THE BOOKハンター!

~〈本の虫〉の痛快読書日誌~

「生きるのが楽しくなる15の習慣」(日野原重明/講談社+α文庫)

2009年05月29日 | Weblog
 「90年かけて培い、続けてきた習慣は、今となっては私の財産です」
 本書は、97歳(現在)の今も現役医師として日々診察、講演会などで国内外を飛び回る日野原重明先生のエッセイ集。この本を読めば、元気に、楽しく人生を送るコツを知ることができます。
 その元気のもとは、他人を思いやり、病気にめげず、多忙な仕事にもへこたれず、日々のできごとに楽しみを見いだすこと……。生き方上手でいるための原点は、心と体の良い習慣を定着させることが大切だと日野原先生は語っています。
 文庫カバーには「日野原流癒し系生き方術」と記されていますが、本書は「もっと幸せになりたい」「楽しい気持ちになりたい」と思っている人にオススメの1冊です!
 「愛することを心の習慣にする」「目標となる人に学ぶ」「人の気持ちを感じる」「出会いを大切にする」「腹八分目より少なく食べる」……等々。本書には、人生の大先輩による「生きることが楽しくなる方法」が実例とともに分かりやすく綴られています。
 私も本書を読み、今までの自分のライフスタイルを見直したいと思いました。

「モデル失格 幸せになるためのアティテュード」(押切もえ/小学館101新書)

2009年05月27日 | Weblog
 本書は、女性ファッション誌『AneCan』のトップモデル・押切もえさんが自分の半生や実体験を踏まえての「ハッピーの見つけ方」などを、美しいからだになりたがる同世代の女性たちのために書き下ろしたエッセイ集。今年2月に発売されましたが、たちまち10万部を超えるベストセラーとなりました。
 現在、雑誌のみならずテレビ番組やCMなど活躍の場を広げている彼女ですが、そこに至るまでには、たくさんの挫折や苦労があったようです。モデルとしてのコンプレックス、不遇の時代、絶頂期の事故……と、決して順風満帆とは言えない半生でした。しかし、そんな苦境にもめげず、押切さんはその「壁」を自力で達します。
 どんなときも努力を怠らない、あきらめない姿勢(アティチュード)……。本書を読めば、押切流の「HAPPYの見つけ方」が分かります。
 “生きる姿勢”ひとつで、人は誰でも幸せになれる!
 男性にも読んでほしい1冊です。

「星野富弘 ことばの雫」(星野富弘・星野昌子/フォレストブックス)

2009年05月16日 | Weblog
 本書は、詩画を通して多くの人に感動を与え続けている星野富弘氏が、若い時代から綴ってきたことばの数々を、妻・正子さんが撮った写真とともにまとめたものです。
 子どもの頃から体が丈夫で、体操選手としても活躍していた星野氏は体育教師になりますが、放課後の体操クラブで鉄棒を生徒の前で実演中に事故に遭い、四肢の自由を失いました。突然、重度の障害者となった富野氏は絶望の淵に立たされ、「死にたい」ともがき続けました。
 長く続く入院生活の中で、母親に勧められて花の絵を描き始めた富野氏。病床で聖書と出会い、「生かされている喜び」を得ることができました。
 この本に収録された星野氏のことばの断片を触れていると、ちっぽけなことでイライラしたり、くよくよしたりしている自分が恥ずかしくなりました。

 どんな困難や障害も、ありのままに受け入れると、その先に喜びや希望が必ず舞っている。困難にあってからこそ得られる「幸せ」がある……。
 星野氏のそんなメッセージが伝わる1冊です。

「すごい本屋!」(井原万里子/朝日新聞社)

2009年05月14日 | Weblog
 本好きで、本屋好きの私は、書店を題材にした体験記(繁盛するまでの苦労を綴った本)を読むことも好きです。この本も、新聞の読書欄で知り、さっそく買ってみました。
 「うちの村にも、本屋があったら…」。そんな村の人たちの声に応えてできた、住人約100人の山奥にある小さな本屋「イハラ・ハートショップ」を舞台に起こる小さな奇跡、村の子どもたちとの楽しい事件の日々が、店長によって瑞々しい文章で綴られています。
 この本屋は、まわりにお店がないので、味噌や洗剤などの日用品も売っています。そんな特殊なお店ですが、何と言っても「本」がメイン。村の子どもたちに本の世界を知ってほしいと、店長自ら絵本をかついで村中に子どもたちのために読み聞かせに走り、楽しくてユニークなイベントを次々と企画します。「かいけつゾロリ」の原ゆたかさんをイノシシと出迎えたり、昆虫少年と今森光彦さんをお宮の森で対面させたり……。「子どもたちの目が輝きだしたら、大人も動き出す。本屋さんほど素敵な商売はない」と井原さんは本に書いています。
 近年は、全国チェーンの大型書店が増えて、昔ながらの小さな本屋さんが次々となくなっているようです。厳しい書店業界の中で、「イハラ・ハートショップ」の開店は「常識」を覆すものでした。しかし、結果は大成功! 今や大型店でも経営が苦しいといいますが、この本を読めば、「人に愛される本屋」にするためには何が必要であるかが分ります。業界関係者にも読んでほしい1冊です!

「生きていることを楽しんで」(ターシャ・チューダー/メディアファクトリー)

2009年05月14日 | Weblog
 今月は「著名人から生き方を学ぶ」をテーマに、本を読んでいます。
 まず最初に読んだのが、米国の人気絵本作家で、昨年92歳で亡くなったターシャ・チューダーの遺した言葉を集めたシリーズ特別版です。
 ターシャ・テューダー(1915~2008)は、アメリカ・バーモント州の村で絵本の創作を続けながら、30万坪もの広大な庭でガーデニングを楽しむ自給自足のスローライフスを続けてきました。1938年の処女作を発表して以来、70年間に100冊もの作品を出版。数年前に彼女の暮らしぶりがNHKで紹介されると、たちまち日本でも大反響を受け、彼女の生き方に共感した人々から人気を集めました。
 2男2女を育てたターシャは43歳の時に離婚。56歳の時、古い農場を買い取ってバーモンド州へ移住する。家具職人の長男に19世紀風の木造家屋を建ててもらった彼女は、3歳からの夢だった「庭造り」に着手。ピングガーデン、秘密の花園など「究極のナチュラルガーデン」といわれる地上の楽園を造っていきます。
 自分で食べるものは自分で作り、生活に必要なものは何でも自分で作ろうとした彼女は、料理やお菓子のほか、ドレス、石鹸、ロウソク、おもちゃ、イベントのカードまでも自分で作りました。
 飛行機やヨットの設計技師の父と肖像画家の母の間に生まれたターシャは、幸せな少女時代ではありませんでした。9歳の時に両親が離婚し、両親の友人の家に預けられた彼女は、孤独な思いを味わったのです。15歳で学校をやめた彼女は、ひとり暮らしを始め、22歳で結婚しましたた。
 「自然に寄り添って生きる」をモットーに、愛する花や動物、人々に囲まれ、エコ生活を楽しみ、天寿を全うしたターシャ。
 「人生は短いのよ。文句を言っている暇などないの。目の前にある幸せを精一杯味わうことよ」「年をとるほど、人生は楽しいものよ!」 
 そんなターシャの言葉を、1つ1つかみしめながら読みました。