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風色明媚

     ふうしょくめいび : 「二木一郎 日本画 ウェブサイトギャラリー」付属ブログ

インターネット不通のお知らせ

2012年01月09日 | 日常雑記

転居に伴い、1月10日(火)より18日(水)午前中まで、我が家ではインターネットが使えなくなります。
我が家のネットはケーブルテレビ経由なのですが
移転工事の申し込みが遅くなり、18日まで工事予約が取れなかったためです…トホホ。

この間コメントをいただきましても、お返事ができませんのでご了承ください。
もちろん電子メール・ウェブメールもできません。

よろしくお願いいたします。

-------------- Ichiro Futatsugi.■
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迷い猫「ポヤ」

2011年07月13日 | 日常雑記
暑中お見舞い申し上げます。


今から25年ほど前のこと。
玄関の方向から、何やら猫の鳴き声らしきものが聞こえてきました。
空耳かな?と思いながら玄関を開けてみると
3メートルほど離れて、一匹の猫が佇んでいました。

「ニャ~」

じっと私を見つめて、逃げる素振りもありません。

「あれ?お前、どこから来たの?」
「ニャ~」
「お前、ノラか?」
「ニャ~」
「…」
「ニャ~」
「入るか?」
「ニャ~」

私は猫語がわかりませんので、返事がイエスなのかノーなのか見当もつきません。
玄関で猫相手に見つめ合っていても仕方がないので、とりあえず中に入れることにしました。

のそりのそりと悠長な足取りで足も拭かずに部屋の中に入り込み、ドカッと腰を降ろします。
オドオドしたところは微塵もなく、ぐるりと部屋を眺め回して「ふ~ん」というような顔をしています。
私の方が不意の来客に少し畏まってしまって、何か食べ物はないか捜しながら猫の様子を窺います。

その猫は毛並みの良い、綺麗な肉球をした三毛猫で、おそらくどこかの飼い猫なのでしょう。
少しメタボがかった体型から、どうやら他に何軒かの家を渡り歩いているように見えました。
人間社会の中で巧妙に生き抜く知恵を備えた賢い猫だったようです。
万事ゆったりとした身のこなしで、少し虚ろな視線を送ってくることから
「ボヤっとした」という言葉の「ボヤ」を少しだけ変えて、我が家での名前は「ポヤ」になりました。

ポヤは何をするでもなく、ほとんど居眠りをして過ごしていました。
あまり動かないことをこれ幸いに、私はスケッチブックを取り出しました。





ポヤは最初畳の上で昼寝していましたが、一度私が胡坐をかいてポヤを中に入れたところ
それが病みつきになったらしく、私が胡坐をかくたびにノソっと入り込んで居眠りを始めるのです。
懐いてくれるのは嬉しいのですが、こうなると私は身動きがとれません。

ポヤは涼しい顔をして寝息を立てています。
しばらくすると、私の足が痺れてきます。
お尻も痛くなってきます。
トイレにも行きたくなってきます。
しかし、ポヤが気持ち良さそうに眠っています。

「どうしよう…」

せっかく懐いてくれた猫の機嫌を損なうことを何より恐れる小心者の私は
ポヤに遠慮して、そのままじっと胡坐をかき続けます。

「すみません、ポヤさん。ちょっとどいていただけますか?」
「…」

いよいよトイレが我慢できなくなると、そお~っとポヤを抱き上げて座布団の上に移します。

「すぐ戻りますので」
「ん …」

私はパッとトイレに行って、サッと戻って、また胡坐をかきます。
そして座布団の上でぼんやりしているポヤを抱き上げて、胡坐の中へ戻します。

「さあ、さあ、ポヤさん。どうぞ、どうぞ」
「お …」

ポヤは前足で座り心地を確かめてから、再び丸くなって目を閉じます。



ポヤを飼ったわけではありません。
フラリとやってきては、おやつを食べて昼寝をして帰っていく。
しばらくそんな状態が続きました。


しかし、当時暮らしていたアパートはペット禁止です。
他の住人の手前、このまま居ついてしまっても困ります。
私はポヤを部屋の中に入れないことに決めました。

「ニャ~」

いつものようにポヤの声が玄関の外から聞こえます。

「ニャ~」
「…」

やはりそれが何日か続きましたが、やがてポヤの声は聞こえなくなりました。

ポヤはいつも毛並みが整っていて綺麗でした。
本来の飼い主がいたはずですし、”別宅”が他にもあったでしょう。
賢いポヤのことですから、その後も上手く立ち回って穏やかに暮らしたのだと思います。
あれから25年経っていますので、ポヤはとっくに鬼籍に入ったはずです。

猫は20歳を過ぎると、尻尾の先が二つに割れ、人の心を読み、妖術を使えるようになるそうです。
それを「猫叉」と言うのだそうです。

もしポヤが今でも元気でいて猫叉になっているとしたら
人の心が読めるようになっているはずですから
ひょっとしたら日本語を話せるようにもなっているかもしれません。
私は相変わらず猫語はわかりませんので、喋れるようになったポヤに聞いてみたいものです。

「うちに通っていた頃は楽しかったか?」

果たしてポヤは何と答えるでしょう。
大の犬党、柴犬党の私ですが、猫も負けず劣らず大好きなのです。
私に懐いてくれた数少ない猫であるポヤとの日々は天国でした。

私の夢想の中で、ポヤの瞳が少女マンガの主人公のように輝き出します。
そのキラキラした瞳で、私をじっと見つめます。
私も白馬の騎士のような瞳になって、ポヤをじっと見つめ返します。
そしてポヤの一言を、期待に胸を膨らませながら待ちます。

「楽しかったかい?ポヤ」
「ん …」

あら?

-------------- Ichiro Futatsugi.■

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三役、揃い踏み

2011年07月09日 | 日常雑記


「三役って、俺たちのことか?」
「だろうな」
「三匹いるから、相撲の三役に例えたんだろ」
「俺たちゃ力士か?」
「俺たちを集めて、ご主人は何を書こうとしているんだ?」
「さあ…」
「でも、俺たちが集まるのは今日が初めてだよな」



「俺はポチって言うんだが、お前は?」


「え?俺もポチだぜ」


「俺だってポチだよ」

「何だよ、全員ポチかよ。紛らわしいな」
「”ワン”パターンだな」
「…それって駄洒落か?」
「ポチ!って呼ばれたら誰が返事するんだ?」
「呼ばれたって、返事ができない。近寄っても行けない」
「だな…」
「じゃあ、同じ名前でもいいか」
「だけど、ポチなんて古臭い名前だよな。花咲爺さんの時代だぜ」
「裏の畑でポチが鳴くってか?」
「名付け親の素質はなさそうだな」
「普通は違う名前にするだろ?何考えてるんだろうな」
「何も考えてないから同じ名前なんじゃないのか?」
「ご主人のポリシーだそうだ。犬は柴、名前はポチ。これで決まりってね」


「柴?お前たちは柴だけど、俺はミニチュア・ダックスだぜ」

「ポリシーなんて偉そうなこと言っても、所詮そんな程度なのさ」
「要するに節操がないってことだな」

「ところで、ぬいぐるみよ。お前はここに来たばかりだよな」
「ああ、先週だ」
「どこから来たんだ?」
「松本の眼鏡屋だよ」
「最近の眼鏡屋はぬいぐるみも売っているのか?」
「俺の仕事はこういうことさ」



「げっ!お前は眼鏡を食うのか?」
「食うか!眼鏡スタンドだよ」
「それで蝦蟇口みたいに口がでかいのか」
「ほれ、こういうこともできるんだぜ」



「ほお~。お前、ご主人の仕事を手伝ってやったら?」
「ここだけの話だがな。実は俺の方が絵は上手いんだ」
「しっ!声が大きい。聞こえるぞ」

「木彫はどこから来たんだ?」


「松本の人形作家の作品なんだ。ご主人の知人からのプレゼントでここに来た」

「ガラスはどこから来たんだ?」


「俺はSUWAガラスの里ってところだ。諏訪湖畔にあるガラス工房なんだ」


「ところで、最初の疑問に戻るが、ご主人はなんでこの記事を書いているんだ?」
「さあ…」
「何か意味があるのか?」
「さあ…」
「こんな記事を書いてていいのか?暇なのか?」
「ちょっと息抜きがしたいんだと」
「忙しかったのか?」
「ここんとこ仕事に集中していて記事を書いていなかっただろ?」
「4、5日前に書いてたじゃないか」
「あれは政治家の放言にブチ切れして思わず書いてしまったんだそうだ。えらく怒ってたからな」
「書いてスッキリしたんじゃないのか?」
「不味いものを食べて胸焼けしてるような気分なんだそうだ」
「へえ、それで口直しってことか」
「口直し?俺たちゃドルチェか?」
「ドルチェさ」
「は?木とガラスと布だぜ。煮ても焼いても不味くて食えんぞ」
「食うためのドルチェじゃない。ここにいるだけでドルチェになるんだそうだ」
「ここにいるだけ?いるだけでいいのか?」
「いるだけでいいのかって、お前には他に何かできるのか?」
「できん…」
「それでいいんだ。俺たちはここにいるだけでいいんだ」
「ふ~ん。人間って変わってるんだな」
「寂しいんだろうよ」
「寂しい?ご主人が?あの顔で?」
「顔はご主人に責任はない。生まれつきだからな」
「おい、そういう話は小声でしろ。ご主人がこっちを睨んでるぞ」

「へえ~。ご主人は寂しいのか」
「人間は、み~んなそういうものらしい」
「ぬいぐるみよ。たまにはご主人に尻尾を振ってやったらどうだ?喜ぶぞ」
「俺(木彫)とガラスは尻尾を振りたくても、硬くて振れないからな」
「無理言うな。布でできているけど、神経も筋肉もないんだ」



「お、そろそろ記事が書きあがるようだぜ」
「じゃあ、俺たち、また持ち場に戻るんだな」
「ああ、お別れだな」
「元気でな。またいつか集まろうぜ。ご主人の気分次第だけどな」
「俺たちだけじゃ集まれないからな」
「じゃあ、みんな!達者でな!」


「で、結局ご主人は何が書きたかったんだ?」

-------------- Ichiro Futatsugi.■

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2011年4月1日 ”元旦”

2011年04月01日 | 日常雑記
東北・関東大震災で亡くなられた方々に心より哀悼の意を表します。
その御魂の安らかならんことを切にお祈り申し上げます。

そして、被災された方々、原発事故で避難生活を余儀なくされた方々に
心よりお見舞いを申し上げます。
一日も早い復旧・復興を、ただひたすらにお祈り申し上げます。




窓辺の陽だまりが急に心地良くなってきました。
すでに東京には桜の開花宣言が出ています。
近所のコブシの木には、白く密生した花が散り始めたものさえあります。
ベランダの古参のシクラメンは、日に日に花を増やしています。

春ですねぇ。



今年は昨年より少し開花が遅れています。



こちらは、先日の地震でひっくり返ってしまった一鉢。
地震に驚いて咲くのを忘れてしまったのか、花芽の伸びが止まったままです。


今日は私にとって2011年の”元旦”…のつもりです。
ささやかな、私だけの”元旦”ということにしました。

昨年12月から、正確に言えば秋ごろから、身の回りでいろんなことがありましたが
ようやく通常のペースに戻りつつあります。
穏やかな、さりげない一日が増えてきつつあります。
何でもない普通の時間がいかに貴重なものであるか
被災地の皆さんとは比較になりませんが、少しは身に浸みました。

年越し蕎麦も、初詣も、お節料理も、”正月”らしいことは何もありませんが
何もないことが、今は一番の贈り物です。

春は新たな1年の始まり、再スタートの時です。
ここまで来たら、なりふりかまわず、新たな気分で再スタートです。

はい、位置に着いて!
前を見て、うしろを振り返るんじゃないよ!
隣のランナーのことは気にするんじゃないよ!

よーい、ドン!!


さて…
突然ですが、ホームページを移転いたしました。

先日、ささやかな事件が起こったと申し上げましたが
私の日本画を紹介するホームページを置いているレンタルサーバースペースに
何らかのトラブルによってアクセスできなくなりました。
つまり、更新が一切できなくなりました。
このままでは、未来永劫更新ができません。
サーバーの管理者に問い合わせてみたり
ファイルをサーバーに転送するソフトの設定をチェックしてみたり
セキュリティソフトの設定を変えてみたり…
考えられることをいろいろ試してみましたが状況は何も変わりませんでした。

そこで、本日サーバーを変更いたしました。
従いましてURLも変わりました。
本来でしたら、前もって旧URLに移転のお知らせを掲示してから移転すべきところですが
サーバーにアクセスできませんので、それも不可能です。
そのために、予告なしの唐突な移転とせざるを得ませんでした。
すでに旧URLは削除されていますので
この記事をご覧にならなければ、突然閉鎖されたように映るでしょうね。
「夜逃げでもしたのか?」と思われても仕方がないのですが、私は元気でおりますよ。



新URL
http://www1.koalanet.ne.jp/galleria2-if/

ブックマークしていただいている方は、ご面倒ですが再登録をお願いいたします。

とりあえず今回は緊急事態ということで、そっくりそのまま移転しただけですが
1年ほど前から全面リニューアルの作業を進めています。
ここ4ヶ月ほどリニューアル作業は中断していますが
ゴールデンウィーク頃までには新装なったホームページをご覧いただけるかと思います。

上の画像は現在の表紙ですが、間もなく見納めとなります。
2004年6月以来の表紙でした。

新ページの表紙は、下の画像のようになる予定です。




今までとは打って変わって白色ベースのシンプルなデザインになります。
ページ構成も見直して、できるだけ簡潔なサイトにするつもりです。
シンプル イズ ザ ベスト!
とは言いましても、内容自体はあまり変わらないのですが…。

今後も引き続きまして、ブログ共々よろしくお願い申し上げます。

-------------- Ichiro Futatsugi.■

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秋色のひととき

2010年11月09日 | 日常雑記



月に1度長野県諏訪市で開講している日本画教室に出かけた折に
1年ぶりに蓼科高原にある「御射鹿池(みしゃがいけ)」に寄ってみました。

この池は、時々テレビコマーシャルにも登場します。
最近では今井美樹さん登場の車のCMに使われていましたが
2年ほど前、吉永小百合さんの登場した液晶テレビのCMの背景に使われた
東山魁夷の「緑響く」という作品のモデルがこの池です。




到着したのは、11月6日土曜日の午後3時過ぎ。
すでに西陽は水平方向にまで傾こうとしていました。

紅葉の最盛期は過ぎ、対岸の特徴的な浮島に生える白樺などの広葉樹はすっかり葉を落としていましたが
周囲の山々を埋め尽くす落葉松は、まだ秋の名残をとどめていました。




夕日を浴びて、色の褪せ始めた落葉松の葉が今年最後の輝きを見せます。



池の岸辺近くには、鴨の家族が。
西陽が当たっているので暖かそうに見えますが、気温は10℃ほど。



そして、諏訪市内で一泊した翌日は日本画教室。
ここでは毎回のように、生徒の皆さんが季節の風物を手に集まってきます。



生徒の一人が庭木から切り取ってきたという一枝。
これにはビックリ。
モミジがこういう斑模様に色づくのは珍しいのではないでしょうか。
少なくとも私は見たことがありません。
こういう種類なのでしょうか。
それとも、残暑が厳しかった影響でこうなったのでしょうか…。



そして、柿。
これは渋柿ですが、実は10cmほどの堂々たるもの。

そういえば、イタリア語で柿は日本語がそのまま取り入れられてCachiと書きます。
カキと読めますが、実際にはカーキと発音するようです。
イタリアではドロドロに熟し切ったものをスプーンですくって食べました(20年前の話ですが)
もちろん美味しいのですが、私は地面に落ちて潰れた状態をつい想像してしまうので、どうも…。

もうしばらくすると、柿の葉も綺麗な紅葉を見せてくれます。
柿も綺麗ですが、桜の葉の紅葉も良いものです。
諏訪の高島城のお堀端の桜も良い色に紅葉していました。

そして、間もなく厳しい冬がやってきます。
諏訪地方は寒天作りで有名なほど寒い土地なのです。
諏訪湖名物の「御神渡り」があまり見られなくなるほど冬の気温が上昇しているとは言え
それでも東京に比べれば、その寒さは半端じゃありませんから。

-------------- Ichiro Futatsugi.■

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