THE BOOKハンター!

~〈本の虫〉の痛快読書日誌~

「ピーターラビットのおはなし」 (ビクトリアス・ポター/福音館書店)

2010年10月25日 | Weblog
 子どもから大人まで、世界中の人々から愛され続けている「ピーターラビット」の物語。2006年には、生みの親であるビアトリクス・ポター(1866~1943)の半生が「ミス・ポター」として映画化され、私も見たことがあります。でも、私はこれまで彼女の作品を読んだことがなく、下関市立美術館できのうまで開催されていた「ビアトリクス・ポター展 ~イギリスの自然を愛し、ピーターラビットを生んだ画家~」展へ足を運んで、今回初めて「ピーターラビット」の世界に触れました。

 イギリス・ロンドンの裕福で厳格な家庭に生まれたポターは、幼少の頃から絵を描くことが大好きで、飼っていた様々な小動物や、 避暑地として訪れた自然豊かな湖水地方の風景、そこで目にした動植物や昆虫をスケッチし、水彩で描いていました。それらの絵画はいずれも対象を正確に写実するという博物学的な探究心に裏打ちされていたのです。ピーターラビットをはじめとする愛らしいキャラクターや魅力あふれる絵本は、こうした丹念な自然観察と自然への深い愛によって生まれました。
 
 1893年9月4日にビアトリクス・ポターが元家庭教師の息子に宛てた絵手紙が原型の「ピーターラビット」の物語は、1902年の「ピーターラビットのおはなし」から全23作。シリーズの累計発行部数は、全世界で1億5千万部を超えています。

 本書は、ポターがかつての家庭教師の幼い息子、ノエル・ムーアに出した絵手紙を、本にして出版するために書き直したものです。


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