THE BOOKハンター!

~〈本の虫〉の痛快読書日誌~

「生きっぱなし記 私の履歴書」(阿久悠/日経ビジネス人文庫)

2008年01月21日 | Weblog
  
 ジャンルを越えた稀代の歌謡曲のヒットメーカー・阿久悠氏が亡くなってももうすぐ半年が経とうとしています。年末から彼に関する単行本や文庫が次々と刊行されています。
 その中で、昨年12月に出たのがこの本。癌の手術と米国のツインタワーがテロによって炎上された2001年の「9・11」事件が偶然にも重なった時に書き始められたエッセイ集。「死」を強く意識し始めた彼が、後世の日本人へ遺す「遺言」として、自らの生い立ちから歌謡曲のヒットメーカーとしての地位を確立するまでの半生を、抑制された筆致でつづっている貴重な本です。
 常に「時代」に真正面から向き合ってきた彼は、言葉がどんどん力を失っていく日本と日本人に向けて、何を語り継ごうとしたのか……。 この本を読んで、古き良き時代だった「昭和」をもう一度見直しませんか? 平成生まれの人にも、将来の希望の指針となることは請け合いです。


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