THE BOOKハンター!

~〈本の虫〉の痛快読書日誌~

クリスマス・シーズンに楽しめる本①

2006年11月17日 | Weblog
このところ何かと忙しく、あまり本が読めない状態が続いていましたが、クリスマス・シーズンということで今月から来月にかけて、クリスマスにちなんだ本をいくつか読んでいくことにしました。
 アメリカやヨーロッパなどのキリスト教圏の国々では昔からクリスマス・シーズンになると、子どもに親しい人に「クリスマス・ブック」を選んでプレゼントするという慣わしがあるようです。私も数年前から「クリスマス・ブック」のとりこになり、毎年、少しずつコレクションしています。
 クリスマスにまつわる童話や小説といった本は数限りなくありますが、私はその中でも、本場のクリスマス・シーズンの様子を描いた、外国人が書いたもの(絵本や小説)が好きです。また、美しい挿絵のある本も魅力的です。
 では、今回は、児童書として売られていますが、大人でも十分楽しめて読める6冊の「クリスマス・ブック」を紹介します。

★「ウェールズのクリスマスの想い出」(マッド・マトン/瑞雲舎)
 この本は、ウェールズという児童作家の大御所が、少年時代に体験したクリスマスの思い出を回想して、その時の様子、人々の会話をいきいきと描いています。挿絵も細部まで丁寧に描かれ、見ごたえもたっぷりです!

★「クリスマスの幽霊」(ウェストール/徳間書店)
 1930年代のイギリスの小さな町を舞台に、男の子の冒険と、父と息子のきずなを描いた人気児童作家の心に残るクリスマスの物語。イギリスが誇る人気児童作者ウェストールの回想記を併録しています。

★「クリスマスの猫」(ウェストール/徳間書店)
 同じくウェストールの作品。1934年のクリスマス、上流階級育ちの11歳のキャロラインは、おじさんの家にあずけられていました。家は寒く外出は禁じられ、友だちといえば、庭で見つけた身重の猫と、高い塀をこえて現れた町の少年ボビーだけ。キャロラインとボビーは力をあわせ、猫を守ろうとするのですが……。イギリス児童文学の実力派作家ウェストールが、おばあさんが孫娘に語るという形式で描く、育ちがよく気が強い女の子と貧しいけれど誇り高い男の子の、忘れられないクリスマスの物語。

★「こねこのクリスマス」(ターシャ/いのちのことば社)
 クリスマスの前夜、雪が吹きすさぶ森の中を、1匹のこねこが歩いていました。同じころ、近くの農家では、二人の坊やが心配そうに、サンタが来るのを待っていました。夜が明け、静まりかえった森に鈴の音が響きわたると、こねこと坊やたちに、すてきなクリスマスがやって来ました……。90歳を超えるアメリカの人気絵本作家が書いたクリスマス・ストーリー。娘さんが物語(文)を担当しています。

★「すばらしきかな、人生!」(ジミー・ホーキング/あすなろ書房)
 1946年に封切られて以来、クリスマスが近づくとテレビでもよく放映され、アメリカでは〈クリスマスの定番〉として親しまれている映画「素晴らしき哉、人生!」の公開から50年の今年、「もう一度、今の世の人々に人間のやさしさの大切さを知らせよう」と、当時主役を演じた元子役が映画を元にして書き下ろしたクリスマス・ファンタジー。

★「スキッピング・クリスマス」(ジョン・グリシャム/小学館)
 感謝祭直後のマイアミ。会計士ルーサーと妻のノーラは、ペルーに行ってしまった一人娘ブレアを見送り、クリスマスをふたりで迎えることになります。かねてからクリスマスの狂騒を快く思っていなかったルーサーは、今年はクリスマスを「スキップ」することをノーラに提案するのですが……。リーガルサスペンスの巨匠がシニカルに描き出したハートウォーミング・ストーリー。※単行本・文庫本あり