映画感想(ネタバレもあったり)

映画コラム/映画イラスト

【PR】4コマで超わかる!『THE HEAD』Season2マンガで解説

2023-07-31 | 映画感想
THE HEAD Season2(2023年製作のドラマ)
公開日2023年06月17日 製作国スペイン
あらすじ 近くの陸から約2,700km離れた南太平洋の上を航行する 巨大な船・アレクサンドリア号。 それは巨大貨物船を装った<秘密研究基地>だった。 天才生物学者であるアーサーと彼が率いる優秀な科学チームは 気候変動から地球を救う調査の末、 カギとなる藻類の発見に成功し歓喜に沸いていた。 しかし翌朝、事態は一変。共同研究員のひとりが、 首<THE HEAD>の無い死体として見つかった。 アーサーにとって、それは2年前の南極での惨劇と もう一人の生存者“マギー”の存在を思い出すものだった。 次々と起こる不可解な出来事と増えていく犠牲者に 疑心暗鬼になっていく彼らは、次第にお互いを疑い、犯人探しを始めます。 気候変動から人類を救うという崇高な目的の裏に隠された、 それぞれの欲望や野心、そして因縁が徐々に浮かび上がっていき――? 南極で終結したかに見えた惨劇が再び繰り返されるのは、 誰かが世紀の新発見を盗もうとしているのか、 それとも“あの女”の復讐の続きなのか? 隔絶された極限状態の中で、たどり着く衝撃の真実とは――。
製作総指揮 ラン・テレム
監督 ホルヘ・ドラド 
脚本マリアーノ・バセルガホルディ・ガルセランアイザック・サストレ
主題歌/挿入歌 山下智久
出演者ジョン・リンチ キャサリン・オドネリー 福士蒼汰 オリビア・モリス エンリケ・アルセ ホヴィク・ケウチケリアン モー・ダンフォード ジョゼフィン・ネルデン ティエリ・ゴダール ノラ・リオス

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福士蒼汰さんも出演しているHulu独占配信『THE HEAD』のSeason2の宣伝用イラストを多数担当させていただきました!



❶超わかる四コマ!
僕は事前にドラマを全話観せていただきました。
犯人が誰かがわかっている状態で↓こんなにものうのうと「犯人は誰だ!」みたいに描いたモンだと思います。。
全話見終わって(あ、全話配信中です
https://www.hulu.jp/static/thehead/)犯人を知っている方からすると「この人どんな気持ちでドーンチューとか描いてるんだろう」と思うことでしょう。。




❷キャラクター紹介イラスト!

キャストは20名くらいいるんですけど、主要キャラは以下の9名。この中に犯人がいるんでしょうか???


❸相関図!
これを見れば一目瞭然!このうち何人が殺され、一体誰が殺したのか。。



❹非売品オリジナルトートバッグ!

キャラクターイラストの下書きをしている段階で、自分で言うのもアレですけど評判が良くてですね。。イラストを使ったトートバッグの製作が決まったのです。嬉しくて嬉しくて。
インクジェットプリントじゃなくて多分ちゃんとしたシルクスクリーン印刷なのです。
ぺったりとインクが付いている風合いがとてもかわいいんですけど、
細い線や細かい白ヌキには向かないので、
線をシンプルにしたり太くする作業が必要でした。
それが割と大変でしたね。
せっかく頑張って顔を似せてたのに線を少なくしなきゃいけなかったので。
仕上がりが不安でしたが
サンプルをいただいたり見事な印刷でした!素晴らしい。可愛い!
ファンの皆様に当たりますように!




❺第3弾キャンペーン「『THE HEAD』サバイバルパートナー占い」期間:2023年7月29日(土)~2023年8月31日(木)


非売品オリジナルトートバッグは抽選で30名様に当たります。↑上記のリンクより「『THE HEAD』サバイバルパートナー占い」をやってシェアしてください。


❻感想
「日本の俳優が海外ドラマに出演!」ってニュースを観ると不安な気持ちになったり、
勝手に日本でのネームバリューに合わない小さな役なんだろうなまた…と予想して寂しく思ったりしますが、
今回の福士蒼汰さんは大活躍されておりました!
英語ペラペラなんですね!
スタイルもいいですし、力んでないフワッとした存在感が素敵でした。
今の若い俳優さんはすごいですね。。
気負っても固くならないというか。自然体で。
出演者さんは皆さん素晴らしかった。
全体の演出がとても良かったんだと思います。
短い時間しか出ない人(すぐ殺されちゃう)にもちゃんと奥行きが見える演技・演出でしたし、
映画の世界市場でも活躍できるに違いないと思える演技を見せてくれる俳優さんばかりでした。
ミステリーとしても僕はまんまと騙されましたし、、伏線回収と言いますか、前半で長々とやっていたアレがラストで活きて来るってのがさすが!
配信ドラマが世界で同時配信される時代ですから、ここまでの水準じゃなきゃヒットしませんからね。
ちゃんとした海外ドラマを見たなぁという充足感がありました。



映画『君たちはどう生きるか』この〝戦前〟の時期に〝君たちはできる!〟と。

2023-07-27 | 映画感想
君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)上映日:2023年07月14日製作国:日本上映時間:124分
監督 宮崎駿
脚本 宮崎駿



何を感想として書こうか、、まとまらんわな。。

目次

  1. とにかくここまで何の事前情報もなく映画館で映画を観たのは初めてだったかと。
  2. 僕は1978年生まれで、ジブリは『魔女宅』から映画館で観てます。11歳のとき。
  3. 原作の『君たちはどう生きるか』は読んでません。ウィキで調べました。
  4. 『君たちはどう生きるか』は↑この考えとは逆ってことですね。
とにかくここまで何の事前情報もなく映画館で映画を観たのは初めてだったかと。
全部のシーンを映画館で初めて観た。
ポスターの鳥以外のキャラも全部初めて観た。
で、ほぼ満席にさのあの広い客席の全員がおそらくそうだった。
みんなで初めてのものを観た。
ってのが、異質な経験だっなぁと思います。
**
僕は1978年生まれで、ジブリは『魔女宅』から映画館で観てます。11歳のとき。

めちゃくちゃ好きなわけでもないけどなんだかんだジブリと共に生きてきた感はあります。
その高畑勲がすでに亡くなっており、宮崎駿はさすがにさすがに長編はこれでラストでしょう。
「あ〜、最後なんだなぁ」とエンドロールで宮崎駿という文字を見た時グッと来ました。 
**
原作の『君たちはどう生きるか』は読んでません。
ウィキで調べました。


本書は軍国主義による閉塞感が高まる1930年代の日本において、少年少女に自由で進歩的な文化を伝えるために企画された「日本少国民文庫」のうちの1冊である。
つまり、第二次世界大戦の前に
「なんかまた戦争やる機運になってるけど…」って気持ちで発行された本。
で、『君たちはどう生きるか』については以下のような批判があったと。

イスラム法学者の中田考が2018年7月に書いた『みんなちがって、みんなダメ』には『君たちはどう生きるか』への反論が含まれている。
中田は、どう生きるのかを自分で考えて決定することができるという本書の論理に否定的であり、そこに「自由の幻想」を見る。
「できもしないことを、できる、と自分の身の丈に合わないことをしようとすれば失敗するため、さらに承認欲求が満たされなくなる。ダメでちっともかまわないんです。宗教の場合は、ダメというのは神の前での謙虚さに通じます。」と彼は述べている。
つまり、
「なんでもできる!」なんていう自由な発想は幻想であり、
到底不可能な夢を見させて若者を失敗させると彼らの承認欲求を満たせなくなる。
そもそも「自分はダメだ」という謙虚さこそ神の前では必要なことだ。
と。
『君たちはどう生きるか』は↑この考えとは逆ってことですね。
宮崎駿は↑この考えと逆ってことでしょう。
**
つまり宮崎駿は最後の映画で
この〝戦前〟の時期に
〝君たちはできる!〟と
若者に伝えようとしたんですね。

ホラー映画『Pearl パール』『オズの魔法使い』をベースにした

2023-07-27 | 映画感想

Pearl パール(2022年製作の映画)Pearl上映日:2023年07月07日製作国:アメリカ上映時間:102分
監督タイ・ウェスト
脚本タイ・ウェストミア・ゴス
出演者ミア・ゴス デヴィッド・コレンスウェット タンディ・ライト

舞台は1918年。



スペインかぜによるパンデミックが起きていて、マスクをしたり町に行かないようにしたり家に帰ったらシャワーを浴びたりしている様子は
完全にコ□ナ禍と同じ。
第一次世界大戦は、
□シアのウクライナ侵攻などでまさに世界が戦々恐々としている今と同じ。
この映画の主人公家族はドイツ系ということでアメリカで隠れるように生きている。
属性による差別は今でも全〜然余裕で起きている。
**
『オズの魔法使い』をベースにしたホラー映画とのこと。
↑まずこの面白さですよね。
テクニカラーという昔の映画のカラフル(『ラ・ラ・ランド』の感じ)な画面で
無垢な?純真な?雰囲気の中で
歌い踊りつつ殺す、という。。
**
ま、思ったよりもスプラッタではなかったし、そんなに人数もいかなかったので、
ジリジリとした怖さを特に前半は楽しむのが吉でしょう。
**
全体的に上品でオシャレな感じがしました。
ゴア描写もそれなりにあるし
実在する最古のハードコアポルノ『A Free Ride 』(1915)の映像も流れるので
上品っていうのもナンですが、、
なんか下品さというか、ダサさがないんですよね。
すでに申しました通り、殺しの人数も少なめだし、これ見よがしにショッキングな映像も少ないかと。
**
主演のミア・ゴス(29歳)が脚本も描いている点も素敵
自分がプロデューサーになってる『それでも夜は明ける』で一番良い人の役をやったブラッド・ピッドとか
自分が監督をした『アリー/ スター誕生』でレディ・ガガを抑えて自分に美味しいシーンを何個も作ったブラッドリー・クーパーとか、
男性俳優はこういうことをよくやってきたイメージがある。
女優もバンバンやって欲しいわけ。
マーゴット・ロビーみたいに。
今作のミア・ゴスはやりたい放題だもの。
ラストの顔芸凄いよ。
翌日顔が筋肉痛だったと思いますよ、あれは。
応援してますっ!

映画『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』アニメ映画の最高到達点なのでは!

2023-07-16 | 映画感想
スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)Spider-Man: Across the Spider-Verse - Part One上映日:2023年06月16日製作国:アメリカ上映時間:140分
監督 ホアキン・ドス・サントス ケンプ・パワーズ ジャスティン・トンプソン
脚本 フィル・ロード クリストファー・ミラー デヴィッド・キャラハム
出演者 シャメイク・ムーア ヘイリー・スタインフェルド


前作『スパイダーマン:スパイダーバース』を観ておくべきだった。。
必須だった。。
観ながら「あ〜そうだっけ…」「あ〜なんか…」とギリ思い出すシーンが多かった。
無念なりっ!

**

映画会社はソニーなんですね。
ソニーの子会社となっているコロンビアピクチャーズ。
でもなんかディズニーやらピクサーやらと提携やら合同会社やら作っててもはやどこまでが何かわからない。

**

普通になっている自分。
このアニメ表現が普通になっている自分がいる。
アメコミの描写のままアニメとして動いてることに驚いた前作ももう5年前。
傑作『THE FIRST SLAM DUNK』もあったし。

**

とは言えそこに必死になっているだけの映画ではないとこがさすがにすごい。
この物語は設定がまずめちゃくちゃ難解だし、
展開も難解だし
キャラクターも難解。
めっちゃ喋りはするけど
説明セリフじゃなく自然な会話でなさせれるので、うるさくないし理解しやすい。
そして、ギャグも決まる。
そして、アートワークも最高だし。
で、音楽もかっこいいときたもんだ。。
サントラ買いましたっ!

**

アニメ映画の最高到達点なのでは!
ただ、話が難しすぎて理解ギリギリ。。
あぁ前作見とけば良かった。。

映画『逃げきれた夢』極上。現時点で今年ナンバー1!

2023-07-16 | 映画感想

逃げきれた夢(2023年製作の映画)上映日:2023年06月09日製作国:日本上映時間:96分
監督 二ノ宮隆太郎
脚本 二ノ宮隆太郎
出演者 光石研 吉本実憂 工藤遥 杏花(柴田杏花) 岡本麗 坂井真紀 松重豊 光石禎弘 


極上。極上。ありがとうございます!


全ての要素が極上の中、突出しているのは芝居ですね。

芝居について評価するなんて
おこがましいことは100京も承知。

冒頭の光石研のワンシーン長回し1人喋りからして極上。
至福。
人間味溢れて溢れて。
技術も経験もあってのことはわかりますが
とにかく人が素晴らしい。
人の素晴らしさが伝わる。

**

妻役の坂井真紀も娘役の工藤遥も素晴らしいんだけど、
火星いっちゃってるくらい素晴らしいのは
旧友役の松重豊とのやりとり。

極上ったらないわけ。
なんでこんなに極上なのか、僕にはわからないレベルです。

**

どっちにもどこにも転ばない話。


この話、どこにもいかないんです。
光石研が演じるのは〝忘れていく〟病気が発症した男。
アルツハイマーですかね。

でも、病を乗り越えようと奮闘したりもしない。
受け入れて静かに暮らすわけでもない。

周りに助けを求めるわけでもないし
誰にも言わないわけでもない。
ひたすらにどこへもどっちにも行かない。

**

「男性映画」なのでは、と思いました。

女性映画は多いけど、男性をちゃんと描いた男性映画は多くないかと。

働いて家に金を入れることが最低限ラインとされている男性という生き物。
それ以外は点では、だいたいの一般男性は、キモくてうざい生き物。

で、今は最も〝反省〟が求められている生き物。
男性であることで特権が与えられていて
知らぬ間に女性を踏みつけていて
他のマイノリティに対して意識を向ける土台がない。

ちゃんとした会社ほど大人のヘテロ男性は反省を求められているし、
ちゃんとした社会人ほどちゃんと反省しようという意識を持っている。

金を稼ぐ労働力としてハードモードで働いてきて、尚且つ反省もある程度せねばと実感できている。

これからの新しい〝男性〟映画だと思いました。

**

「こうだ」「ああだ」と答えを出して、そっちに歩いて行ったりできないのさ。

もうわかんないの。

「そのままの君でいい」とさえ言えない。
「後悔のない選択をすればいい」とも言えない。
「後悔したっていいんだ!」ときっぱり言うこともできない。
な〜んにもハッキリ言えない。

**

でも、私もあなたもすでに生きて、ここにいる。
生きてここにいるものについて、
良いだの、悪いだの、ああすべきだの、こうあるべきだの、言えない。

**

目の前でこの世界に生きている人を
自分と同じ人間として見る前に
理屈で「こうだからああでそうで、だからダメだ!」と決めつけてしまっているまさに今っ!

決めつけて、今生きてる人を切り捨てることができちゃっている
まさに今っ!
観るべき映画かと。

映画『モロッコ、彼女たちの朝』終盤の白眉 どうして隠れて生きなければならないの

2023-07-13 | 映画感想
モロッコ、彼女たちの朝(2019年製作の映画)Adam上映日:2021年08月13日製作国:モロッコフランスベルギー上映時間:101分
監督マリヤム・トゥザニ
脚本マリヤム・トゥザニ
出演者ルブナ・アザバル ニスリン・エラディ



てか、原題『Adam』なんだ。。

***

WOWOWで録画してあったのを何回かに分けて観ました。
正直前半3分の2くらい眠くて。。

キャラが割と定型だし
とくに子役(女児)がほっこり楽しいパートでしか機能していないのはちょっと😢でした。

この子にとっては母のお腹にいる子供が、生まれる順番によってはもしかしたら自分だったかもしれないんだけど、
あまりその辺の感じは描かれないし、
子供らしいわがままや不機嫌な振る舞いをすることもなく、ただただほっこりパートで活躍するだけの女児でした。。

**

しかし終盤、生まれてからが白眉!!!
赤ちゃんがかわいいのなんのって。。
可愛いけりゃ可愛いほど残酷なわけで。。
セリフはかなり少なく、
映像でじりじりと追い詰めていく。。
なぜこの子は祝福されて生まれなかったのか。
なぜ隠れて生きなければならないのか。
狂った社会の中では、
かけがえのない命がありえないほど軽い。

 映画『エスター ファースト・キルエスター ファースト・キル』ネタバレあり エスターの男の好み

2023-07-13 | ネタバレあり
エスター ファースト・キル(2022年製作の映画) Orphan: First Kill 上映日:2023年03月31日製作国:アメリカ
監督 ウィリアム・ブレント・ベル
脚本 デイビット・コッゲスホール
出演者 イザベル・ファーマン ジュリア・スタイルズ ロシフ・サザーランド


え、エスターを演じたイザベル・ファーマンは撮影時には24〜5歳??
30歳半ばくらいに見えたんだけど。。。

***

どうしても30歳半ばの女性が子供に見せようと頑張っているようにしか見えなかった。。
基本全身を映さないし、
全身映すときはほんとの子供を使って撮ってるからやっぱそこでも「子供のサイズってこれだよね…」って思っちゃうし。
大人と一緒に映るときは膝立ちしてんのかなと思ったら面白くなってきちゃうし。。
で、やっぱ腕が長いんよ。。
頑張って低身長に見せようとしてるんだけど、腕だけ突然長い。。
まぁ顔も老けてるんだけど。。

***

エスターの好みの恋のターゲットが今作はロッシフ・サザーランドで、前作はピーター・サースガード。


ピーター・サースガード



ロッシフ・サザーランド

眠そうなイケおじがタイプなのかな。

***

今作のポイントは、本物のエスターが兄に殺されていたこと。
それを母(と兄?)で隠蔽して、エスターは失踪した設定になっていた。
そんな中で「はい、エスターです」って感じで出てきたから母はびっくり。
でも娘が帰ってきたことで、夫の精力が復活したので、母はエスターとの共同生活を続けることにする。
映画の半分くらいでこの展開になるので
「あ、これは面白いぞ」と思ったんですが
なんかコメディチックになっていくし
結局お互いどうしたいのかがわかんなくなっていって
サスペンスとしてもイマイチな感じに。
***
ラスト、なぜか屋根に登るエスターと母。
ずるっと落ちて屋根のヘリに2人仲良く並んでつかまる。
(↑ふざけてるでしょ)
そこに帰宅した父。
「軽い方を先に」みたいな感じでエスターを先に助けてると
その間に母は転落し、死亡。
「お〜良かったなぁ助かってぇ」ってエスターのほっぺをグリグリしていたら
エスターの入れ歯的なものが取れてしまう。
エスターは大人の歯に生え変わってしまっていたのを隠すために子供の歯の入れ歯(?)をしていた?
その入れ歯だけで突然全てを把握した父。
「誰だお前は!」っつってドン引きしてると
「愛してるの!」とエスターが近づいてきて
後退りした父も転落。
ちょうど母の横に並んで2人で死亡。
「誘拐されて、今は孤児。可哀想なエスター。でも彼女を養子にもらいたい人はたくさんいるわ」と女医。
終わり。

***

屋根のシーンでは、父は母の方を先に助けて欲しかったかな。
で「えー!ショック!」みたいな感じでエスターが邪魔をして、母は転落死。
「薄々イヤな感じはしてたけどお前なんなんだ!」って父がブチギレてきて
「愛してるの!」っつって父も突き落とす。
ってのが良かったかな。

胸糞悪映画『オオカミの皮をまとう男』

2023-07-11 | 映画感想
オオカミの皮をまとう男(2017年製作の映画)Bajo la piel de lobo/The Skin of the Wolf製作国:スペイン
監督 サム・フエンテス
脚本 サム・フエンテス
出演者 マリオ・カサス  レーヌ・エスコラー  ルス・ディアス


鼻呼吸映画。

**

美男美女過ぎ。
これ見よがしなんよね。
ベビーベッドを抱きしめるのとか。
悔し涙ポロリとか。

**

なんで女を連れていくかっつったら
子供を産ませるためで
なんで子供が欲しいかっつったら
自分がやってきたことを引き継がせたいから。
胸糞わりぃ!
**

狼の皮を剥いだり、皮をなめしたり、肉を解体するシーンも一応あるんだけど
全然動作に説得力がない。
『ゴッズ・オウン・カントリー』とかですでに本気のシーンを観てるので、
逃げているように、
誤魔化しているように、
「どうせ観客はわかんねぇだろうよ」と思っているかのように感じてしまう。

**

山の暮らしの過酷さをもっと誠実に描いてくれていたら
動物の皮を剥いで売って生活してることの◯◯さを描いてくれてたなら
もっと感じるものはあったと思う。


映画『⻘いカフタンの仕立て屋』ラストネタバレ 同性愛は3年の禁固刑が課せられるモロッコで 

2023-07-09 | ネタバレあり
⻘いカフタンの仕立て屋(2022年製作の映画) Le bleu du caftan/The Blue Caftan 
 上映日:2023年06月16日
製作国:フランス モロッコ ベルギー デンマーク
上映時間:122分 
 監督 マリヤム・トゥザニ
 脚本 マリヤム・トゥザニ 
出演者 ルブナ・アザバル  サレ・バクリ  アイユーブ・ミシウィ


傑作・名作!

カフタンって知らなくてなんとなくカフスボタン的なものを想像してましたが、
トルコの伝統衣装のことなんですね。

シルクっぽい美しい極上の布に
気が遠くなるほど細かい刺繍や
金糸の装飾のついたオートクチュールの高級品。

それの仕立て屋が舞台。

**

既製品の波に追いやられていて
若い人も職人になりたがらない伝統的な世界。

そんな伝統的な舞台で描かれるのは、人間の自由についてのお話。

「伝統イラネ」とか「古いものイラネ」なんて事言わなくても
人間の自由を高らかに描くことはできる。

LGBTQプラスに平等の権利を与えることと
伝統を壊すことはいちいち結びつけて考えなくていい。

**

と・に・か・く・映・像・が・素・晴・ら・し・い!


冒頭の青い生地の滑らかで冷ややかなグラデーションがもうもう素晴らしい。
この映画間違いないわ!と確信できたスタート。

しかもこのクオリティが最後までずっと続く。

夫と若い職人が惹かれあっちゃうわけなんだけど、映像だけでギンギンのビンビンに伝わるわけ。
はっきり言って全シーンエロいのさ。

エロいシーンはぶっちゃけほぼないんだけど
(個室シャワーの足くらい?)
ずっっっとエロエロ。

しかも上品なんですよ。

**

キャラが素晴らしい。
妻は気づいてるんですよ、最初っから。
すぐ気づく。
視線1秒で気づいちゃう。
(おそらくずっと前から気づいていた)

妻がどんな気持ちなのか、
夫がどんな気持ちなのかはわかりません。

想像することはできるし
きっとこうだろうと書くこともそりゃできますよ。

でもしたくない。
せっかく2人が押し殺している、相手を傷つけないようにしているのを、僕が明かしてしまいたくない。。
(なにそれ)

**

女性映画でもある。

けしてよくあるゲイ2人に挟まれた女、ではない。

変に理解があったり
異常に差別的だったり
途中で映画から消えたり
最終的には急に味方になったりと
ゲイ映画の中で便利に使われる女性キャラなんかではない。

ひたすら自分の意思で強く美しく生きる。

**

若い女性客が布を選ぶときに
「このピンクの布はどうですか?」と聞くと
若い女性客は
「ピンクかぁ…」的な感じで結局布を選べずに店を出ていく。

そこでこの映画のタイトル、青いカフタンが効いてくるわけですよ。

**

終盤、僕は「さっさと青いカフタン作れよ!」と思っちゃってました。。

夫が全然青いカフタンを完成させねーわけ。
何をしとるんだ、サッと仕上げて他に大事なことに集中すべきだろーよ、と。

浅はか!俺!

**

ラストネタバレは以下に!







青いカフタンは妻の死装束用でした。 
若い頃に結婚式ができたなら青いカフタンが着たかったって妻は言ってたもんね。

 夫は客に売るようだった青いカフタンを妻の葬式で妻に着せるつもりでずっと手元に置いていたんですね。。
 「もうミシン使ってください!」って思うくらいの繊細で細かい刺繍。
 気が遠くなるほど手間がかかる。
それを妻の死装束に。。

 **

 妻の友人が亡くなったとき 伝統的な葬儀で送られる彼女を見て 「彼女は悔しがってると思うわ。ダンスが好きだったから」と嘆いていた。 
おしゃれで先進的だったのにあんな最後だなんて可哀想だ、と。

 夫はそれをちゃんと聞いていたんですね。

 妻が死んだ後、思考停止したような慣習に沿った葬儀から棺に入った妻を脱出させる。

 白装束を脱がして妻に青いカフタンを着せる。
 そして夫と若い職人のふたりで、棺を担いでいく。

 ** 

妻は死の直前、夫に言っていた。 
「愛することを恐れないで」
 ↑これもどういう意味かは決めてしまいたくはない。

 そりゃきっとこういう意味だろうというのはある
 夫と若い職人の関係を妻はめちゃ気づいていたんだから。 

だけど、この彼女の美しい言葉の意味を、僕が勝手にこうだろうと決めたり予想したりしたくないんよねぇ。
 それくらいにこの妻がめちゃくちゃ1人の人間として自立した存在だった。

 素敵だったぁ。
 素敵すぎるっていう難点もあるんだけど 
ピンクの布がなくなったのを若い職人のせいにしたんだけど実は自分せいだったってのを気づいたんだけど隠していた事件、とかもあって 一点の曇りもない素晴らしい人物ってわけでもないことにしていて上手い。 

ただ、それも後になってちゃんと謝るからね。
 結局全然人間らしいわけ。
素敵なわけよ。 

素晴らしい映画でございました!

映画『怪物』この映画の外にいる観客も薄っぺらい加害者だと言いたいのでは ラストネタバレあり 

2023-07-02 | ネタバレあり
yuzukaさんのこちらの記事(https://note.com/yuzuka_tecpizza/n/n3f54976b4247)と
この記事を広めたドリアン・ロロブリジーダさんのツイートを含めての「5」です。

映画ってここまでのことができてるのか、実は。
と心を強くさせていただきました。

どんなにいい映画が生まれてもそれを観た人が受け取ってないなら、虚しいですからね。
このようなリアクションがあるのは嬉しい。

**

実はちょっとひっかかったのは、
この映画の端っこにいる人たちが割と単純な加害者として描かれていたこと。

先生のカノジョや同僚、先輩。
小学生のクラスメイトたち。
(野呂佳代さんはご本人の好人物ぶりによってそうは見えなかった)

いずれも結構イヤな奴として描かれたままだったのがイマイチだなあと思っていたのですが、

脚本家の坂元さんが反省の気持ちで書いた的なことを言ってらっしゃったので
おそらく坂元さんはクラスメイトのひとりだった?
もしくはモブ的に映画の端にいた人。

その頃の自分を〝言い訳せずに〟加害者として描いたのでは。

**

当然ながら映画の中心人物ほど多面的に色濃く描かれる。
端に行くほど薄くなる。

そのグラデーションで言うと、この映画の外にいる〝観客〟も薄っぺらい加害者だと言いたいのでは。

怪物は誰……っていうことにも繋がるし、
ラストについてもさらに強烈になる。

**

ラストネタバレは以下に!!!





検視シーンも葬式シーンもないし 
頭に三角の布もつけてないので 
あの子供2人が「死んでない」と言うのも自由ですし
 死んでないと思いたい気持ちもとてもわかります。 

「生死については判定不能」という意見なら理解できます。

 が、死んでるでしょうよ。あの子供ふたり。

 母と教師は電車の上部から窓を開けて子供らの名前を叫んでいました。
 あの電車の上部に窓はない。 電車は横転してる。

 あの安藤サクラの叫びからは「あ!動いてる!生きてはいる!」という感情は入っていなかったと思う。
 でもこれは僕の受け取り方。 

子供らは、電車の窓的なものを抜けてトンネルの中に移動しましたよね。(そのあとトンネルから外に出た) 
位置的にさらにおかしいですよね。

 電車がクルクルクルクル横転してトンネルの近くまで動いたってこと? 
それでも窓とトンネルが通じてるのはおかしいし、
 仮にそんだけ横転してたら、、やっぱ死ぬよね。。

 窓が上部にある時点で電車は横転してる。
 てことは怪我はしてるでしょ、めちゃくちゃ。

でもあの2人は怪我などいっさいなく草むらで飛び跳ねてた。
 安藤サクラも瑛太もいない。
 パラダイスみたいな描写でした。
 天国ですかね。 

「生まれ変わったのかな?」 
「そんな感じしないね」
 死んだんですよ。

 死んだら生まれ変わって〝正しい自分〟になれるかも?
 なんていう危険な思想を是枝&坂元コンビが伝えると思います??? 

この映画見て「生まれ変われるなら!」って思っちゃう子供が1人でも増えたらヤバいっしょ。

 あの2人はクソな現実から逃げて2人だけのユートピア(あの電車内)に追いやられた。
 あんな危険な場所をユートピアにするしかなかった。 

外の世界が地獄だから。
 あの2人を受け入れない世界だから。
世界があの2人を拒否してあの2人は追いやられて、死んだの。

 僕に言わせれば〝殺された〟。 

僕がこの映画に出ていたら ラストシーンでカメラ目線で
「てめーらが殺したんだよ!」と叫ぶ謎のおじさん役を演じてました。 
でも是枝&坂元映画なのでそんな役はありませんでした。