胃生検の小部屋 Cottage for Gastric Biopsy

胃生検からはじまる消化管病理の美しい世界

膵上皮化生 pancreatic acinar metaplasia (2) AIG vs. H. pylori胃炎

2022-11-08 | 胃炎
 お久しぶりです。膵上皮化生をアップします(H. pylori除菌後の前庭部大弯生検です)。
 膵上皮化生はGERDの食道胃接合部の噴門腺内によく見られます。また、自己免疫性胃炎 AIGでも胃底腺の偽幽門腺化生・幽門腺化生に伴ってしばしば出現します。AIGにおける膵上皮化生の出現頻度はピロリ胃炎より有意に高いことが、ちゃんとした英文誌から随分昔に発表されています(PMID: 1282304, PMID: 23277173)。私達の論文ではAIG連続的22例中2例で膵上皮化生を認めました(PMID: 33515301)。
 最近、AIGの生検を見る機会が多いのですが、やはり10例中1,2例には膵上皮化生が見つかる印象です。
 一方、ピロリ胃炎による萎縮粘膜では滅多に膵上皮化生がみつかりません。温泉県と私達の論文では必死のパッチで観察してピロリ胃炎を100例みて1例あるかないかです。たいていは前庭部大弯の生検です(PMID: 35672698)。
 この差は何でか知らんけど・・・
 この論文とは別の症例の、ピロリ菌除菌後前庭部大弯生検できれいな膵上皮化生があったので提示します。


H. pylori除菌後粘膜膵上皮化生(見出し写真の強拡大です)
写真クリック!膵外分泌細胞が粘液腺とセットで出現するのがわかります。


ロキタンスキー先生
先月、オーストリアのGraz医科大学で開催された消化管病理セミナーに行ってきました。マスクなしで毎晩普通に宴会が催されました。マスクをしていたのは写真のRokitansky 先生だけでした。

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