THE BOOKハンター!

~〈本の虫〉の痛快読書日誌~

「最後のパレード ディズニーランドで本当にあった温かい話」(中村克/サンクチュアパブリッシング)

2009年04月26日 | Weblog
 全国の本屋さんで一番売れている大ベストセラー。先週、本に収録されているエピソードが盗作であったことが判明し、出版社が回収を検討しているという問題の本です。私は発売当初からこの本が気になっていましたが、盗作問題が浮上したことを知って、買ってみました!
 本書は、東京ディズニーランドの開業に携わり、当パークのスーパーバイザーを約15年間務めた著者が、キャストたちへ丁寧に語り伝えていた「ディズニーランドの心温まる出来事」が鮮やかなイラストともにたくさん収録されています。
 最初のエピソードからジ~ンと心打つもので、目頭が熱くなりました…。
 全てのゲストを幸せにするために、マニュアルを越えたサービスを提供する魔法の国「ディズニーランド」。私は数年前に行ったことがありますが、また行ってみたくなりました。


「架空升野日記」(バカリズム/辰巳出版)

2009年04月16日 | Weblog
 もしも自分が「OL」だったら……。
 本書は、シュールなネタのコントが人気のお笑いピン芸人「バカリズム」が、あくまでも個人的な趣味によって自分のブログに連載している「架空日記」(2006年1~6月)を単行本化したものです。
 私はバカリズムの緻密に練られた笑いが大好きです。特に「カブリーノ」「卒業式に贈るほどでもない言葉」シリーズは、ツボにハマっています。そんな彼がテレビのトーク番組でこの本のことを紹介しているのを見て、どんな「架空日記」がつづられているのかと、さっそく読みたくなりました。なぜなら私も以前、趣味の小説創作の延長線で、女性(若いOL)になりきって架空物語を書いていた経験があるからです!

 本を読み始めて、ビックリ。はじめは数行ほどの短文日記も、日を追うごとに長文になり、立派に物語の体をなしています。1人のOLが自分の会社(たいていの場所は更衣室)の同僚や地元の友達と繰り広げる会話や行動はまさに「女性」そのもの。彼女たちの細かい心理描写までもが丁寧に書き込まれており、女性の生態がよく分かります。ほぼ毎日の日記形式なので、継続的に彼女たちの生活を見ているようで、1つの「長編小説」として十分楽しむことができました。

 恐るべしバカリズムのイマジネーション。1人だけで考えたものとは思えない「架空日記」の出来映えに唸ってしまいました。と同時に、彼のさびしさに同情……。
 でも、OLっていいなぁ~♪

「ザ・マジックイヤー」(三谷幸喜/朝日新聞社)

2009年04月09日 | Weblog
 私の大好きな脚本家・三谷幸喜さんが朝日新聞に連載している人気エッセイ集の第7弾。
 「自転車で映画のロケハン」「思い出の街・江古田を再訪」「男同士の打ち上げの後に」……など、今回も三谷さんはいろいろな体験をユーモアあふれる文章でつづっています。
 今回(2007年4月6日~08年4月4日)のメインイベントは、映画「ザ・マジックアワー」(昨年夏に公開)。映画の舞台裏エピソードが満載です! 巻末には映画の世界を紹介したカラー写真やミニエッセイなども収録されています。

「日本文学者変態論」(爆笑問題/幻冬舎)

2009年04月02日 | Weblog
 お待たせしました!!
 先月は本を読む時間があまりとれなくて、スミマセンでした…
 さぁ、各地では桜が咲き誇り、新年度が始まりました。
 これからどんどん本を紹介していきますので、よろしくお願いします!

 さて、新年度1冊目は、爆笑問題の「日本史原論」シリーズの最新刊。
 「文豪の人生は全てが波乱万丈、そして、みんな破綻者で変態だった」という奇抜的なキャッチフレーズに惹かれて、買って読んでみました。
 本書は、爆笑問題が芥川龍之介、梶井基次郎、坂口安吾、三島由紀夫など、日本を代表する24人の文学者をとりあげて、漫才形式で解き明かしています。ボケ(太田光)とツッコミ(田中裕二)の掛け合いの面白さが文章からひしひしを伝わってくるので、はじめから笑いなしで読み進めるのは困難。私も読みながら1人で大笑いしてしまいました。
 太田は、いつものように毒舌絶好調! NGギリギリの危険な発言を連発しています。彼が発するギャグは、ネタが古すぎて理解できないものも多いものの、それを田中が上手くカバーしています。
 でも、北九州市出身の松本清張について「化け物みたいな顔」「ブサイクな顔」「かなりのゆとり教育の申し子」「(低学歴のため)自分の名前も書けなかった」などと茶化した侮辱的な発言はガッカリです。