前回も触れましたが、この年末年始は徹底的に遊び呆けていました。
16年ぶりに車を替えたのが嬉しくてドライブ三昧の日々でした。
50歳を過ぎたオヤジなのですが、オモチャを買ってもらった5歳の子供と何も変わりません。
こういう状況になると、その人の本当の精神年齢が露見するものなのです。
納車から10日ほど経った1月6日の日曜日。
何となく、本当に漠然と、埼玉県の安行(あんぎょう)へ行ってみようと思いつきました。
1999年に両親が長野から引っ越して来た際、庭木を捜しに何度か通ったことがありました。
安行は植木・盆栽などの業者が集まる、関東でも有数の園芸の街なのです。
盆栽好き・庭好きの私には、さいたま市の盆栽町と並ぶ聖地の一つでもあります。
東京外環自動車道に沿った外環道路をのんびり走って安行まで来たのですが
6~7年ぶりのことで、どこに何があったのかほとんど記憶がありません。
思いつきで「安行西」という交差点で南下して街の中に入って行きました。
たまたま入りこんだ道路の両側には、安行らしく園芸業者の農園が並んでいます。
ここが安行の中心部ではないようですが、緑の多い街というのはいいものです。
しばらく進むと、左側の生垣からイタリア国旗が突き出ているのが見えてきました。
どうやらイタリア料理店のようです。
ゆっくり走りながら店をチラ見した瞬間、ピンと来るものがありました。
「ここは良いかもしれない…」
時間は昼の12時半を少しまわっていました。
まだ昼食はとっていません。
店の外観は木造で、田舎の分校のようです。
イタリアの小さなレストランをイメージしているのかもしれませんが
安曇野育ちの私には、懐かしい山の分校といった趣きが感じられます。
隠れ家っぽくて、豪華そうに演出していないところがまず気に入りました。
昼はパスタとコーヒーだけで充分なのですが
店の雰囲気と、漂うオリーブオイルのいい香りに誘惑されてランチのコースにしてしまいました。
前菜はチーズのムース。
付け合せにイチゴが添えられていて、見た目はまるでデザートのようです。
いきなり意表をつかれて、何だか楽しい食事になりそうです。
ムースと二種類のソースが期待感を高めてくれます。
スープは緑色のミネストローネ。
ほうれん草ではなく、春菊で色をつけたとのことでした。
春菊の癖を抑えながら、とても上品に仕上がっています。
メインは、パスタ・リゾット・魚・肉から選ぶようになっていて
私は魚のリゾットを選びました。
米の芯が消えかかる寸前で仕上げた歯応えは正に絶妙でした。
適度にコッテリした米と魚の塩味の組み合わせは、やっぱり日本人には嬉しいものです。
何より、スープもリゾットもベースとなるブロードがとても丁寧に作られているようです。
デザートはパンナコッタ。
パンナコッタはあまり食べた経験がなかったのですが
杏仁豆腐のような明快な風味づけが施されてあり、とても滑らかで心地よい舌触りでした。
最後の締めはエスプレッソです。
久しぶりで爽快な苦味のエスプレッソを堪能することができ
イタリアのバールの情景が懐かしく蘇ってくるようでした。
以上のコースで2300円です。
予想と期待を遥かに超えた料理が展開されて、思いがけない満足感に浸ることができました。
普通の胃袋でしたら苦しくなるくらいのボリュームもあります。
どれも口当たりの優しい味なのですが、主張すべきところははっきりとしていてメリハリが効いています。
たまたま思いついて出かけた街で偶然に入った店でした。
こいつは新年早々縁起がいいぞ!
さて、肝心のお店の名前は「ANTICO BASILICA(アンティコ バジリカ)」と言います。
メニューは、おそらく毎日変わるのでしょう。
ランチには1800~4500円の三つのコースがあります。
ディナーには5000円前後で三つのコースがあるようです。
家に帰ってネットで調べてみると、案の定、かなり評判の良い店でした。
給仕をしていたオーナーシェフの奥様と思しきご婦人によると
普段は混んでいることが多く、予約をした方が安心とのことでした。
6日は正月明けで、たまたま空いていたようです。
私の家からは車で一時間くらいかかりますが、たまにはここまで出かけてくる価値は充分にあります。
安行近郊の方には是非お勧めします。
唯一心残りだったのはワインが飲めなかったことです。
飲酒運転は絶対ダメですからね。
ワインのないイタリアンは、三つ葉のない親子丼と同じで画竜点睛を欠きます。
今度は公共交通機関を調べてから出かけるぞ!
-------------- Ichiro Futatsugi.■
16年ぶりに車を替えたのが嬉しくてドライブ三昧の日々でした。
50歳を過ぎたオヤジなのですが、オモチャを買ってもらった5歳の子供と何も変わりません。
こういう状況になると、その人の本当の精神年齢が露見するものなのです。
納車から10日ほど経った1月6日の日曜日。
何となく、本当に漠然と、埼玉県の安行(あんぎょう)へ行ってみようと思いつきました。
1999年に両親が長野から引っ越して来た際、庭木を捜しに何度か通ったことがありました。
安行は植木・盆栽などの業者が集まる、関東でも有数の園芸の街なのです。
盆栽好き・庭好きの私には、さいたま市の盆栽町と並ぶ聖地の一つでもあります。
東京外環自動車道に沿った外環道路をのんびり走って安行まで来たのですが
6~7年ぶりのことで、どこに何があったのかほとんど記憶がありません。
思いつきで「安行西」という交差点で南下して街の中に入って行きました。
たまたま入りこんだ道路の両側には、安行らしく園芸業者の農園が並んでいます。
ここが安行の中心部ではないようですが、緑の多い街というのはいいものです。
しばらく進むと、左側の生垣からイタリア国旗が突き出ているのが見えてきました。
どうやらイタリア料理店のようです。
ゆっくり走りながら店をチラ見した瞬間、ピンと来るものがありました。
「ここは良いかもしれない…」
時間は昼の12時半を少しまわっていました。
まだ昼食はとっていません。
店の外観は木造で、田舎の分校のようです。
イタリアの小さなレストランをイメージしているのかもしれませんが
安曇野育ちの私には、懐かしい山の分校といった趣きが感じられます。
隠れ家っぽくて、豪華そうに演出していないところがまず気に入りました。
昼はパスタとコーヒーだけで充分なのですが
店の雰囲気と、漂うオリーブオイルのいい香りに誘惑されてランチのコースにしてしまいました。
前菜はチーズのムース。
付け合せにイチゴが添えられていて、見た目はまるでデザートのようです。
いきなり意表をつかれて、何だか楽しい食事になりそうです。
ムースと二種類のソースが期待感を高めてくれます。
スープは緑色のミネストローネ。
ほうれん草ではなく、春菊で色をつけたとのことでした。
春菊の癖を抑えながら、とても上品に仕上がっています。
メインは、パスタ・リゾット・魚・肉から選ぶようになっていて
私は魚のリゾットを選びました。
米の芯が消えかかる寸前で仕上げた歯応えは正に絶妙でした。
適度にコッテリした米と魚の塩味の組み合わせは、やっぱり日本人には嬉しいものです。
何より、スープもリゾットもベースとなるブロードがとても丁寧に作られているようです。
デザートはパンナコッタ。
パンナコッタはあまり食べた経験がなかったのですが
杏仁豆腐のような明快な風味づけが施されてあり、とても滑らかで心地よい舌触りでした。
最後の締めはエスプレッソです。
久しぶりで爽快な苦味のエスプレッソを堪能することができ
イタリアのバールの情景が懐かしく蘇ってくるようでした。
以上のコースで2300円です。
予想と期待を遥かに超えた料理が展開されて、思いがけない満足感に浸ることができました。
普通の胃袋でしたら苦しくなるくらいのボリュームもあります。
どれも口当たりの優しい味なのですが、主張すべきところははっきりとしていてメリハリが効いています。
たまたま思いついて出かけた街で偶然に入った店でした。
こいつは新年早々縁起がいいぞ!
さて、肝心のお店の名前は「ANTICO BASILICA(アンティコ バジリカ)」と言います。
メニューは、おそらく毎日変わるのでしょう。
ランチには1800~4500円の三つのコースがあります。
ディナーには5000円前後で三つのコースがあるようです。
家に帰ってネットで調べてみると、案の定、かなり評判の良い店でした。
給仕をしていたオーナーシェフの奥様と思しきご婦人によると
普段は混んでいることが多く、予約をした方が安心とのことでした。
6日は正月明けで、たまたま空いていたようです。
私の家からは車で一時間くらいかかりますが、たまにはここまで出かけてくる価値は充分にあります。
安行近郊の方には是非お勧めします。
唯一心残りだったのはワインが飲めなかったことです。
飲酒運転は絶対ダメですからね。
ワインのないイタリアンは、三つ葉のない親子丼と同じで画竜点睛を欠きます。
今度は公共交通機関を調べてから出かけるぞ!
-------------- Ichiro Futatsugi.■