 Opening Address
13:10-14:00 Special Lecture I
The progress of gastrointestinal pathology for clinical implication in Japan- Its globalization -
14:00-15:30 Short Lectures Session I
14:00-14:30 New type of gastric carcinoma/ adenocarcinoma of fundic gland type: its clinicopathological feature and tumor development
14:30-15:00 Small intestinal adenocarcinoma: A series of small studies
15:00-15:30 Clinicopathologic characteristics and molecular mechanisms of colorectal carcinomas in the elderly
15:30-16:00 Coffee Break
16:00-17:30 Short Lectures Session II
16:00-16:30 Uncommon Mesenchymal Tumors of GI Tract with Spindle Cell Morphology
16:30-17:00 Histogenesis of Barrett's epithelium and risk factors of Barrett's adenocarcinoma
17:00-17:30 Pathologic factors related to lymph node metastasis in endoscopically resected EGC and the feasibility of endoscopic resection for mucosa-confined signet ring cell carcinoma
17:50-18:00 Photo Time
18:00-Reception (Korean Dinner at Woo-Ree-Jib)
Saturday
8:00-9:00 Registration
9:00-9:50 Special Lecture II
Molecular subtypes of colorectal cancer and their precursor lesions
9:50-10:20 Special Lecture III
Differences and similarities in histological diagnosis between pancreatobiliary and gastrointestinal tracts
10:20-10:40 Coffee Break
10:40-11:55 Case Discussion & Presentation
10:40-10:55 Japan Case 1
10:55-11:10 Japan Case 2
11:10-11:25 Korea Case 1
11:25-11:40 Korea Case 2
11:40-11:55 Korea Case 3
11:55-12:10 Closing Remarks
12:10-13:30 Lunch & Departure
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日本病理学会関東支部学術集会

2010-09-05 | 研究会、学会
 日本病理学会関東支部学術集会が新宿港町でありました。胃癌取扱い規約第14版に関する講演がありました。一般演題では、胃幽門部に特異的に発生する極めてまれな非上皮性腫瘍が報告されていました。plexiform angiomyxoid myofibroblastic tumorと呼ばれているものです。写真は私の骨軟部の先生が米国時代にplexiform angiomyxoid tumorという名前で有名誌に報告された症例のスライドガラスを撮らせてもらったものです。紡錐形腫瘍細胞はSMAに染まり(dense cytoplasmic? tram track??)、一部desminにも染まったそうです。
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胃と腸大会

2010-05-28 | 研究会、学会
 第49回胃と腸大会が関東地区でありました。
1) 食道のsquamous cell carcinoma with lymphoid stromaでした。胃のcarcinoma with lymphoid stromaといえばEBVで、今回の規約でも独立した特殊型になりましたが、食道のリンパ球浸潤癌はなぜかEBVとは関連がありません。
2) 食道バレット腺癌です。いつもながらきれいな呈示でした。
3) 胃の腫瘍で、形質細胞腫あるいは形質細胞への分化が顕著なMALTリンパ腫でした。
4) 小腸の大きなカルチノイドです。表面の性状がatypicalでした。
5) 腸間膜脂肪織炎で下腸間膜静脈の閉塞性変化を伴っていました。以前、越前から同様の報告がありました。
6) 大腸の小さな低分化腺癌で、最近はやりのinvasive micropapillary carcinomaの範疇に入る組織像でした。

【写真】箱根登山鉄道と春の雪
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早期胃癌研究会、2010-4

2010-04-15 | 研究会、学会
 早期胃癌研究会が徒歩圏内の会場でありました。
1) 特異な形態を示した早期大腸癌です。腫瘍は低異型度癌と高異型度癌の領域からなり、周囲の非腫瘍粘膜は単純過形成性変化を示していました。いつもながら、深達度診断が問題となりました。
2) 肉眼的に襞の引きつれがみられ、深達度が粘膜下層深部-MPと推察されるような直腸癌です。高分化成分と低分化成分からなりました。浸潤は浅いのですが、粘膜下層に線維化が目立ち、その成り立ちが問題となりました。
3) 拡大内視鏡観察で毛羽立ち、ツブツブが目立つ胃粘膜病変です。病理診断は腺窩上皮型の低異型度・高分化腺癌で、鋸歯状構造が目立ち、大腸のSSAPにも似ていました。tub1にするかpapにするかは学派で異なるでしょう。胃のserrated・・・というタイトルでは北欧からの論文(いずれも同じ著者)が少しヒットします。
4) 胃の非腫瘍性ポリープです。IFPにも似ていますが、何かが脱落したのか、よくわかりませんでした。
5) 胃のmuc、cType 1, pType 1でした。

【写真】近所の隅田川からみた東京スカイツリーです。
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十二指腸、胃上皮化生、ブルンナー腺、高麗大学(1)

2010-01-26 | 研究会、学会
 대한소화기내시경학회, 대한병리학회 소화기병리연구회(韓国消化器内視鏡医-病理医合同シンポジウム)がソウルの高麗大学であり、胃癌の話と十二指腸胃上皮化生の話をしました。
 H.pylori胃炎や高酸状態で十二指腸球部に胃上皮化生が多発します。1999年にHistopathology誌に胃上皮化生の組織発生にブルンナー腺の再生が関わることを報告しました。私の最も好きな仕事の一つですので、是非Histopathology 1999, 35, 38–43をご覧下さい。
【写真は十二指腸の潰瘍底で剥き出しになったブルンナー腺です。肉芽組織直下のブルンナー腺最表層にKi67陽性でMUC5ACを発現する胃腺窩上皮型細胞が生み出されています。私はこの部分をNeo-G zoneと言っています】
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消化管病理医の会、GIPaC、2009年秋の集会(鬼怒川)

2009-11-25 | 研究会、学会
 消化管病理医の会(GIPaC)が龍王峡の近くでありました。症例検討会は往路のバス内から始まりました。通常はカラオケ等に利用される車内モニターを用いるという前代未聞の試みでした。温泉地でなんとも真面目な研究会が夜中まで続きました。演題は次のようなものでかなり濃密な勉強ができました。
1:アカラジア発生食道癌、2:深達度診断に苦慮した食道癌ESD症例、3.4:通常型扁平上皮癌vs.Verrucous carcinoma、5:モットーマ??、6:胃グロームス腫瘍、7:胃内分泌細胞癌の先駆け、8:経過観察された胃低異型度癌、9:経過観察中に癌化したPGA、10:小腸癌合併小腸CD、11:すごいcolitic cancer、12:SSPに発生した大腸癌、13:絨毛癌成分のある大腸癌、14:intestinal spirochaetosis、15:原発不明印環細胞癌
 来春は去年に引き続きGIPaCがコンパニオンミーティングを開催いたします。

【写真は鬼怒川温泉駅でとらえた会津鉄道キハ8500です】
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早期胃癌研究会、画像診断教育レクチャー

2009-10-20 | 研究会、学会
臨床医が知っておくべき病理「上部消化管の病理診断と特殊染色」要点
1) 治療、追加治療に直結(例:デスミン、VB-HE、D2-40)
食道癌ESD標本で、「M1-M2 or M3-SM1」など、胃癌でも治療適応性が「微妙」な症例は粘膜筋板を同定するためのデスミン、脈管侵襲をみるためのVB-HE(またはEVG)、D2-40を是非やりましょう。HE染色標本のみでly, vの程度判定(0,1,2,3)には残念ながら再現性はありません(大腸癌研究会プロジェクト研究より)。胃癌の標本で潰瘍瘢痕の合併の有無を見るときもデスミンが役立つことがあります【写真】。
2) 良悪性鑑別の補助(例:Ki67, p53)
Ki67(MIB-1)染色では増殖細胞の局在性の有無に着目します。カルチノイドやGISTではMIB-1 indexが重要です。「Ki-67は陰性(または陽性)であった」という報告を聞くことがありますが、意味不明の文章になります。P53蛋白の過剰発現を用いた癌の補助診断にはHE染色をみるのと同様、「領域性」をみることが重要です。食道の異型上皮ではKi67の染色領域をp53陽性領域が凌ぐと癌診断を支持します。但し、p53蛋白の過剰発現がない癌も多くありますし、癌でも増殖細胞が局在することがあります。
3) 細胞の分化をみる(例:サイトケラチン、粘液形質など)
特殊染色で細胞の分化をみることによって腫瘍の由来を推定します。食道など扁平上皮癌vs.腺癌が問題となるとき扁平上皮~基底細胞のマーカーとしてP63, CK5/6, CK14, 34βE12など、腺癌のマーカーとしてCK8, CK18, CK7などのサイトケラチン染色を組み合わせます。
胃癌やバレット腺癌で形質発現をみることがあります。MUC2,MUC5AC, MUC6などのムチンコア蛋白、human gastric mucin, HIK1083などの糖蛋白(ムチン)、CD10、proton pumpなどの構成蛋白、pepsinogen Iなどの酵素、さらに腸分化の転写因子であるCDX-2をターゲットとした染色の合わせ技をやっているわけです。これらの意義については「早期胃癌2009」をご覧下さい。また病理と臨床臨時増刊号2007「診断に役立つ免疫組織化学」の胃のところもご参照下さい。
4) 運営委員(病理)からのお願い・・・・。

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浜名湖

2009-09-06 | 研究会、学会
 我らが母校の姉妹校?近くで消化管系の研究会がありました。
1) 4型胃癌の疑いでしたが、eosinophilic gastritisと結論づけられた症例です。eosinophilic gastroenteritisは種々のレベルで強い好酸球浸潤が生じますが、本例では粘膜の表層から不自然な好酸球の分布・集簇があり、浮腫・線維化、びらんが生じていました。
2) 蛋白漏出性腸症、吸収不良症候群疑いの小腸病変です。このような場合、病理医としては絨毛の萎縮、陰窩の延長、浸潤細胞の程度と種類、上皮内リンパ球増加の有無、リンパ管拡張の有無、寄生虫感染の有無、enteropathy型などのリンパ腫の有無など色々順序立ててみていく必要があります。
3) 縦走潰瘍(瘢痕)のみられるcollagenous colitisの症例です。薬剤の変更で瞬く間に下痢が改善し、見事にバンドが消えていました。(病理診断における注意事項については2008-10-02の投稿記事をみてください。また、今年の年末に出る胃と腸誌をご期待下さい。)
4) Pepsinogen IとH. pyloriをターゲットにした対胃癌戦略のすばらしいご講演を拝聴しました。

【こだま号乗車前に500系のぞみの発車準備風景を写真に収めることができました】
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IBDクラブジュニアウエスト

2009-08-23 | 研究会、学会
 IBDクラブジュニアウエストがオーバルホールでありました。第18回になります。いつもながら、病理医にとっても、IBDを集中的に勉強できる大変よい機会です。
症例1) 中高年の方で、UC vs. 大腸Crohnです。注腸像は鉛管状で変化がびまん性のようにも見え、UC様でした。大腸内視鏡ではアフタ、不整潰瘍、縦走潰瘍がありました。内視鏡では多くの方がCrohnと考えられたようでした。生検組織像では、右側から採った方に炎症が強い傾向があり、直腸生検は正常でした。
【写真】は上行結腸の生検で、不連続でやや不均衡な炎症パターンがあり、mucous preservation(+)、distortionは軽微でした。肉芽腫はみつかりませんが、大変Crohn的な組織像です。
症例2) 肺結核治療後にみられた回腸の潰瘍です。腸結核か、腸結核+Crohnか、Crohnかが議論になりました。輪状潰瘍の辺縁にはul-IIs, IIIsの潰瘍(萎縮瘢痕帯?)があり、その部分の粘膜には炎症が強くdistortionが目立ちました。Tbc的です。はっきりした肉芽腫はありませんが、多核巨細胞が残っていました(治療後の変化?)。切除標本の肉眼像にはCrohnらしき変化はみられませんでした。
症例3) Henoch-Schoenlein紫斑病か、その他の血管炎による消化管出血か、CMVによるものか、繰り返し行われたTAEによる影響か?鑑別が大変難しい症例でした。病理組織像は粘膜下層の血管に閉塞性変化が目立ちましたが、炎症細胞浸潤はあまり強くないように見えました。
症例4) Infliximab投与によりCrohn病は改善したのですが、Tbc性の胸膜炎・腹膜炎が生じた症例でした。IFX療法の普及に伴って、今後しばしば問題となるような症例です。初回生検の組織像では不均衡炎症がみられ、深部に組織球の集簇がみられました。
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大腸癌研究会

2009-07-06 | 研究会、学会
 第71回大腸癌研究会が鉄道博物館の近くでありました。
 大腸腫瘍の病理診断に関して、この研究会のプロジェクト研究から得られたエビデンスを基盤として、近い将来、ガイドラインや規約に次のようなことが反映されていくであろうと思われます(順不同):
1) 深達度の問題(早期ではsm、進行では漿膜のない部位など)
2) 簇出
3) desmoplastic reaction
4) 壁外非連続性癌進展病巣(いわゆるEx因子)
5) 鋸歯状病変(SSP/SSA)
6) ly, vの表記
などです。
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胃と腸大会

2009-05-21 | 研究会、学会
 胃と腸大会が中部地方でありました。簡単に記録しておきます。
1) 特殊型食道がんとメラノサイトの増加が併存
2) バレット食道がん
3) 特殊な胃十二指腸炎・潰瘍
4) 消化管アミロイドーシス
5) 胃・直腸のMALTリンパ腫
 次回は東京の早期胃癌研究会でお会いしましょう。

(中部地方といえば富士山ですね。B737-400の窓から撮りました。雪が乗った襞の一本一本が読めます。)
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宮崎消化器内科セミナー

2009-05-16 | 研究会、学会
 第4回宮崎消化器内科セミナーがありました。
「胃癌の組織発生と病理診断」
「自己免疫性肝疾患の話題」
という特別講演がありました。消化管からは離れますが、自己免疫性肝疾患の診断と経過観察において腹腔鏡によるマクロ観察と生検組織診断が今もなお重要であることを聞き感銘を受けました。AIHとPBC, AIHとC型肝炎の合併例など貴重な症例が呈示されていました。前者のテーマにつきましては、今年の胃と腸第4号をご覧下さい。学術交流会では九州で有名な幽門腺型腺腫の症例を見せていただきました。

写真は35年ぶりに訪れた日豊本線、大淀川鉄橋(宮崎・南宮崎間)です。
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消化管病理医の会、GIPaC/GIPC、日本病理学会

2009-05-10 | 研究会、学会
 日本病理学会のコンパニオンミーティングとして消化管病理医の会が宝が池でありました。早期食道癌と炎症性腸疾患の生検診断がテーマです。予想をはるかに超える大盛況で、Dr. FiftyStormの努力の賜物です。
(1) 以前にこのブログでも紹介していますが(「食道腫瘍」のカテゴリから入って下さい)、我らがGIPaC代表の恩師は食道早期癌の病理組織診断基準は「核の大小不同、核・細胞質比の増加、およびoblique line or lateral invasionであるとし、付加条件としては、細胞形態の多様化、基底細胞列の乱れ、上皮の乳頭状突出、上皮内角化が認められる」と述べておられます(1985)。現在、GIPaC代表が強調されているのは
 ・基底細胞配列の乱れ
 ・核の大小不同
 ・Oblique line
 ・紡錘形細胞の出現
です。これに乳頭状下方進展が加わります。伊豆の守先生と横這い派先生から症例提示がありました。
(2) Dr Curryによる炎症性腸疾患の生検診断のレクチャーでした。
まずは
 ・Distortion
 ・Basal plasmacytosis
です。詳しくは去年の病理と臨床8月号先生編集「大腸の炎症性疾患 -積極的病理組織診断を目指して-」を読みましょう。


(写真は夕方の有楽町でとらえた500系です。有名な撮影ポイントです。)

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早期胃癌研究会

2009-04-15 | 研究会、学会
 4月度の早期胃癌研究会が田町・品川間でありました。
1) 肛門管の扁平上皮領域に発生したcondyloma acuminatumで、少し異形成がありました。重層扁平上皮の乳頭状病変です。拡大やNBIなどを含めて観察されていました。扁平上皮ということで食道の専門家の出番となりました。多発病変のように見えましたが、平坦な部分の病理所見が問題となりました。
2) 直腸のMALTリンパ腫というご提示でした。いつものようにリンパ系の反応性病変か腫瘍かの鑑別が議論になります。肉眼的にはlymphoid hyperplasiaより結節状で癒合しているようにみえ、組織学的には免疫染色でラムダ鎖が陽性となる細胞が増えていました。腫瘍である証拠をもう少し調べてほしいところです。
3) 胃型の分化型腺癌の症例でした。NBIで絨毛状の表面が少しわかりました。高分化型・低異型度が主体ですが、粘膜下層浸潤部では一部で高異型度になったり、低分化傾向を示すところがありました。
4) いつもながら美しいレントゲンと内視鏡像を示された胃癌でした。0IIa(またはIIa+IIc)の分化型(たぶん腸型)ですが、中心部に向かって一点集中型のfold集中像があり、潰瘍瘢痕(たぶん消化性)を伴っていました。腫瘍の最深部は瘢痕の横でした。
5) 食道扁平上皮癌の一部がECCとBasaloidに分化した、興味深い症例が提示されました。横這い派先生が病理解説されていました。

教育レクチャーはDr.写真館のマクロ写真撮影お作法講座で、大変ためになりました。

写真は春のうららの隅田川対岸(月島)からみた聖路加タワー前の明石町河岸公園です。
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