胃生検の小部屋 Cottage for Gastric Biopsy

胃生検からはじまる消化管病理の美しい世界

H. pylori陰性がんと除菌後がん

2014-05-30 | 胃癌全般
 写真はH. pylori陰性胃粘膜に発生したsignet-ring cell carcinomaです(同様の記事を2011-1-16に投稿しています)。萎縮や炎症のないとてもきれいな胃粘膜を背景に小さな退色域として発見され、ESDされる症例が少しずつ増えてきたようです。陰性がんとしてはこのようなきれいなsignet-ring cell carcinomaや、純粋な胃型腺がん(Dr Curry typeやfoveolar type)がみられるようです。われらがPGAも陰性背景で発見されることがあります。
 
 一方、H. pyloriの除菌療法が保険収載されてから10年以上が経過し、除菌後胃癌の報告も増え、学会で除菌後胃癌が特集されるようになりました。頻度については色々な報告がありますが、除菌をしても二次がん(異時性がん)の発生が完全になくなるわけではありません。油断大敵です。
 
 陰性胃がんと除菌後胃がんは別物と考えた方がよさそうです。それぞれを特集した雑誌もありますのでご覧ください。

 長らくご無沙汰しておりました。閲覧数も50万越えです。ご愛顧感謝します。銀座の街が恋しい今日この頃です。
コメント (4)
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