Lumière sur : Les coulisses de Frôlons de James Thierrée
FROLONS 振付:ジェームス・ティエレ 声:シャーロット・ランプリング ダンサー:アマンディーヌ・アルビッソン/ヴァランティーヌ・コラサンテ/エブ・グリンツテイン
wowowライブで鑑賞しました。(声は吹替でした)
パリ・オペラ座バレエ団「4つの小品」の一番目の作品「フロロン」振付はジェームス・ティエレ。チャーリー・チャップリンの孫で映画『ショコラ~君がいて、僕がいる~』などに出演した俳優でもある彼がパリ・オペラ座で繰り広げた体験型演劇、とのことです。
パリオペラ座公演会場のひとつであるガルニエ宮はそれだけでも美しさであります官能的で魅惑的な美しさでありますでが、そのガルニエ宮そのものを舞台としてバレエダンサーたちが際立った身体能力での運動はこの世のものではないような怖ろしささえ感じる不思議さに満ちています。
退廃美の衣装をまとったダンサーたちが人間ではない別の生物となってガルニエ宮を這いずり回る異世界を体験する観客たち。
「鉄則は歩き回ることです」と劇場の係員が叫ぶのに誰も聞きはしない。皆茫然立ちすくんでダンサーたち、というより不思議な生物たちに見惚れている。そしてなぜか皆奇妙な微笑みを浮かべているのです。恐怖から、でしょうか。
こんな異常な映像を見たことはない気がします。この場にいたら一体どんな気持ちになるのでしょう。
そういえばフランスでは人力で動く巨大なカラクリ人形の行進、というのもありましたね。あれを初めて(テレビでですが)観た時の感動に似ている気がします。
「フロロン」というのは「ぎりぎりで通ろう」という意味だそう。
始め静かに歩いているだけで驚きますが、そんなのは序の口です。説明する男の肩の上に乗っている奇妙な生物ダンサー。謎めいた怪物、階段を上り下りする虫のようなものたち。光る球を持ち、或いは背中にしょって、或いは手渡しをする。
多くの光球を頭に載せた歌姫に群がる生物たち。雅楽の音によって導かれ踊りは終わる。
まさに悪夢を見ているかのよう。素晴らしい踊りでした。
引っ越しをしていますが未練たらしくまたここで記事をアップします。
はてなブログに引っ越ししましたのでもしまた読んでいただけるのでしたらそちらでもよろしくお願いします。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます