胃生検の小部屋 Cottage for Gastric Biopsy

胃生検からはじまる消化管病理の美しい世界

偽手つなぎ(2)

2008-11-26 | 消化管全般
 同じ日に、今度は胃生検で「偽手つなぎ」を見つけました。
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偽手つなぎ(1)

2008-11-26 | 消化管全般
 十二指腸生検ですが、如何でしょう?という相談が妹弟子からありました。一見、手つなぎ風ですが、標本の薄切で粘膜がうまく斜切りになったのでは?と考えましたので、偽手つなぎと呼ぶことにしました。鋭角に分岐しているように見えますが、腺管同志の距離は均一で、固有層(間質)に変化もみられません。
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Was ist Invasion? (4) Das ist Invasion.

2008-11-20 | 胃分化型腺癌
 先ほどの体部腺・固有腺型(Dr Curry type)腺がんの深部強拡大です。クリック!
腺管周囲に軽度ですが同心円状に線維化を伴う反応をみることができました。ここはもう粘膜下層空間です。
 赤い顆粒を持った細胞があります。パネート顆粒だというひともいるでしょう。特染をするとMUC6とpepsinogen 1に染まります。つでにMUC5ACにも染まりました。細胞異型(核異型)は無いに等しいですが、性格としては非常に幼若な胃型細胞と考えられます。経験的に胃型腺腫や腺がんで胞体が赤いものが目立つことがありますが、粘液顆粒等が変性したものではないかと勝手に思っています。リゾチームにも染まります。
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Was ist Invasion? (3) またもやDr Curry typeです

2008-11-20 | 胃分化型腺癌
 またもやDr Curry-type adenocarcinomaをみせていただく機会に恵まれました。0IIa病変、弱拡大です。固有腺・体部腺型の腺がんは粘膜下層に浸潤してもあまり間質反応しないのも特徴のひとつですが・・・→次の記事へ。
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Was ist Invasion? (2) Das ist Invasion.

2008-11-20 | 胃分化型腺癌
 独逸時代の恩師にもらったAbbildungです。右上手書き矢印のところ注目です。腺管構造と基底膜をしっかり保ったものでも粘膜下層以深の空間に腫瘍が浸潤すれば周囲にぐるぐるっと線維化がみられるんだよという説明です。
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Was ist Invasion? (1) tub 1の粘膜下層浸潤

2008-11-20 | 胃分化型腺癌
 胃のtub 1(腸型)です。この写真は本邦の病理医が見れば、tub1が粘膜下層浸潤しているところと即座に診断できると思います。これは外国からのコンサルト症例で、粘膜下層浸潤か、粘膜筋板を越えるherniationかという質問がありました。英米系の病理では、どこの臓器でも腺管が崩れてバラバラなってないとなかなかInvasionとみなしてくれません。腺管周囲に同心円状に線維化が生じていますが、これも一種の間質反応であると考えていると説明しています。次の記事を参照してください。
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早期胃癌研究会

2008-11-09 | 研究会、学会
 初の土曜開催となる早期胃癌研究会がありました。写真は当日の「日の出桟橋とベイブリッジ」です(クリック, bitte)。九州の親分がご欠席のため、病理司会はDr CurryとQussieが務めました。
1) HP陰性の隆起性MALT lymphomaというご提示です。レントゲンでは 0IIa+IIcのcarcinoma、内視鏡では厚い白苔のある潰瘍があり周囲は過形成性にみえ、GISTなどの非上皮性腫瘍が考えられるという意見でした。病理ではlymphoma or reactive!?という議論になりました。
2) 隆起主体の印環細胞がんの症例です。0I+IIcです。I型の周囲がお堀のように凹んでいます。画像診断は少し難航しましたが、我らが運営委員長は陥凹面に着目して未分化型がんと一発で回答されました。ただし中央部は再生粘膜からなるインゼルではなく、印環細胞の塊でありました。印環細胞がんであるが接着性がよいのでは?という指摘もありました。
3) 先月に引き続き、高分化主体の胃型腺がんです。胃型マニアとしては興味深い限りです。見事な拡大内視鏡観察が提示されました。同じ絨毛状でも周囲の完全型腸上皮化生と胃型腺がんのところの血管パターンが明らかに異なりました。
4) 膵炎によって大腸が全周性狭窄をきたし、炎症性ポリープが多発した症例です。レントゲンでは転移性ca.、腸間膜脂肪織炎、膵炎、びまん浸潤型大腸がん等が鑑別にあがります。炎症の消退によってボコボコのポリープがきれいに消えていました。ポリペクトミーの標本は線維筋症を伴った炎症性ポリープの組織像でした。大先生はcap polyposisのようなものだとおっしゃっていました。
5) 拡大内視鏡の血管パターンからは、高度異型腺腫~腺癌と読んでしまったが、病理診断は低異型度腺腫であったという大腸ポリープです。
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