風色明媚

     ふうしょくめいび : 「二木一郎 日本画 ウェブサイトギャラリー」付属ブログ

10月20日 木曜日

2011年10月20日 | 仕事場
台地の上の街の続きです。
全面に色が入りました。
最初は固有色に近い色を置くのが私の常です。



街並みと崖は、まったく同じ色を使っています。
岩黄土の13番、方解末の11番、岱赭(たいしゃ:赤茶色)などを混ぜたものです。
樹木は、岩鼠の11番、鶯色の11番、青口緑青の11番、方解末の11番などを混ぜています。
薄っすらと塗っただけですので、下描きの鉛筆や水彩が透けて見えています。
空には水色群青の11番を少し追加しています。
全面に色が入って一息。
ここまでは私にとっては下描きの延長、下準備なのです。

従来ですと、最初に暗めの絵具で少し凸凹したマチエールを作ります。
そして刷毛を使って、その凸凹を埋めていくように大雑把な彩色を始めます。
しかし、今回はその手法を全く行っていません。
よりオーソドックスに、下描きを生かして薄塗りで描写しようと考えています。



全体に少しずつ明度を落としながら夜の雰囲気に近づけていきます。
同時に、崖や街並みを描写していきます。
岩黒13番、濃鼠13番、アイボリーブラック、バーントアンバーなどを使っています。

おつゆ描きと言えるほど薄めた絵具で描いていますので
崖や街並みの明るい部分は紙の色が透けて明るく見えているのです。
従来の手法ですと、この段階では何が描いてあるのか判らないくらい形が潰れるところですが
何だか、仕上げ間近のような雰囲気になっています。

今後しばらくは、ひたすら描写していきます。

-------------- Ichiro Futatsugi.■



コメント (2)
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