胃生検の小部屋 Cottage for Gastric Biopsy

胃生検からはじまる消化管病理の美しい世界

PGA (pyloric gland adenoma) in AIG (autoimmune gastritis). 幽門腺腺腫@自己免疫性胃炎.

2023-12-21 | 胃腺腫
 幽門腺腺腫は幽門腺という名前が付いていますが、多くは萎縮のある胃底腺領域粘膜に発生します(見出し写真クリック!)。偽幽門腺化生・幽門腺化生が関連しているからです。したがって、頚部粘液細胞~幽門腺の形質を持つ細胞が主体となります。
 以前から、欧米の報告では背景粘膜として自己免疫性胃炎が多いと記載されていました。日本で経験する症例はこれまでほとんどがH. pylori胃炎による萎縮性胃底腺粘膜からの発生例でした。
 最近、自己免疫性胃炎を拝見する機会が多くなり、そこに発生する幽門腺腺腫もしばしばみるようになりました。
 本例は内視鏡像とあわせると内反性増殖をするタイプのようです。


滋賀県名物サンドウイッチとサラダパン
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Claudin18, CLDN18, C108号

2023-12-06 | 胃その他
 Claudin18(CLDN18)(43-14A, 研究用)を染めてみました。見出し写真では、胃腺が全て(腺窩上皮から深部腺まで)膜に強陽性を示しています(写真クリック)。切れ味のいい抗体です。


完全型(小腸型)腸上皮化生のところ(写真右より)は染まっていません(写真クリック。以下同様)。


不完全型(胃腸混合型)腸上皮化生のところは種々の程度に染まります(生検です)。


十二指腸ブルンネル腺は基本的に陰性(写真右側)ですが、何か事があると(潰瘍の近くなど)うっすら染まってきます(写真左側)。ブルンネル腺は「胃になりたがる」ようです。


十二指腸ブルンネル腺内の胃腺窩上皮化生の部位です。そこだけ真っ茶に染まっています。


十二指腸表層に出現している胃腺窩上皮化生です。よく染まっています。小腸上皮は陰性です。


CLDN18ではなく、大井川鐵道のC108号です。昭和5年生まれの蒸機ですが私より元気です。
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