ガエル記

本・映画備忘録と「思うこと」の記録

子供の頃読んだマンガのこと

2018-09-05 07:06:43 | マンガ



記憶の中のマンガは凄い。特に子供の頃に読んだマンガの記憶はとんでもなく本物を発展させてしまう。

小学生まで私はマンガをそれほど読まない(家ではなんとなくマンガを読めなかった。禁止されていたようにも覚えないが、だからと言って買ってくれと言えない感じだったように思う。借りてくる分には文句はなかったが、それほど頻繁なことではなかった。だからといって極端に厳しい家だったわけではない)方だったので、余計読んだ時のインパクトが強かったのかもしれない。
記憶にあるのは手塚治虫のマンガが多い。例えば(子供の話だけど)おとなしい弟が兄のガールフレンドに横恋慕し彼女を(保健室?だったような)拉致してしまうという話があった(確かそんな感じの話だったと思う)。保健室で眠らされている彼女を救いに来た兄は、すっかり変化した弟の姿を見る。弟はそれまで秘められていた超能力でメスやハサミなどをとばして兄を撃退しようとするが・・・。というものだけどこの状況が頭の中ではっきりと動く映像になっていて登場人物もはっきりリアルになっている。ずっと後でマンガを読む機会があった時、「あれれ、こんなに簡単な絵だったっけ?」と驚いた。自分としてはぞっとするようなサスペンスに満ちたマンガだったのだ。子供時代に読み、女の子を拉致しているというエロチックな緊迫感と実の兄に凶器を飛ばす恐怖が脳の中で熟成されとんでもないアクション映画となって録画されてしまっていたのだ。

そういう体験をしてから以降、小学生くらいの子供がマンガを夢中になって読んでいるのを見るとその子の頭の中で、マンガがとんでもない衝撃でとんでもない映像になっているんじゃないかと思ってしまう。私はむしろ小説のほうをよく読んでいたのだけど、小説でそういう体験はない。マンガの衝撃はそのくらい強烈なんだと思う。
だからこそ夢中になってしまうのだろうな。

上の画像は手塚治虫著「アラバスター」これもすごくリアルに脳内録画されてしまったものです。恐ろしかった。



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