映画感想(ネタバレもあったり)

映画コラム/映画イラスト

映画『エンジェル、見えない恋人』ラストネタバレあり 透明人間の恋 

2020-08-29 | 映画感想

 

あ〜、いいっすねぇ。


エンジェル(透明人間の男の子)は
母親から「静かにして隠れていなさい」と
言われて育つ。

母親はエンジェルの存在が世間に見つかったら迫害を受けると思ってる。
(たしかにそうでしょうよ)

まぁ母の愛としてわからなくはないね。


**


だから服着ないのさ。エンジェルは。

自分が異様な存在であることを自覚させられちゃうから。

自分が服着たら空中に服がプカプカ浮いちゃうんだから
そんな惨めな思いをしたくない。


化粧したりペンキかぶったりすれば自分の存在は証明できるけど
証明したくもないわけ。

いなくていいわけ、自分なんて。

いるって証明しても、いないみたいなもんなんだから。
住民票もないしね。


**

 

あらすじ


透明人間君(エンジェル)にはカノジョがいるけど
彼女は目が見えない。

だから、彼氏が透明人間ってことに気づかない。


なんだけど
彼女は大人になる前に視覚を取り戻す手術をする。

透明人間君はそれを止めるわけにもいかず
「あ〜これで恋も終わりか、そりゃそうか、この恋がずっと続くわけねえか」
と姿を消す。

数年後、
視力が戻り美しい大人の女性になったマドリンは
幼少期に仲の良かったエンジェルという不思議な存在の男の子を忘れていなかった。

そして、2人は再会するが、
という話。

**

性から逃げない


手作りおとぎ話感がいいですね。

実際はCGも多用されてるようですが、特殊効果が可愛らしくて、この作品のトーンに合致している。

**

それでいて
性から逃げないのがフランス映画っぽい。


セックスシーンにもいやらしさがないし
「エロシーン入れたれっ!」という制作のいやらしさも感じない。


**

いいっすね、こういう映画。

ちょっとイマイチなのが続いたので、ホッとしました。

ラストネタバレは以下に。

 



2人は再会するも
エンジェルはずっとマドリンに「目をつぶっていて」と指示。

ああそうってな感じでマドリンはエンジェルといるときずっと目を閉じてる。


「さすがに顔見たいんだけど」ってことになって
「まぁそうだよな」ってことで
マドリンに目を開けるように指示。


目を開けると誰もいない。
でも息遣いや匂いや存在感はある。
手を伸ばすと体。

マドリン、恐怖の表情。

そりゃそうなんだけどエンジェルはショックを受ける。


さらに色々あって
「僕がいなくても幸せに暮らして」と言い残して
エンジェルは湖で入水自殺を試みる。

それを見ていたマドリンが飛び込みエンジェルの命を救う。

互いの人生に必要な相手だと確信した2人は結ばれる。


化粧したら顔わかるんじゃないってことで軽く化粧。

うっすらとエンジェルの顔がスクリーンに映される。

2人は透明な体を活かしたマジックショーで暮していく。


マドリン、妊娠&出産。


子供は透明じゃない。

家族写真。
マドリンと宙に浮かぶ赤ちゃん。そして透明人間。
ここまできてもエンジェルは服着ないんだね。
まったくエンジェルってヤツは。

おわり

 

 


映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』 ラスト大逆転のアイデアを 

2020-08-22 | 映画感想

本家『サニー 永遠の仲間たち』をどうぞ観てください。

**


1987年生まれの渡辺直美と1973年生まれの篠原涼子が同い年なんですと言う世界。

(年齢差があることは問題ではない)

1978年生まれの僕は
この映画の主役たちと同じ世代ってことになる。


僕は
「昔は良かったんだよ」って死んでも若者に言いたくない。

「昔の不良は分別があったけど、今の若い子はそこらへんわかってないよね」
的なことなんて、
マ・ジ・で・最・悪!!

(実際この映画にはドラッグと飲酒やるギャルが出てきて、ドラマチック要素として利用するじゃん)


自分がそんなような世代かと思うとほんとゲンナリ。。

**


この映画は、前半延々とこれ。。


ウンザリですよ。。


自分が歳とってオッサンになるのはしょうがないけど

『「今時の若い子は〜」ってセリフを篠原涼子に言わせときゃ、この世代は喜ぶんだぜ』

って思われてるかと思うと虫唾が走る。


今も昔も若者は必死だしバカなんだよっ!


って怒る必要もないか。。


**


さて
3分の2過ぎてから、
ともさかりえが出てきてからやっと面白い。

ともさかりえ。ワンシーンで笑ったし、怖かったし、泣けた。。


ライバル(鰤谷)の暴力が本格化してからやっと面白い。


**


「ドラッグにハマってセリカに捨てられて、挙句にいじめ…?ダッセ…」
って言い捨てられる鰤谷の物語が観たい。

**


かと思っていたら
また
「安室ちゃんかけときゃ喜ぶんだろ」的なぬるぬるエピソード。。。。

**


からの
「友達だろっ!」っつって鰤谷が広瀬すずにドラッグ飲ませようとふるシーンとか最高。

すげえ全員めっちゃ泣いてる。
『ミッドサマー』じゃん。

**


ともさかりえ、素晴らしいなぁ。







ラスト大逆転のアイデアは以下に








あんだけ物語の盛り上がりに利用した鰤谷をラスト、板谷由夏の葬式に呼んでよ。

板谷由夏だって鰤谷のことずっと気にしてたはずでしょ。

ドラッグ漬けから更生できたのかなぁって
みんな心配してたはずでしょ。

だったら探してよ。

んで、ラスト鰤谷も入れて踊ってよ。

このままじゃ鰤谷は地獄のまんまじゃんっ!

 

 


 映画『ドロステのはてで僕ら』 ラストネタバレあり どうやって撮ったの!?高い技能と気合とチームワーク!

2020-08-19 | ネタバレあり




『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』とか
『1917 命をかけた伝令』などと同じワンカット〝風〟ではありますけど、十分長い。

そこにテレビの録画の再生(過去と未来)が絡んでくるので、、、「これどうやって撮ったの???」とドキドキしながら観ました。

どうやって撮ったのか知りたくてパンフ(なんか劇場では売ってなかったのでオンラインで入手)を読むと、
どうやらただただ頭を使ってただただものすごい技能と気合とチームワークで作ったようです。。

秒単位どころか、0.1秒単位で決まっているセリフと動きに合わせて、アンサンブル演技して、しかも長回し、、ですよ。。。





これこそが劇団の強みなのかと思いました。

普段から意思疎通が取れて、信頼し合っていて、お互いの技能も知っていて、自然と分担もできているからこそ、完成した作品なんだと思います。

今は1人でやろうと思えばだいたいのことはできちゃいますけど、やっぱりいろんな個性を持った人間たちが集まって切磋琢磨して、何かを作ることの威力を感じました。

脚本も素晴らしい!

登場人物と観客は映画の設定を同じタイミングで知っていきます。

なので、架空の商品「ドロステレビ」について観客が疑問に思ったことを、あんまりタイムラグなく解決してくれないと、観ていてイライラする。

逆に観客がもうわかってるのに登場人物がまだわかっていない、っていう時間が長いとこれまたイライラする。。

ちょうどいい塩梅で前半の設定説明タームも乗り越えました。

だからこれはすでに舞台で演じた演目なのかと思っていました。本当に脚本が素晴らしかったので。

まさかこの映画のために書かれたものとは。。信じられない。。





設定と人物を紹介して、話を展開させて、人物の関係性も一旦ぐちゃぐちゃにしたら、、今度はそれを畳まなきゃいけない。

タイムトラベラー物にはつきものの「やっちゃいけないことしてる感」がずっとあるので、それを解消してくれなきゃいけない。

それもお見事でした。



やっていることは壮大でものすごく困難なことだったけど、「小さなカフェでの〝すこしふしぎ〟な一夜」の話に落ち着かせたところがホント上品。



ラストネタバレは以下に。






「決まっている未来から逸れちゃだめ」「パラドックスを起こしちゃダメ」というのが、この映画全員の共通意識。

未来を知っちゃったらその通りに動かなきゃいけない。(動かされちゃう、って感じもありますかね)





ドラえもんでもお馴染みのタイムパトロールが登場し、2台のテレビについて「時空のひきつれのせいでワーム干渉を起こしている」と説明。

すでに2人のタイムパトロール(時空局)はカトウとメグミ以外の全員を気絶させて記憶を消している。

カトウとメグミは「事態を収束させようとしたから」ということで、(光線銃を売って気絶させるんじゃなく)自ら記憶忘却剤を飲ませられることに。

カトウ「飲まないっていう選択肢は?」

タイムパトロール「ないです、ほら飲んでるし」

未来テレビには記憶忘却剤(粉薬)を飲むカトウとメグミの姿が。

ぴったり2分後にカトウとメグミは薬を飲まなければいけない。じゃないとパラドックスが起きてしまう。

カトウ、仕方なく薬を飲むふりをしてクシャミ。粉薬を吹き飛ばす。

メグミも「ダメですよ、気をつけないと」とクシャミ。同じように粉薬を吹き飛ばす。

結局間に合わず2人は薬を飲まなかった。

タイムパトロールの2人が消えていく。タイムパトロール「あ〜あパラドックス起きちゃった!」

**

カトウとメグミ、カフェのソファに座って良い雰囲気。今までの話を総ざらい。

未来のテレビにはカトウとメグミが。リモコンを持ってテレビを消す。これで未来は見えなくなった。

おわり

エンドロール。

エンドロールには撮影風景。めっちゃくちゃ大変な緻密な撮影風景。

からの最後の最後にこれは本当に書いちゃいけないことがありますので、劇場で!





映画『人情紙風船』ラストネタバレあり 山中貞雄の遺作 

2020-08-18 | ネタバレあり

『花筐 HANAGATAMI』の劇中で

「山中貞雄も『人情紙風船』が遺作とはなぁ」

というセリフが何度か出てきましたので
観ました。





山中貞夫監督。

第一次世界大戦で出兵して中国で病死。
享年28歳!!
若い。。。。。。。

20歳から脚本家デビューしてるのでかなり映画の本数は多い。


調べましたところ
相当の天才であり生きていれば世界的な名作を多数産んだはず、の監督とのこと。

**

まず群像劇として始まります。
誰が主役だかわかりません。


ていうか録音状態が悪いので
(古い映画はだいたいこうだから字幕つけて欲しい…)
セリフの3割は何言ってのかわかんない。。


大量の人物を動かして
江戸時代の貧しい長屋の世界を描きます。


**


イントロがいいですね。

ある朝、老人が首吊り自殺しているのを長屋の住人が発見する。

「侍なら侍らしく腹を切ればいいのに」
「貧しくて刀を持ってなかった」
「いつも腰に刺してたのは?」
「あれは竹光だ」
「竹光じゃ腹も切れねえ」

何とも切ない始まり。。


この映画は貧困の話なんだな
さらに、侍の魂を持った男が時代の流れにその魂を踏みにじられる話なんだな
と、なんとなく伝わります。


**


主役は2人の男。

マジメだけど古臭く生きる知恵のない侍(浪人)の又十郎。

色男で生きる知恵のある新三。


相容れなそうな2人は長屋の隣同士に住んでいる。

とくに交流はなかったけど
ある若い美女の誘拐事件を機に2人は結びつき
同じ運命を辿ることになる。

**


僕も映画見ただけでは全然わかんなくて、、、、

とくにラストの又十郎の妻の行動にびっっっくりしたんですが、、

いろいろ解説を読んで
あ〜なるほど、と。


**


リマスターと字幕版が観たい。。


**


出演者の名前を見るとほとんど歌舞伎の人っぽいですね。

市川とか中村とか板東とか。

顔がスッとしてる。
昔の人の顔に見えないんです。

ひとり完全に2代目中村七之助と同じ顔の人もいたりして。

100年近く前の人たちを見てる気しない。


歌舞伎の人たちが『半沢直樹』にいっぱい出てますが、この『人情紙風船』もそういう感じだったのかな。


古い日本映画って
嘘だろってくらい早口だったりしますが
これは結構現代のテンポで話してます。

**


ラストネタバレ
















新三も結局ヤクザに殺されてしまいましたね。
決闘のシーンや殺害のシーンを描かないのがオシャレでした。

又十郎を殺すのは妻。

侍であることに固執して、生きる力のない愚かな夫。
妻は絶望しながら暮らしていた。
ずっと不機嫌でしたね。
紙風船作りの内職をしておりました。

マジメなだけが取り柄(あとはイケメン)だったのに
新三の誘拐事件に関わって金をもらって「もう飲まない」と言っていた酒を飲んで酔っ払っている。

そこまでならまだしも

「毛利さまに父が書いた手紙を渡したから士官に就かせてくれるだろう」と言って又十郎は眠るが、

又十郎の着物からその手紙が出てくる。。。

手紙を渡し忘れたのか渡し損ねたのか知らないけど
手紙を渡すことすらできないこの夫。。。。


もういいや、、
もういいやコイツ、、
もういいや人生、、

と思った妻は短剣を握り
灯っていた行燈を吹き消す。

暗闇の中、夫の枕元に立つ妻の後ろ姿。


翌朝。

「心中とはなぁ」と長屋の住人たち。

長屋の脇の水路に紙風船が流れていく。

おわり



映画『この空の花 長岡花火物語』 ネタバレあり どうしてもテロップ入れたくなる! 

2020-08-14 | ネタバレあり

この空の花 長岡花火物語


(2012年製作の映画) 製作国:日本 / 上映時間:160分

大林宣彦監督作はこれで4本目!
ついに『この空の花 長岡花火物語』を観ましたよ。

ラスボスですか。これは。

「ラスボス」

もしかしたらほんとのラスボスは『その日のまえに』なんじゃないかと踏んでますが(冒頭で脱落しました…)。


***


この映画について僕ごときが何かを語るということほど愚かな行為はございません。

正気の沙汰じゃない。

「正気」

大林監督も正気が大事だとおっしゃっておりました。
だからこそ大震災のあと東北に足を踏み入れなかった、と。

「大震災」


***


僕にできることは、そう、四コマ映画を描くことですよ。

「四コマ映画」


四コマ映画『この空の花 長岡花火物語』→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2561 



あの、、、褒めて欲しい。
『この空の花 長岡花火物語』を四コマでまとめた俺を。

もちろんここに描き入れられたことなんてこの映画のホント一瞬でしかないし、
今回いつもよりコマもだいぶ大きいけれど!

もうね、ホントに、、褒めて欲しい。

「褒めて欲しい」


***


一応まじめに、思ったことを書いておくと、、、
この映画とてもデザイン的だなと思いました。

「デザイン」

あ〜どうしてもテロップ入れちゃうっ!


例えば、
映画の中で登場人物が戦時中の話をし始めると
ふと戦時中に生きていた人物が現れてセリフを言う。


普通の映画だと不自然なんだけど
逆に普通に考えると
戦時中の登場人物が思っていることはその人物が話すのが一番情報の効率がいい。

あと例えば
花火の櫓を組み立てているときに
主人公たちがシベリア抑留の話をし始めたのなら
さっきまで櫓を組み立てて現代の花火師と変わって
シベリア抑留の捕虜たちがいきなり花火の櫓を組み立て始めて
当時のセリフを話す。

それは、喜びの中で労働している現代の花火師との対比にもなるし
やはりシベリア抑留した捕虜の気持ちは彼ら自身が話すのが効率がいい。

この映画、もんんんんんんんんんんんんんんのすごい情報量なので
いちいち「そう、あのとき…」っつって回想シーンに移行してられない。

今、昔を思い出したのなら、その「昔」は「今」に引き戻されてここにあるんだから、「ここ」に出てきて貰えばいい。


「ここ」



**


なので、この映画、別にやっちゃいけないことやってるわけじゃないんですよ。
ものすごく理論的。
であり、自由な芸術でもある。

もうねえ、沼ですよ。
大林沼。


「沼」

さようなら。ズブブブ。。。。



ネタバレは以下に











痛いな!この雨、痛いな!



ジャガ芋っ!ヤーコン

戦争なんて関係ないのに

赤ちゃんには戦争なんて関係ないのに

模擬原子爆弾(ファットマン)長岡


焼夷弾 散開 散って開く
ナパーム(油脂ガソリン)

畑の中からまだ焼夷弾が出てくる

この辺では戦争は終わってないんです

なぜ長岡か
山本五十六の故郷だから

芋掘りしていた若い兄弟と
若い母親が死んだ
母親に抱かれていた赤ちゃんは吹っ飛んだことで生き延びた。
赤ちゃんには母親のもげた首がどろっとまとわりついていた


新潟への投下訓練だった
模擬原子爆弾は日本に49本投下されていた
それを知らされたのは平成になってから

新潟も投下予定地だった


日中戦争
出征するときに花火があげられた

アメリカからの攻撃を受けながら伝令
花火の中を走っているよう


戦後2年目から長岡の花火が上がる
復興を願って
10時30分
空襲と同じ時間に千輪菊を打ち上げた




まだ戦争には間に合う
長岡

次の戦争?
起こるかもしれないでしょ


母さんは勇気凛々


戦争なんて関係ないのに

やっぱりわたしは逃げていたのだ


実物大のファットマン
内部の爆発の仕組みは花火の仕組みと同じように見えた



声を届かせたいんです
元木花


東日本大震災のときは長岡は避難民を多く受け入れた
今度は助ける番だって



松雪泰子は被爆2世
戦争は関係なんて誰にも言えない


なぜあのときみんな死ななければならなかったのか

わたし知ってる(元木花)



人は死にます
誰でもいつかは
でも
でも
でも
でも
ばあちゃんから聞いた
おじさんから聞いた
おじいさんからも聞い
曾祖父さんからも聞いた
柿川でもきいた
長生橋でも聞いた
みんなは死んだんじゃない
みんなは殺されたんだ
戦争に
殺されたんだ

筧利夫 トライアスロン


京都も原子爆弾の投下予定地有力地だった。
文化財は世界の遺産だから文化財のおおい土地は攻撃を受けないと言っていたけど。

ピース
ブイサインは敵国を負かしての平和なんですね


空から見えればいいのにね
花(あかちゃん)が見えれば爆弾おとさないのにね

よく見なさい
これが人間のしでかすことだ
尾美としのり


綺麗だなっておもうのは一緒だと思う
長岡の花火は今までもそうだったんだと思います


もつひとつの原子力爆弾
生き延びた女性はいまだ存命
92歳
今井サミ




大人たちがやってきたことを間違いも含めて子供たちに考えてもらいたい


アムール川の花火
シベリア抑留の死者追悼花火



世界中の爆弾を花火に変えて打ち上げるぞ!



まだ戦争には間に合いますか


花だ
花だ
花火が上がる
大団円

かつて戦争がありました
かつて地震がありました
かつてたくさんの人が死んで
かつてたくさんの悲しみが宙ぶらりんになりました
故郷には行き場のない悲しみがひろがり
やらせない想いが溶け込みました
それでも故郷はもとにもどり
川は今日も流れています
それは希望 人の勇気  その人たちが胸に刻んだ体験を私たちは痛みを持って知りました
だから私たちは別の誰かにそのことをつたえます
まっすぐに祈りを込めて

花火がこんなに綺麗なのは夜が暗いから
花火が消えた後の夜には心の明かりが灯る

神様はきっときっとこのくらいの明かりで暮らしなさいとわたしたちに伝えてる

明るすぎる夜は心を壊すから

忘れないで欲しい
私たちはあなたを思ってる
忘れないで欲しい
わたしの隣にあなたはいる
あなたの隣にわたしはいる

この空に花を咲かせましょう
この空に花を
この空に花を

「わたし、失恋だってしたかった」花


「私たちやり直さなきゃいけないことがたくさんある」松雪泰子


あの日もこんなに晴れた空から偽物のファットマンが落ちてきたんですね。

人間が育たなきゃ生きることも育たないでしょ。


「村岡彰良さん、仲良くしなさいっ!」















この空の花 長岡花火物語


映画『彼らは生きていた』ネタバレあり 再現でも演技ないリアルな戦争

2020-08-14 | ネタバレあり



退役軍人たち200人がインタビューで語った言葉のひとつひとつがあまりにも生々しく、重く、歴史的な価値があるものだと思ったので、
それを。。。


四コマ映画『彼らは生きていた』→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2560




****



戦争映画いっぱい観てきたし、戦場のシーンもたくさん観てきましたよ。

『沖縄決戦』も『野火』も『ハクソー・リッジ』も『プライベートライアン』も観ましたよ。
どれも地獄でしたよ。


しかし、『彼らは生きていた』に映っているものは全部本当。
本当の戦争(しかも地獄の西部戦線…)

再現ではなくリアル。

ここに映ってる人たちが
本物の、
兵士であり、
ほとんどの人は殺され、
ほとんどの人は敵を殺し、
人によっては味方を仕方なく殺した。
本物の塹壕、銃剣、砲弾孔、何キロにも及ぶ鉄条網。
その鉄条網に引っかかる死体。
死体に群がり丸々と太るネズミ。。

特殊メイクではない銃創。
作り物ではない死体。

しかもカラー映像で。。

***


原題は「They Shall Not Grow Old」
日本語だと「彼らは年を取らない」とか「彼らは大人にならない」ですかね。

少年兵が多かったので、このタイトルなのでしょう。


この映画は200人の退役軍人からの600時間のインタビューと100時間のドキュメンタリー映像を、
時系列に並べて構成しています。

1914年の開戦から、
軍人募集、
軍隊の訓練、
フランスへの派兵、
西部戦線、
そして終戦まで。

ほとんど隙間なくインタビュー音声が続きます。
俳優でも声優でもない彼らの話し言葉は、淡々と朴訥としていて、それがすごく生々しいです。

その声で
「ドイツ兵を撃った。18歳くらいの少年で、かわいそうだったので水筒の酒を飲ませた。彼はありがとう、うまいと言って死んだ」
とか言うので、ひとつひとつの言葉が重い。。。。。。


***


で、、、、、、
これ、、、
すごく書きにくいんですが、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
この映画、、
面白いんです。。。

映画としてカタルシスもあるし、
笑いもあるし、
ラストには切なさや悔しさや虚しさでいっぱいになるし、問題意識も生まれ、
反戦の気持ちも強まるし。

129分。
観ている間もずっとドキドキしているし、観終わってからも受け取ったものの重みをズッシリと感じていられる。


***


映画のスタートは結構ほのぼのしています。
1914年、イギリスとドイツが開戦したところからスタートです。

イギリスは半年くらいで勝てると思ってた。

若い男性は入隊するのが当たり前だし、名誉なこと。
入隊しない男は臆病者扱いされた。

戦争が何かも知らない、何のためなのかもよく分からずに十代の少年たちも入隊した。

「入隊しよう!」「国のために戦おう!」「君が必要だ!」みたいな広告チラシが貼られ
映画館に行けば、入隊募集CMが流れた。

国のムードがそっちに行っちゃっていて、
ほとんどの人はそっちに流されざるを得なかった。


***


だんだんじわじわと怖くなっていきます。
これが「戦争」であることが分かってくるわけです。

昨日まで事務員だったり販売員だった普通の人たちも
自分が兵士へと変容していきながら
「あ、これ本当に戦争なんだ」と実感していきます。

映画の観客もそうです。
地獄の列車に一度乗ると降りられない。逃げられない。

西部戦線のシーンにもありますが
正面からドイツ軍が銃撃してくるけど下がれない。
下がると後ろにいる味方に撃たれるから。


****


六週間の訓練が終わり、
フランスへ派兵されるところからカラーになります。



退役軍人たち200人がインタビューで語った言葉のひとつひとつがあまりにも生々しく、重く、歴史的な価値があるものだと思ったので、メモりながら観ました。

四コマ映画『彼らは生きていた』→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2560








(1914年。ドイツと開戦したイギリス。)
半年くらいで制圧できると思っていたし、
男が入隊するのは当然かつ名誉なことだった。

***

命令されるのはイヤじゃなかった。考える必要がないからだ

ほとんどの者は元事務員か販売員

入隊しないと臆病者扱いされる

入隊せずに町で暮らしていると、女性から「なぜ入隊しないの?」と聞かれる。
そして、臆病者を表す白い羽を振られる。

19歳にならないと入隊できないのだが15歳でも入れた。
面接で15歳だと名乗ると19歳だと言いなおせと言われ、言い直すと入隊できた。

***

訓練開始。
ただの一般市民を軍人に変える訓練。

最初の数日は楽しかったが、その後は地獄だった。これは戦争だ。

50キロの装備を背負い、60キロ歩く。
支給される軍服は自分のサイズに合っていたらラッキー。

靴のサイズは合ってないのではなくお前の足があってないと言われた。


***

六週間の訓練を終えると、「明日から海外派兵だ」と突然言われた。
行き先は知らない。

出陣のような高揚感があった。帰ってこられないだろうと思っていた。

(着いた場所はフランス。フランスからベルギーへ歩いて移動。)

(地獄の西部戦線。)

***


銃撃と爆撃を受けて荒廃した町。どこなのかもわからない。

<ここからカラーになる>

戦いを終え、帰ってくる兵士たちにどうだったと聞くと
皆「地獄だ」と答えた。

****


ノーマンズランド。西部戦線の塹壕戦。
鉄条網に引っかかっている死体の数々。

ある時、話していた仲間の頭が吹き飛んだ

最前線で死体が増えていく。

あの匂いは忘れられない
ネズミの腐ったのより何百倍も臭い
食べ物まで匂いが染み込んだ
散らばっている死体にも慣れ、どうせ次は自分だと思っていた
ネズミは丸々と太っていた。理由は明らかだ


*****

ドイツ軍から毒ガスが風に乗って流れてくる。黄色いガス。失明したりする。
ガスマスクがない時は、布に小便をかけて口を覆った。

ドイツ兵を撃った。18歳くらいの少年で、かわいそうだったので水筒の酒を飲ませた。彼はありがとう、うまいと言って死んだ

「塹壕を出て突撃」との命令が下る。
戻ったら撃つと軍曹。
逆らえるものはいない。

接近戦では銃剣で戦う。
それから数時間、周囲は爆音に包まれた。

****

ドイツ軍は火力を温存していた。
我々は一掃されたが、「進み続けろ」と言われた。

****

倒れた仲間に目もくれず進んだ。
手に痛みを感じて手を見たら穴が開いていた。

(後のシーンで、銃弾が腕を突き抜けている映像アリ。嘘みたいに穴が開いていた)

足を撃たれたが、何かを考えているヒマはなかった。

第一陣は全滅。
死体を避けて進むことが難しい。
踏まずに進もうとしたが軍曹が「気にせず進め」と。

仲間を踏まざるを得ないほどの死体の山だった。

(進んだ先には、ドイツ軍によって鉄条網が何キロにも渡って、何十メートルもの奥行きで鉄条網が組まれていた)

地獄。ウサギでも通れないだろう。
鉄条網の向こうには機銃隊。
後ろからは味方の砲撃。

(進むことができず、ただ銃撃や爆撃を受ける)

理性を失う。地獄。
文明人の皮は剥げ落ちた。

****

戦場に抱いていた憧れは消え去った。

左腕と左足を吹き飛ばされた仲間が左目が飛び出た状態で祖母の名を叫んでいた。
楽にしてやろうと彼を撃った。撃つしかなかった。
辛かった。

***

運よく砲撃孔(爆撃のよってできた土の凹み)に隠れたものは、仲間の死を目撃した。
隠れなかったものは死んだ。

戦車も破壊され、
ついにドイツ兵も塹壕から出てきた。
彼らは勇敢だった。

嵐の1分間。

(仲間の)死体を集めてバリケードを作れ。

(白兵戦。銃剣。生々しい戦い)
(ドイツ軍、火炎放射器を使う)

投降してきた者も殺した。虐殺は何時間も続いた。

***

約600人で突撃し、生き残ったのは約100人。

勝ち負けはどうでもよかった。

***

医者に大丈夫かと聞かれたから
はいと答えると
後頭部を撃たれていると言われた。

(前線から戻ってきた負傷兵を軍医たちが治療する)

大丈夫だ、弾は貫通している。

(室内には入りきらず、青空の下に死体のように並べられる負傷兵たち。負傷兵に鳥が止まる。「あっちいけ!」)

埋葬された戦死者のほとんどは17〜18歳だった。


***


捕虜となったドイツ兵たちは怯えていた。
彼らもただの若者だ。

ドイツの捕虜たちはイギリスの負傷兵の搬送を率先して手伝った。
ジュネーブ条約の定めでもないのに。

ほとんどのドイツ兵には復讐心はなかった。
大抵は好人物のドイツ人だった。

彼らは礼儀正しい家庭人で子供思いだった。

ドイツ人と意気投合した。「この戦争は無意味だ」と。

ドイツ人は戦争にうんざりしていた。
誰もがやめたがっていた。

勝敗はどうでもよかった。

****

(1918年11月11日休戦。その後、終戦。)

終戦が発表された。発表時、喝采などなかった。

もう撃たれる心配はない。
安堵はあっても祝う気にはなれなかった。

すっかり気が抜けて動けなくなった。

クビになった気分だ。
見捨てられた気分だ。

疲れ切っていた。

***

戦後、自然に興味のあった私は、戦場に戻った。
砲撃孔に植物が芽吹いていた。感動した。


****

帰国すると、スーツやブーツが用意されていた。
気に入ったものを選ぶことができた。

帰郷するのが怖かった。
就職できるのか、と。

帰還兵への風あたりは強い。
「帰還兵は応募不可」という求人もあった。


****


友人が戦死した。
彼の母を訪ねると、敵意むき出しだった。
私だけ生き残ったからだ。


家に帰って、入隊後初めてベッドで眠った。
朝、私を起こしにきた母が見たのは床で眠る私だった。


****


皆、戦争に無関心だった。
両親は何も言わなかった。
感謝の言葉もなかった。
たまに父と戦争の話をすると反論してきた。現実を知らないのに。


***


理解の範疇を超えていたのだろう。
昔のサッカー仲間が横で殺される気持ちを理解できるわけがない。

一緒に入隊し、戦死した友人の遺体は、変色するまで放置されていた。

誰も戦争の悲惨さを理解していなかったのだろう。
誰も英雄じゃない。
殺されるのは嫌だ。

戦争は二度と嫌だと仲間たちと言い合った。

戦争を避ける努力をすべき。
正当化できる理由はない。

戦争は恐ろしい。
意味のないものだと歴史が裁定するだろう。

***


仕事に復帰して唯一頭にきたことがある。
こう聞かれた「ずっと、どこに行ってたんだ?」。


映画終わり。


祖父に捧げる。そして彼らを忘れない。

この映画の監督ピーター・ジャクソンの祖父も従軍していた。


エンドロール。
曲は、戦争中に特に人気があった歌「マドモアゼル・フロム・アルメンティエール」。
(https://www.youtube.com/watch?v=EtiynnETOlM)



『彼らは生きていた』観てね。

 

 


映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』 ラストネタバレあり

2020-08-13 | ネタバレあり




どうしてこんなにも人気スターが勢揃いで
古臭い「館ものミステリー」をやってんのか謎でしたが
観たらわかりました。


ネタバレは以下に。















今のアメリカの移民排斥、人種差別、さらには性差別を断罪するためでしたね。

スターパワーで全世界にアメリカの病理を伝えて、批判しました。

この家族はアメリカの人種差別の塊。
白人主義で移民排斥で男尊女卑。

この家族はみんな
移民の使用人を「あなたは家族よ家族よ」と言って
家族のように扱って〝善き白人〟を演じながら
実は心根ではめちゃくちゃ人種差別してた。

差別しちゃいけないもんだと思ってはいるけど、自分たちでも気づかないうちに差別してた。

しかも遺産がマルタに持って行かれるとわかったら急にわかりやすく掌返しするし。

***

これは『ROMA/ローマ』と同じ。

白人家族は先住民の家政婦に「あなたは家族よ家族よ」と言ってたけど
家政婦をこき使っていることに全く気付いていなかった。
家政婦は全く自分の気持ちを正直に家族に話せない。
妊娠したことも話せない。
クビになるかもしれないから。
白人家族は家政婦のフルネームも知らない。保険に入ってるかどうかも知らない。
家政婦が流産した後にも呑気に海水浴に誘う。
「今日は休暇なんだからお仕事はさせないわ」と言ってたけどめっちゃくちゃカバン持たせてたからね!
こないだ流産した女性に!
それでも白人家族は家政婦に「あなたは家族よ家族よ」と言う。
そして、家政婦は白人家族の子供たちが溺れているのに気付いて命を助ける。
で、その夜、海水浴から帰ると、白人家族たちはリビングで一休み。
家政婦は休む暇もなく洗濯をしに、今にも崩れそうな細い鉄の階段を登って屋根の上に上がる。

『ゲットアウト』してるわけです。
人種差別はダメ!だと頭ではわかっている白人の、本人も気付いていない差別意識を暴いている。

特に『ROMA/ローマ』はアルフォンソ・キュアロン監督の半自伝的な物語ってことなので、監督は自戒しているわけですね。
アカデミー賞作品賞受賞作ですよ。

***

さて、
話は『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』に戻しまして。

この家族(つまりアメリカの病理)を暴くのは、移民の看護師マルタの善良さ。

マルタは嘘をつくとゲロを吐いちゃう。

つまり、嘘をつくということは普通「ゲロ吐いちゃうくらいにクソなこと」という意味。

ゲロも吐かずにスルスルと嘘をつける人が国のトップにいたりしますね。。

そいつはクソだと言っているわけです。

***

移民のマルタはその善良さによって、家族の本性を暴きました。

しかし
マルタ「あの家族が心配です。助けるべきよね?」と探偵に聞く。

つまり、このアメリカのクソな部分が心配だし手を差し伸べるべきじゃないか?と言っています。

探偵「私はそう思いませんが、ご自分の考えに従えばいいのでは?」と。

探偵を演じるダニエル・クレイグはイギリス人。

アメリカに手を差し伸べるのは移民のマルタしかいない。

***

犯人はキャプテン・アメリカを演じたクリス・エヴァンス。このギャップがいいですね。
本人ももちろん承知の上かと。

キャプテン・アメリカである自分がアメリカのクソを演じる。

***

ラスト。

移民マルタは遺産相続で手に入れた屋敷のバルコニーから見下ろす。

下には白人家族たち。

白人家族たちは、ずっと下に見ていて「面倒を見るべき存在」だった移民マルタから見下ろされる。

マルタは白人家族を見ながら、マグカップに入った飲み物を口に含む。
マグカップには「私の家」と書いてある。

おわり


映画『ランボー』(1982) ラストネタバレあり 名作反戦 

2020-08-11 | ネタバレあり



映画『ランボー』(1982)原題『First Blood』



初めて観ました!びっくり超名作じゃないですかっ!
何で教えてくれなかったんですかっ!

「どうせスタローンが乱暴な映画だろうな…」としか思ってなかったじゃん!




すごく文学的ですね。

小説原作だからだけではなく
製作者がこの映画をアクションバンバン映画なんかにせずに意義深い映画にするぞ!という固い意志を持って作ったのがわかります。


***


四コマ映画『ランボー』→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2559


***

今の方が評価されると思います。
実際公開当時はベトナム戦争へ帰還兵への反発がホントに強かったから、そこまでヒットはしなかった、とのこと。

(ベトナム戦争に反発するのはわかるけど、帰還兵にまで反発が起こるってのはどういうこと??? あ、『彼らは生きていた They Shall Not Grow Old』か…。めっちゃ理不尽。。)

今の方が客観的に過去の戦争を見れるし、今起こってる戦争のことも同時考えられるし。

哀しき怪物を作り出したのは戦争そのものであり、
戦争始めるのは政治家であり
政治家を選んで政治家でいさせ続けるのは一般市民なので、
ランボーを産んだのはトラウトマン大佐ではなく
一般ピープルの我々。。


それで戦争から帰ってきたら来たで、市民の平和な空気を乱すってことで汚らわしく扱うって、、、ホントに『彼らは生きていた They Shall Not Grow Old』じゃん。


***

今撮るならランボー役はジェイク・ジレンホールとか
ジョン・ボイエガあたりかなぁなんて妄想しましたが、
やはりスタローンの怪物感は誰にも変えられないですね。。

それでいて最後子供のように泣きじゃくるあの落差。。

この人も子供だったんだなぁ、青春があったはずなんだなぁ、この人にとっての青春はベトナム戦争にあったんだなぁ、と感じて
ランボーと一緒に泣くわけですよ。。


***


脇役もいいですね。
そんなに印象に残らずに終わっても仕方ない役だったはずの、ティーズル保安官。
演じたブライアン・デネヒー、すばらしいですね。

冒頭で出てきた時から「あ、この人はずっと出てくる人だろうな」と思わす存在感。
自信たっぷりの顔と体。
だけど実は「地方の町の保安官」である自分にコンプレックスを持っている。

心根としてはこの人は悪人ではないんだけど
このコンプレックスがねじ曲がってランボーを追い詰めちゃうし、
結果的に町を危機に貶めてしまう。


トラウトマン大佐ももちろんいいねぇ。
実際にニヤッと笑ったりしないんだけど、
ずっとランボーも活躍がうれしそう。。

「俺が育てたランボー」って思っているし、誰よりもランボーを大事に思っている。
『ランボー2』ではここが深掘りされますね。


***

「反戦」のメッセージ

もんのすごいスタントシーンもあるし、アクションもすごいし、97分というソリッドさもかっこいい。

なおかつ観た人誰にでも伝わる「反戦」のメッセージ。

名作にございましたっ!

シリーズ全部みます!


四コマ映画『ランボー』→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2559




ラストネタバレは以下に











ぼんくら州兵たちによってランボーは廃坑で生き埋めにされる。

ティーズル保安官はランボーを生け捕りにしろと指示していたが、州兵たちはランボーがあまりに強すぎで身の危険を感じて殺してしまった。

全員、ランボーは死んだと思っていたが、トラウトマン大佐だけは「あいつは死なない」と心の底で思っていそうな表情。

実際ランボーは生きていて廃坑から生還。

州兵のトラックと機関銃を奪って、町に帰ってくる。

ガソリンスタンドを破壊したり、町を停電させたり、大破壊を行なってから、ティーズルを殺しそうになる。

そこにトラウトマン大佐「戦争は終わったんだ」

しかしランボー「戦争は終わってない!続いてる!」

ベトナムでの戦友が化学兵器を浴びて癌になり死んだこと、
今の戦地での戦友の死が夢に出てくること
アメリカに帰ってきたら罵声を浴びせられたこと
戦地では優秀有能な自分だったのにアメリカでは駐車場の警備員の仕事にすら就けないことなどを
子供のように泣きながらトラウトマン大佐にぶつける。

大佐はランボーを胸に抱く。

ランボーは降参し、逮捕される。

夜の町。パトカーがランボーを囲っている。おわり。




映画『ランボー』(1982)原題『First Blood』


 映画『花筐/HANAGATAMI』ネタバレあり

2020-08-10 | ネタバレあり




大林宣彦監督の魂の極強烈な反戦映画
『花筐/HANAGATAMI』(2017年)


四コマ映画『花筐/HANAGATAMI』→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2558



****


「我が大日本帝国では国民の命は国家の命」と武田鉄矢が言う。


門脇麦は「いつか戦争しない、誰も殺されない日が来るといいね」
満島慎之助は「青春が戦争の消耗品だなんてまっぴらだ」

若者と老いた男の対比。



老いた男だけは
「我が大日本帝国では国民の命は国家の命」だと仕組みの話だけをする。
人間一人一人の話をこの人はしない。
ただ国家の仕組みの話をする。

生(性)を謳歌できたはずの若者を「仕組み」によって殺す。

死を怖がる若者に、
老いた男は諭すように仕組みの話をする。

恋人や夫や息子を戦争で殺される女にも、
老いた男は仕組みの話をする。







濃っ!

最初の1時間を突破するまでに何日もかかりました。。
セリフも多いし、一つ一つのシーンが複雑だしトリッキーなので
理解が全く追いつかないまま、次の何かが始まっちゃう。。

で、脳がパンクして眠くなって寝ちゃう。。


**


全部理解しなきゃと思うのをやめまして、とにかく観てりゃいいや、と。
大林宣彦監督なんだから、きっと映画を観てりゃわかるだろう、と。


**


1時間越えると戦争の足音が聞こえてきて、全員が飲み込まれていく。


この映画の中には
召集されるのがイヤで醤油を一升飲み干す少年もいたし、
名古屋城の前で自決した少年もいた。


戦争に行きたくない男は戦争にいけない体になるか死ぬしかない。


「女は悲しい。男はかわいそう」


「祖国がまた戦争をはじめました!僕たちはまた、戦争に行きます!いってきます!」


**


途中でファスビンダーの『ケレル』チックなムンムンシーンが何度も挿入される。

ついには全裸の満島慎之助が馬にまたがりその後ろから全裸の窪塚俊介が抱きつく形で馬を走らせる。
「突撃だ〜!」
翌日そのシーンを思い出しながら白濁した液体(豆乳)を一気呑み。

他のシーンでもキスしないのが不自然なくらいに男たちの顔が近い。



女たちも同様。
山崎紘菜と門脇麦はついに。



大林映画でなければどこにも存在しないやり過ぎた演技は、ラストまで見ても見慣れることはないんだけど
見終わったあとにも強烈に残るし、75年に青春を謳歌したくてもできなかった若者たちがたしかに存在していたことを実感させてくれる演技。


ナチュラルな現代的な自然な演技ではこの意図は表現しきれないはず。


**


少年にとっては少女は謎の生き物。
少女にとっても少年は謎の生き物。

一つ先の人生を生きている、おばさま役の常盤貴子はすべてがわかっているかのように少年少女たちを優しく包んでいるが、戦争で夫を亡くしたことによりドラキュラになってしまった。

さらに一つ先をいきている、ばあや役の入江若葉は、息子を2人戦争で亡くし、ラストには爆発するように泣き叫ぶ。




**


いやあ、このパワー。この怒り。この鮮烈さ。一生消えぬインパクトをこの映画から受け取りましたよっ!


四コマ映画『花筐/HANAGATAMI』→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2558

 
ラストネタバレは以下に。。。









明確に生き残ったのは窪塚俊介のみ。
窪塚俊介はこの映画の原作者の檀一雄の役だそう。

ラストシーンは、伊藤孝雄演じる「老いたる俊彦」(窪塚俊介)の独白。
戦争を生き抜き、結婚もせず常盤貴子(おばさま)の家でひとり生きてきた。
当時の若者たちがなぜ死ななければならなかったのか、反戦のメッセージを観客にぶつける。

**

矢作穂香は病に倒れる。

満島真之介は荒れた海に投身自殺。
(自殺ではあるけどこれは戦争で死んだという意味かも)

矢作穂香のため生きていた(ホントはすでに死んでいた?矢作穂香の血を吸うことで生きながらえていた?)常盤貴子もこの世での存在意義をなくす。

満島真之介は矢作穂香に恋心はありつつも、常盤貴子にも惹かれて生前よりアプローチをかけていた。

「いけませんわ」と断っていた常盤貴子だったが、
生と死があいまいになった世界で
もう欲望のままに生(性)の喜び(悦び)に身を投じよう!と
満島真之介と常盤貴子は全裸になり、海に溶ける。

そこに矢作穂香も合流し、3人とも手塚治虫が描く裸のようにつるんとした(何にもついてない)体をあらわにして、川の字になって海の中を進んでいく。

命の源である海で、精子と卵子に戻ったかのような存在の3人。

死亡。


**

門脇麦、山崎紘菜の生死はわからない。

大林監督は「あきね(山崎紘菜)のような女性が生き残って戦争を伝えてくれた」とおっしゃってたので、山崎紘菜は戦争を生き残ったのかも。
ただ、戦争という男性的な出来事の中でほとんど存在を消されてしまったのかと。
門脇麦も同様かな。


**

長塚圭史は誰よりもいち早く海に投身自殺。

**

道化役を演じていた柄本時生はおそらく戦死?

**


江馬家の老婆(入江若葉)は食卓でひとりうとうとして夢を見る。

夢には日中戦争ですでに死んだ2人の息子が現れる。
「母さん、また戦争がはじまりした!戦争に行ってきます!」
再び息子2人を戦争に殺されてしまう。

老婆は目覚め、爆発するかのように咆哮する。


**

娼婦の池端慎之助「女は悲しい、男はかわいそう」


終わり




映画『時をかける少女』(1983年製作の映画)

2020-08-08 | 映画感想

 


大林宣彦監督作品を観るのは『HOUSE』『花筐HANAGATAMI』に続いて、やっと3作品目。


もうだいぶわかってきましたよ、大林宣彦監督作品の観る側のスタンスが。


とにかく観てりゃいいんですね。
目を開けて、
耳はまぁ普通は開いた状態ですから、
とにかく目を開けていれば良い。


***


冒頭から何をしたいのかどこへ行こうとしているのかひたすらにわからないんですけど、、

意外とラスト近くになるとちゃんと解説をしてくれる。

これは『花筐HANAGATAMI』がそうでした。

「この映画で言いたいことはこういうことです」ってのを重ねて重ねてさらに重ねて説明してくれます。

だから心配いらない。


***


さすがに僕も映画好きの一員ですし、
宇多丸さんも好きなので、
当然「深町一夫昏睡●●●犯説」も知っていますよ。

でも聞いただけでは何のこっちゃでした。。
何の話をキャッキャッ盛り上がってるんだ、あのお兄さんたちは、と思っていました。


そのおかげで、、
そのシーンが来たら、もうそれにしか見えない。。

完璧そうじゃん。。


(大林監督が認めた、というのも聞きました。そうなのかよ!)


***


でも、
「深町一夫昏睡●●●犯説」を聞いていなかったとしても、たぶんそういう風に感じ取れたんじゃないかな、、と思います。


だって、この映画、性の匂いをプンプンさせてるじゃん。。
プンプンっていうかモンモンっていうかムンムンっていうか。


***


妙に色気ムンムンの根岸季衣の足とか、

僕は理解できませんが、
元タイガースでとうじ36歳の岸部一徳もセクシーだったのでしょう。

彼がネクタイを緩める動作を原田知世が釘付けになるわけですが、
男性がネクタイ緩める動作ってのはセクシー動作のひとつなわけでしょ。

原田知世の白ブルマをじっくり写したり。

原田知世も枕元にある、なんかキスするおもちゃを見るたびに必ずキスさせて、ウフフ♪なんて顔するし。

今だったら問題になりそうな、、子役っていうか、男女の幼児に指を吸わせるっていうシーンとか。

全編、ずっとムンムンさせてるんですよ。。


***


なのに、原田知世は完全なる無垢。一切の邪気がない。。。

これがこの映画の奇跡ですね。。。

エンドロールのNGシーンでさえもそれが崩れない。。

ほとんど妖精か、概念のような存在。

概念ですね。

少女という概念。


***


その少女の性の目覚めのある時期を切り取ってるわけですね。

もうとんでもない激ヤバ映画じゃないですか。。


***


原田知世の若い頃の映画を観たことなくて、
『落下する夕方』は大好きだし、それ以降の活躍しか知らないので、

若い頃の原田知世の魅力がわかっていませんでしたが、
あの、何も映っていないかのような瞳が素晴らしいですね。


でも、やっぱこの映画、、かなりやばいので、、あんま褒めると自分のヤバさを公表するようで、ためらいが生まれてくる。。


****


尾美としのりってどういうスタンスだったんですかね。

ゴローちゃんがかわいそ過ぎるってのは誰もが感じることでしょうけど、

尾美としのりだって当時ならアイドル俳優でいけるルックスだと思うんですけど、
何であんなに「邪険に扱われて当然」のキャラだったんでしょうか。

深町とそんなに顔のレベル変わんないと思うんですけどね。。





 

 


映画『記憶にございません』ネタバレあり

2020-08-07 | ネタバレあり


この映画では理想の政治が描かれている。
そうすると自動的に現政権批判になっちゃう。。。

理想の政治を描くと現政権批判になるという現実がホラー。

ホラー映画ならこの現実に太刀打ちできない。
現実がホラーだから。

でもこの映画はコメディ。
コメディには可能性がある。

もっともっとぬるい映画かと思っていましたけど
意外と攻めてるなぁという感想です。

**


あ、この映画は日本ではなく、どこかのある国、って設定です。

**


しかし、
この映画を現政権批判だと思わない人も、たぶんいる。んでしょうね。


それが、日本の政治エンタメ映画の限界点。
あこらさまに現政権批判するエンタメ政治映画は日本では難しい。

この映画が今の政治エンタメ映画のギリギリ。
これは三谷幸喜でしか作れなかった。

結構ギリギリをやってますよ。


ほかの作家ではこんな大ヒット政治コメディ映画は撮れませんから。


これが日本の限界点だと知る意味でも見る価値あります。


**

記憶がなくなる=政治的なしがらみがなくなって正しい政治ができるようになる
というのがこの映画のシステム。


でも。ラストにある仕掛けが。。


**


史上最悪のダメ総理。

そして、自由な総理夫人。


っていう設定に、
リアルの方がどうしても頭に浮かんでしまって観てるだけで思い出して不快。

(でも映画の総理は語学が堪能という設定。
英語フランス語ドイツ語ルワンダ語が話せる頭脳と学力と努力することと社会性と世界に向けた視線を持っている。
しかも、ゴルフの腕はプロ並みという設定。てこととはやはり努力する力を持っている。
努力することで成果が得られることを知っている人は、他人の努力の成果を踏みにじることができない。
映画の中の総理はだいぶマシ。)

こんなにも不快な存在をコメディ映画にするのはかなりハードルが高い。

**


やはり三谷幸喜はセリフが上手いですね。
「いつからそんな薄っぺらいヒューマニズムを口にするようになった。
いいかね、アメリカと友好関係を続けることで多くの大企業が潤うんだよ。
万人に愛されようなんて思ってんじゃねえよ。」
byこの映画の1番の悪役(草刈正雄)


短いセリフでも情報量が多いし、語尾でその人間性や相手との関係性を説明している。


**


スターがたくさん出てるんで
いちいち脇役レベルの役でもちゃんと顔を映さなきゃいけないんよね。

ひとりひとりの自己紹介が丁寧過ぎて
テンポが悪くなる。

**


長回しが多いなぁ。
しかもあまり意味がない。

映画の場合は長回しに意味が欲しい。

長回しには緊張感が生まれる。
大したことのないシークエンスでも緊張感が生まれる。

しかも長回しの場合、そのシークエンスのポイントが絞られず散漫になる。


たぶん三谷幸喜はカットを切るのが苦手。
舞台の人だから?

カット割ってポンポン進んで欲しいとこで緩やかに長回しになるからテンポが鈍くなる。


**

「記憶をなくした総理大臣だからこそできることがあると思います。
背負ってきたものをなかなかおろせない。
でもあなたにはできる。
世間体やプライドもあなたには関係ない。」

と秘書の小池栄子。

記憶なくしても世間体やプライドは関係あるだろう、と思うけど、、これがこの映画のシステム。

**


中井貴一と木村佳乃のコメディ演技はさすが一流!
何回も笑った。

特に木村佳乃は普通に喋ってるだけなのに可笑しい。。


**


悪役である草刈正雄のセリフ
「少しでも長くこの世界にいる。
これが私のモチベーションだ。
悪いかね。
今我が国の政治は正しく機能している。
健全じゃないか。
実に良い。
この国の国民は変化を好まない。
大事なのは平穏であることよ。」

悪役がこの台詞をいうってことは、これは悪いことだということ。

どう考えても現政権批判のセリフだけど、

これを現政権批判だと思わない人も当然いるんよね。。



実際、この映画をある国の首相が観たんですけど、その後に三谷幸喜と握手してた。ヘラヘラ笑いながら。内容が理解できてたら握手なんてできませんよ。




**

そして
その悪役(草刈正雄)が
総理が記憶喪失だということに気付いてからが第三幕。

さてさてどうなりますやら。

ネタバレは以下に。









フリーの政治記者(佐藤浩一)が草刈正雄のスキャンダルをつかんで
草刈正雄を官房長官の地位から下ろす。

佐藤浩一「おれは金で動く人間だが、依頼人は裏切らない。それをやったら商売上がったりだ」

そして草刈正雄は官房長官を辞任。

佐藤浩一「総理!この国を世界に誇れる国にしてくれ!俺だって税金払ってんだ。そのくらい言わせてくれ。」

そして内閣改造。

田中圭を総理の警護に。田中圭の夢は総理の警護だった。

**

佐藤浩一は草刈正雄の依頼で
ディーンと石田ゆり子の不倫を売る。

佐藤浩一「…これが俺の仕事なんだ」



ディーンは総理の秘書であり、正しい政治をしたい人。
石田ゆり子は総理の妻。

中井貴一「妻は私に愛想をつかせていた。君は私を嫌っていた。すべて私の責任だ。あなたは私に必要な人間だ。今まで通り私に就いてくれ。」

ディーン「総理がそれでよいなら」

中井貴一「ただし妻とは別れてくれ。好きなタイプなんだ」

ディーン「それはそうでしょう」

**

不倫を報じる新聞にショックを受ける石田ゆり子。

石田ゆり子「私、旅に出ます!一人で生きていく!」

↑薄っぺらさが出てて良いセリフ。止めてくれる人がいること前提のセリフ。誰も止めないけど。

石田ゆり子は隠しトンネルを使って脱出。

**

国会。

中井貴一と不倫関係にあった吉田羊
「総理夫人と秘書官の不倫が報じられました。危機管理が全くできていない。それで一国の総理大臣が務まるとお思いですか!」

中井貴一、妻の不倫を認め、自分の非を認める。

吉田羊の党、国民党の討論の時間を使って中井貴一が石田ゆり子に語りかけることを吉田羊が許す。

「君のことがタイプなんだ。君一人を幸せにできない男がこの国を幸せにできるわけがない。そして約束する。国民の皆様には二度と政治に失望はさせない。どうかわたしを信じて欲しい。もうわたしは逃げない。帰ってきてくれ、聡子。」

草刈正雄の秘書「これで総理は退陣ですね」
↑本来ならそう。国会の答弁の時間を夫婦の個人的なメッセージに使ったんだから。政治家やめてくれ。

草刈正雄「いや。これで総理の支持率はうなぎが登りだ。すぐに花丸組に連絡を。」
↑国民の浅はかさを揶揄したセリフ。

秘書「狙撃するんですか?」

草刈正雄「歴史は繰り返すんだよ。」
↑これは三谷幸喜が好きなセリフ。歴史は繰り返すんですよ。

**

中井貴一の国会答弁(愛の告白)をタクシーのラジオ?で聞いた石田ゆり子が戻ってきて中井貴一とハグ。

記者たちがそれを見て拍手。茶番。

**

総理が国会議事堂?の前に集まった98人くらいの国民?の前で演説。

草刈正雄の依頼で
総理をパチンコ玉で狙う川平慈英。

それに気づくディーン。
その玉を素手で掴む藤本隆宏。
そして二階の高さから飛び降りて追う田中圭。

みんなに見せ場を作る三谷脚本。

**

草刈正雄の秘書が佐藤浩一に
総理の息子(未成年)の飲酒事件をリーク。

佐藤浩一「悪いけどよ、そこまでクズじゃねえんだ」
これが佐藤浩一の出番ラスト。

秘書「…わたしも同感です」

ジャルジャル後藤も良い役でした。

**

小池栄子、総理の子供の頃の作文を読む。

中井貴一「中学のときサッカーボールが当たって政治家になった」

実は総理は途中で記憶を戻していた!

中井貴一「悪い総理に戻ることもできたけど、こんなチャンス二度とないからね」 

小池栄子「いいと思います」

中井貴一「これは国家機密です」

小池栄子「わかりました」

**

支持率は2.8%。

ディーン「なーんだ、微増だな」

秘書官補の迫田孝也「いいんですよ、支持する人もしない人もみんなが幸せなればいい。総理、あなたならできる」

**

女性キャスター「そんなに期待はできないですね。記憶でも無くさない限りひとってそんなにかわれませんから。それではまた明日。」

**

総理、勉強中。ちゃんと勉強してる総理。どこの国よ。。

総理の息子「ぼくもいつか総理大臣になりたい」

総理、目に涙を浮かべ笑顔。

終わり。

エンドロール。