胃生検の小部屋 Cottage for Gastric Biopsy

胃生検からはじまる消化管病理の美しい世界

粘膜内ブルンネル腺と粘膜下ブルンネル腺(鉄道記念日)

2023-10-14 | 十二指腸
 ブルンネル腺といえば十二指腸の粘膜下組織(粘膜下層)内に鎮座すると思い込んでいる方が多いのですが、粘膜筋板を挟んで上下に存在します。すなわち粘膜内にもブルンネル腺があることを忘れないでください。
 したがって、ブルンネル腺を基盤とする(ブルンネル腺由来の)腫瘍様病変や腫瘍の起点となる部位が、粘膜内ブルンネル腺か粘膜下ブルンネル腺かによって、生長(成長)後の形態が大きく変わってくるのです。
 粘膜内ブルンネル腺由来ならば、概ね粘膜内の(通常の)上皮性変化を示す病変として、粘膜下ブルンネル腺由来ならば、SMT様の形態を示すことが多いわけです。

・ブルンネル腺をいじれば胃腺窩上皮が生えてきます(胃腺窩上皮の発生母地:PMID: 1038371, 24422755)。
・十二指腸粘膜(ブルンネル腺)内には異所性胃粘膜と言えないまでも、胃底腺型細胞(壁細胞や主細胞)が散見されます(PMID: 25363622)。
すなわち、ブルンネル腺は潜在的に(粘膜内でも粘膜下でも)胃型の細胞(腺窩上皮や胃底腺細胞)に分化する能力があるのです。
->腫瘍になってもその傾向が残るわけです!



今日は鉄道の日(鉄道記念日)ですね。昭和46年京都駅にて(奈良機関区所属C58の運転席)。機関士さんのご厚意で乗せてもらいました。古き良き時代。当時国鉄奈良線にはC58牽引の荷物列車のスジがありました。
コメント (2)
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