「あらしのよるにⅡ」 (木村祐一・あべ弘士/講談社文庫) 2007年03月22日 | Weblog 300万部を超えるベストセラー絵本シリーズ、文庫オリジナル再編集版の第2弾。同書には、第4部『きりのなかで』、第5部『どしゃぶりのひに』の2作が収録されています。 木村祐一さんが紡ぎ出すハートウォーミングなストーリーと、あべ弘士さんの美しい挿絵が見事にコラボレート。ほのぼのとした気持ちにさせてくれる1冊です!
「字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ」(太田直子/光文社新書) 2007年03月06日 | Weblog 映画がこの世に誕生して1世紀余り。この本は、映画字幕翻訳を始めて約20年という達人が、外国映画翻訳の舞台裏(ほとんどが苦労話)、気になる日本語、翻訳NGの言葉、若者の語学力低下による〈吹き替え版〉の増加……などについて独自の視点でずばずばと吐露したもので、いろいろと「業界」の裏事情を知ることができました。そのタイトルは長めで、いささか時代遅れ・・・という感じがしたので、はじめは「どうかなぁ」と思いましたが、読み始めると面白くて、ハマってしまいました。(ちなみに、タイトルは出版社の人が勝手に付けたものだと、某新聞書評欄のインタビューに作者が答えていました) 利益の追求に走る映画供給会社担当者v.s.翻訳屋の闘いの日々……。この本を読むと、劇場映画や映画のDVDを違った角度から見ることができます。
「子犬のカシタンカ」(チューホフ/新風社) 2007年03月04日 | Weblog ロシアの文豪チェーホフの「子犬」の物語集です。 表題作「子犬のカシタンカ」は、迷子になってサーカスの調教師に拾われるメス犬の話。羽毛のように柔らかな雪が降るロシアの街を舞台に、カシタンカ(クリという意味)は猫やガチョウと訓練に励んでいきますが・・・。 一方、オオカミを怖がらない子犬が登場する民話風の話「おでこの子犬」は、他者(物語では狼)と仲良くする大切さを改めて感じさせる短編です。 2編とも、心が温かくなる童話でした。イラストレーター田村セツコさんのかわいらしい挿絵にも心が和みます。
「おとなにいってほしかった24のこと」(ヨゼフ・バイオン/伝祥社) 2007年03月01日 | Weblog ふだんは行かない本屋の児童書コーナーの本箱の隅でふと見つけた、この本。そのタイトルにひかれて、本を取り出して開けてみると面白そうだったので、買ってみることにしました。 この本は、家の屋根に羅針盤として取り付けられた「ひよこ」が、こうなる前に大人にこのようなことを言われていたら、今では人や社会のために活躍していただろうと嘆いているというストーリー設定。右ページにアドバイス、左ページがそれに対する「ひよこ」の考えが解説的に綴られています。 全項目、「私のおしりがまだ青かった頃、・・・・・・」という一文から。「ゼロからスタートしてはいけない」「友だちはいらない」など、タイトルを見れば一軒逆説的ですが、文を読めばいたって正論なアドバイスであることが分かります。 この本は、作者のホームページに掲載されていたものをまとめたもので、本のカバーにそのアドレスが記されていますが、本には作者の紹介や本の内容についての解説は一切書かれていません。 一体、作者の「ヨゼフ・バイオン」って何者?