THE BOOKハンター!

~〈本の虫〉の痛快読書日誌~

「春になったら苺を摘みに」(梨木香歩/新潮文庫)

2006年03月25日 | Weblog
  ベストセラー小説「西の魔女が死んだ」の作者が書いた初エッセイ集。春らしく、美味しそうなタイトルにひかれて読んでみました。
 本書は、作者が英国で生活していた時代の回想録で、学校での恩師・ウェスト夫人との交流を中心に書かれています。

 「理解はできないが、受け容れる」。それがウェスト夫人の生き方だった。「私」が学生時代を過ごした英国の下宿には、女主人ウェスト夫人と、さまざまな人種や考え方の住人たちが暮らしていた。ウェスト夫人の強靱な博愛精神と、時代に左右されない生き方に触れて、「私」は日常を深く生き抜くということを、さらに自分に問い続ける……。 (本書カバーから引用)

 はじめは軽い読み物と思っていましたが、人種差別、戦争やテロへの反発、宗教(信仰)、貧困(世界の経済的格差)、人権……など、重たいテーマを扱っており、考えさせされる点も多く、読み応えがありました。

 個人的には、「子ども部屋」「それぞれの戦争」「クリスマス」の3編が特に好きです。


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