THE BOOKハンター!

~〈本の虫〉の痛快読書日誌~

「博士の愛した数式」(くりた陸/講談社コミックスDX)

2006年03月21日 | Weblog
 大ベストセラーで映画化にもされた小川洋子の小説を少女漫画界の人気作家・くりた陸が完全コミック化。小説では表せなかった人間の内面も深く描いています。
 作者は少女漫画が得意で、年配の男性=「博士」をうまく描けるかどうか悩んだそうですが、描き始めると、だんだんと感情移入してしまい、「博士」を描くことがいちばん楽しかったといっています。
 「世界の中心で愛を叫ぶ」や「いま、会いに行きます」など映画化されたベストセラー小説が次々にコミックされています。それは、活字離れの進む今の若者が文章を読んでストーリーを頭の中で映像化できなくなってきているからだといいます。
 私は文学作品をコミックで読むことに抵抗感があった。しかし、この本を読んで、小説(文章)では表しきれない細かい設定・描写を表現できる漫画の可能性を強く感じました。
 巻末で原作者が言っているように、この漫画では「数式」の美しさを文字以上に表現することに成功しています。


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