映画感想(ネタバレもあったり)

映画コラム/映画イラスト

モンスター(鈴木亮平) VS モンスター(松坂桃李)映画『孤狼の血 LEVEL2』

2021-07-31 | 映画イラスト

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)上映日:2021年08月20日製作国:日本 ジャンル:ヤクザ・任侠
監督 白石和彌
脚本 池上純哉
原作 柚月裕子
出演者 松坂桃李 鈴木亮平 村上虹 郎西野七瀬 中村梅雀 早乙女太一 斎藤工(齊藤工) 吉田鋼太郎 滝藤賢一 中村獅童

目次

  1. そもそも『孤狼の血』(2018)観ました?
  2. からの『孤狼の血 LEVEL2』 ここで登場、鈴木亮平
  3. モンスター(鈴木亮平) VS モンスター(松坂桃李)
  4. 楽しそうな助演俳優さんたち
  5. Webマガジン FILMAGA(フィルマガ) にて記事イラスト描かせていただいたのです。


そもそも『孤狼の血』(2018)観ました?

前作は『孤狼の血』は、ヤクザ映画復活!みたいな感じで映画ファンに迎えられて、実際めっちゃ面白かったし、演技賞も作品賞も総ナメ状態でした。

ヤクザより極悪な刑事(役所広司)が力でヤクザたちをねじ伏せて町の平和守ってるんだけど、潔癖な若い刑事(松坂桃李)はそれに反発。

でも薄っぺらい正論なんか役に立たない事態になっていっちゃって松坂桃李がどんどん悪に手を染めていき、ついに………という話。

役所広司の怪優っぷりは『すばらしき世界』でも記憶に新しいですしやっぱ重みと迫力が桁違いだし、それでいてやっぱ愛すべき人になってるところが役所広司の本当の怖いとこ。。


主演よりは脇役の方がむしろ存在感を出せていた松坂桃李でしたが、この作品で3階級昇進ですよ。俳優としての格が上がりました。

ドンッ!と映画の真ん中にいて、助演俳優たちに身体中喰われたとしてもそれでも変わらぬ存在感で真ん中に立ち続けられる俳優になりました。



からの『孤狼の血 LEVEL2』 ここで登場、鈴木亮平

前作を見てりゃわかりますし、キャスト一覧を見てもわかりますね、役所広司がいない問題。

映画の目線は松坂桃李でしたけど、映画の根幹は役所広司でしたので、続編やるっていう時に「大丈夫かしらん」と思いました正直。

じゃ、どうするか。敵です。こういう時は敵です。強くて魅力的な敵を出すのです。


ここで登場、鈴木亮平。

今テレビドラマ「TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」の喜多見幸太 役でお医者さん役やってますね。丁寧な話し方だし誠実な感じ。
『孤狼の血 LEVEL2』の上林成浩役を見たばかりで、全っっっっっ然違う演技をしてて、もう怖いですよ、鈴木亮平。振り幅は日本の俳優の中でも頭ひとつ抜けてますよね。そしてどれも不自然ではないという。

喜多見幸太の穏やかさも真実味があるし、上林成浩の破壊願望もありそうなんだもん。



モンスター(鈴木亮平) VS モンスター(松坂桃李)

鈴木亮平に楽しく悪役やらせるだけの映画な訳がない。そうは問屋がおろさない。なぜなら主演は松坂桃李だから。松坂桃李がまたレベルを上げてきてますからね、この人どこまで行くの。

前作で役所広司の血を引き継いでるわけです。もう初っ端から極悪刑事なのです。ヤクザたちを押さえ込んで街の平和を維持させるためですけどね。

松坂桃李もモンスター。鈴木亮平もモンスター。モンスターVSモンスター。ゴジラvsコングですよ。


日本の若い俳優さんたちの「俺たち世界レベルだからっ!」っていう気合い、気迫はすごいですね。

僕が10代とか20代とかに見ていた俳優のイメージじゃないんですよ。。
もっと本気。本気を出すことが恥ずかしいなんてこと1秒も思ってない感じ。
しかもそれでいて全体的には軽やか。

もうどんどんやって欲しい。
どんどんぶち上げていってほしい。



楽しそうな助演俳優さんたち

モンスター映画には人間も必要ですね。逃げ惑う人間。

ほんとに皆さん楽しそう。

中村梅雀、早乙女太一、斎藤工(齊藤工)、吉田鋼太郎、滝藤賢一、中村獅童、音尾琢真、矢島健一、渋川清彦、毎熊克哉(毎熊克也)、筧美和子、青柳翔、三宅弘城、宮崎美子、寺島進、宇梶剛士、かたせ梨乃、播戸竜二、、みんなみんな勝手なことをやりきってくれています。

話の中心(鈴木亮平VS松坂桃李)がしっかりしているので、他の方達は何やっても大丈夫。

吉田鋼太郎はちょっとふざけてますし、、結局滝藤賢一がこの映画の中で一番面白かった。。ずるいですよ、この人たち。。


Webマガジン FILMAGA(フィルマガ) にて記事イラスト描かせていただいたのです。


「どうしてもヴィラン(悪役)の方が好きっ!敵に回したらヤバイ…最凶ヴィラン5選!」と言う記事です。
ここで上林成浩も紹介しております。


https://filmaga.filmarks.com/articles/121597/

上林成浩の最凶タイプは「反社剛腕型」です。

お時間ございます時にお読みいただけるとありがたいです。



映画『ダークナイト』 地球史上最高悪役ヒース版ジョーカー 

2021-07-30 | 映画イラスト
ダークナイト(2008年製作の映画)The Dark Knight
監督 クリストファー・ノーラン
脚本 ジョナサン・ノーラン クリストファー・ノーラン
出演者 クリスチャン・ベイル ヒース・レジャー



公開当時映画館で観ております。
Blu-rayも持ってます。
何度も観てますが、数年ぶりに見返しました。


**

目次

  1. Webマガジン FILMAGA(フィルマガ) にて記事イラスト描かせていただきました。
  2. 『ダークナイト』でさえも13年経つと経年劣化するのですね。。。
  3. 全体的にちょっと臭いんですよね。。


Webマガジン FILMAGA(フィルマガ) にて記事イラスト描かせていただきました。

「どうしてもヴィラン(悪役)の方が好きっ!敵に回したらヤバイ…最凶ヴィラン5選!」と言う記事です。

ここでジョーカー(ヒース版)も紹介しております。



ジョーカー(ヒース版)の最凶タイプは「破壊願望非力型」です。腕力はないんですよね、ジョーカーって。


**


『ダークナイト』でさえも13年経つと経年劣化するのですね。。。


あんなにも興奮してハマったんですけどね。

ヒース版のジョーカーは地球が滅亡した後もその素晴らしさは語られ続けることは決定していますし、アクションもエレガントでビシッと引き締まっててかっこいいですよ、そりゃ。

でも、クリスチャン・ベール演じるバンドマンのつまらないこと。。
敵に食われる役ですからしょうがないところではありますけど、、、
ずっと辛気臭くてずっと思春期みたいに塞いでいて、、ちょっとイラッとしますね。。

ヒロインのマギー・ジレンホールは伸びやかで素敵だし、トゥーフェイスのアーロン・エッカートも美味しかったし。

悔しかったことでしょう、クリスチャン・ベール。「俺主役なのにぃ!」と。ヒース・レジャーの映画史に残る名演を目の前で何日も見せられたんだもんね。。


**


全体的にちょっと臭いんですよね。。


もっとリズミカルにサッサっとクールにいって欲しいんだけど。

ゲイリー・オールドマンのラストのセリフも、公開当時は「いえ〜いっ!かっこいい!決まったぜ!痺れるぜぇ!」と興奮しましたけど、、
13年経つと
「何を突然ポエムを言い始めてんだ」と。。

臭くて笑っちゃいましたよ。。

ま、何回も観てますしね。。

もしまだ観てないという方がいたら、ぜひ!


映画『ミュージアム』漫画原作が悪く言われることもあるけど面白いじゃないですか! 

2021-07-30 | 映画イラスト
ミュージアム(2016年製作の映画)
上映日:2016年11月12日製作国:日本上映時間:132分
監督 大友啓史
原作 巴亮介
主題歌/挿入歌 ONE OK ROCK
出演者 小栗旬 尾野真千子 野村周平 大森南朋 市川実日子 田畑智子



漫画原作が悪く言われることもあるけど、面白いじゃないですか!


『キャラクター』より8倍面白いのが2016年にあったんじゃん。
こっちの方が個性的だし、話も面白い。

妻役の尾野真千子ももちろんただのアキレス腱じゃないし、
なんなら割とこの事件の発端だし
この役は一般市民代表の役としてかなり恐ろしい役ですよ。

あんまり活躍の場はないけど(捕まっちゃってるから)、ラストあたりでの抵抗はさすがですよ、尾野真千子。
死んだように生きてる表情もいいですね。

**

小栗旬の妻役である尾野真千子とその息子が犯人に捕まっちゃうんだろうな、それがラストの山場なんだろうな、と思ってはいたけど、
わりの早い段階(たぶん1時間も経ってない)で尾野真千子と息子は謎の失踪を遂げてしまう。。

ここからどういう話になって行くのかと思いきや、そこからがちゃんと面白い。

漫画原作が悪く言われることもあるけど
何年もちゃんと練られてきた物語なわけだから、
脚本化に失敗しなければ面白くなるよね。



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Webマガジン FILMAGA(フィルマガ) にて記事イラスト描かせていただきました。



カエル男の最凶タイプは「覆面アーティスト型」です。

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なんと言っても小栗旬が良い。

『キャラクター』でも小栗旬は良かったですよね。
スターオーラもあるし動きもいいし、セリフ以外での演技も素晴らしい。
で、しかもちょっと面白いですよね、、小栗旬って。。
もっともっとデカい俳優になって世界で活躍して欲しい〜っ!

**

妻夫木聡もやっぱ凄い。

両手を広げながら「ぼくはアーティストなんだぁ」って陶酔セリフを言うのは
漫画の中なら成立するけど
生身の俳優がやると普通なら寒くて寒くて寒くて観てられない。。。
でも、妻夫木聡だとできちゃうんよね。。

凄いよね、ほんとに。。
イキ顔も良かった。楽しそうでした。


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一応言っておくと、日本映画には珍しいくらいに残忍でグロテスクな映像表現があるので、、それなりの覚悟を持って観てくださいね。

しばらくハンバーガー食べられなくなるかもよ?


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映画『羊たちの沈黙』女性差別を描いている映画ではあった

2021-07-30 | 映画イラスト
羊たちの沈黙(1990年製作の映画)The Silence of the Lambs 上映日:1991年06月14日製作国:アメリカ上映時間:118分
監督 ジョナサン・デミ
脚本 テッド・タリー
原作 トマス・ハリス
出演者 ジョディ・フォスター アンソニー・ホプキンス

目次
  1. 女性差別を描いている映画ではあった
  2. 10数年ぶりに見返しました。
  3. Webマガジン FILMAGA(フィルマガ) にて記事イラスト描かせていただきました。
  4. この映画には明らかな問題があります。
  5. 初?
  6. ほんとに気持ち悪い


女性差別を描いている映画ではあった


女性差別を描いている映画ではありますね。
いい描き方とは言えないけれども。

ポスターも「若い女性が黙らされている」と読めなくもない。
蛾は「変化」の象徴なので、「女性たち!変化しようぜ!」っていうメッセージと読めなくもない。。
が、そう言う前向きな読み方をしようという気が起きない映画。。



10数年ぶりに見返しました。


ずっとジョディ・フォスターを男たちが「コイツ良い女だなぁ」って視点で映し続けてる映画なんですね。。

それが最高潮に達して変態性も極限に振り切れたところで、ジョディ・フォスターの正義の鉄槌!え〜いっ!こらっ!っていう映画。

女性差別を描いている映画ではあったのですね、当時は感じられませんでした。

ただその視点が変態すぎるし、、、
その視点を批判しているかどうかもハッキリしないし、、、
次作『ハンニバル』でのジョディ・フォスター降板事件もあって
あんまりストレートに「女性差別問題を提起した映画」とは言いがたい。。


****


Webマガジン FILMAGA(フィルマガ) にて記事イラスト描かせていただきました。




レクター博士の最凶タイプは「高知能グルメ型」です。



***


FBI訓練生であるクラリスは、FBI訓練校やFBI捜査官、地元の保安官たちからずっっっとセクハラされてますね。執拗にそのシーンが繰り返される。
若い女性だからうっすらずっとバカにもされている。

だからこそクラリスは、紳士的な態度をとってくれるレクター博士に対してある種の信頼感をもってしまうんですね。





この映画には明らかな問題があります。

トランスジェンダーを悪いものだと描いている点。

トランスジェンダーは変態であり、病理であり、犯罪者であり、最後には射殺されるような存在である、
と描いているとされる問題。

『トランスジェンダーとハリウッド:過去、現在、そして』でも説明のあった通り、
トランスジェンダーはあらゆる映画の中でひたすらに犯罪に巻き込まれて最後には殺されたり、連続殺人犯が実はトランスジェンダーでしたというオチに使われたり、ギャグとして軽んじられたり、
かなり人権的に問題がある。


『羊たちの沈黙』では中盤あたりでわざわざ

「倒錯趣味の人と犯罪には関連性はない。盗作趣味の人は大人しい」by クラリス

「病理上恐ろしいのは彼の倒錯性ではなく残忍性だ」by レクター

倒錯という言葉自体に問題があるし、「大人しい」って言うのもおかしな見方ではあるけど、
異性装やトランスジェンダー自体は問題ないと繰り返し語っている
しかもバッファロー・ビルズはゲイであるが、自分が性同一性障害であると思い込もうとしている状態。つまり、バッファロー・ビルズはトランスジェンダーでもない

上記の理由から、『羊たちの沈黙』はトランスジェンダーを酷く描いていない、と言えそうだけれども、やはりそれはない。。。

異性装(女装やメイク)をあからさまに不気味なものとして描いているし、
〝ゲイ〟や〝トランスジェンダー〟を犯罪物語の有効なフックとして消費しているように見えて、やはり問題。

ゲイやトランスジェンダーをサスペンス映画において奇怪な存在として便利に使っているだけで
ゲイやトランスジェンダーへのフォローはものすごく少ない。
そういう視点がない。

前述したように二つのセリフでフォローしているけど、
全体の残忍性やセリフ量からするとこのフォローはゼロに等しい。
誰もこのフォローがあったこと覚えてないでしょ。

現実世界でもゲイやトランスジェンダ〟を犯罪者扱いする人もいる中で、大ヒット映画がこういう描き方をするのは大きな問題。

この映画に関しては今更どうすることもできないので
『トランスジェンダーとハリウッド:過去、現在、そして』と同時上映してくれってことです。

**


初?


ラストあたりの、「FBIがバッファロー・ビルの家に侵入したと同時に違う場所でクラリスがある民家を訪ねて実はそここそが…」みたいなあの編集の騙しってこの映画が初なのかな?

サスペンス映画ではよく見る手法だけど1990年でジョナサン・デミが初めてやったのかな。

サイコ映画としての山場はレクター博士の脱走シーンだけど、
サスペンス映画としての山場はこの「編集で交互に並べてたけど実は別の話でした〜」のシーンだと思います。

この手法が1990年の時点でもう何回か使われているものだとしたら、『羊たちの沈黙』がここまで評価されてないような気もするんですよね〜。

と、なんの裏付けもないまま書いているのですが。。


***


ほんとに気持ち悪い


ジョディ・フォスターとアンソニー・ホプキンスの演技も素晴らしいし、風格もあります。

しかしカメラワークとジェンダー観はどうしても古い。

サイコ映画としての気持ち悪さ以上に「ジョディ・フォスターってほんと最高の女だよな〜」っていうぬめぬめとした男たちの欲望がほんとに気持ち悪くて、
これが意図したものではないような気もして、
それがさらに気持ちが悪いので、、
今見るならちょっとその辺を覚悟してご覧ください。


映画『少年の君』復讐するのが当然な世界でどうして子供が産めるの?  壮絶ないじめ問題

2021-07-27 | 映画イラスト





弱いからイジメられる?

イジメられる方が悪い?

普通はイジメられたら復讐するものなの?

私は受験に耐えてきただけ。間違ってる?復讐しない私がおかしいの?

復讐するのが当然な世界でどうして子供が産めるの?


『少年の君』2021年第93回アカデミー賞国際長編映画賞候補作 いじめ問題を扱って240億円以上の大ヒット

2021-07-27 | 映画イラスト
少年の君(2019年製作の映画)少年的你/Better Days 上映日:2021年07月16日製作国:中国香港上映時間:135分
監督 デレク・ツァン
脚本 ラム・ウィンサム リー・ユアン シュー・イーメン
出演者 チョウ・ドンユイ ジャクソン・イ ーイン・ファン ホァン・ジュエ ウー・ユエ ジョウ・イエ

目次
  1. 『少年の君』四コマ映画
  2. 国際長編映画賞
  3. 2021年第93回アカデミー賞国際長編映画賞候補作 『少年の君』
  4. いじめ問題
  5. 演技も映像描写も話の展開もミステリーも素晴らしい
  6. ネタバレは以下に








国際長編映画賞
国際長編映画賞は今までは外国語映画賞と呼ばれていた賞です。「国際的な映画製作環境において、“外国語”という言い方はもう時代遅れではないか」との懸念から改名されたとのことですが、規定は変わっていません。

各国から一本ずつ出品されたのを「映画芸術科学アカデミー」が5本にまで絞ってます。日本では松竹・東宝・東映・角川映画の映画製作配給大手4社が構成する日本映画製作者連盟が出品する一本を選んでまいます。

国際長編映画賞(外国語映画賞)ってその国の社会問題を抉った現代的に切り取った映画が選ばれてる傾向にあるように思うんですが、例年日本映画の選出がそれとは外れているようでもったいないなと思います。

受賞した『おくりびと』、最終候補まであと一歩の『告白』、候補に残った『万引き家族』などはやっぱその国らしい社会問題を扱ったものですしね。



2021年第93回アカデミー賞国際長編映画賞候補作 『少年の君』

そんな世界各国から出品された中で5本に残ったのが『少年の君』。さすがにそのクオリティがあります。

映像が鮮烈でかっこいいし、イジメの苛烈さは目を背けたくなるほどだし、青春映画としての煌めきにはおじさんは羨望を持っちゃうほど。

若者や学校内の閉じた話ではなくて、いじめ問題に関わってくる警察の視点(つまり大人の視点)がこの映画を開かれたものにしています。

警察が割とちゃんといじめ問題に向き合ってくれてまして、「学校は聖域だから」と逃げないで、若者を救おうとする存在があるのは嬉しい。ただ同時に、大人の観客である我々にもそれができるってことになっちゃうので、、高校生のいじめ問題を他人事にしてられなくて辛い。。

若者を苦しめてイジメているのは大人だし、それを救えるのも大人。大人ってのは自分のこと。

せめて最低限投票くらいはしようよ。若者のためにもね。



いじめ問題

いじめ描写が容赦ないので結構辛いんですが、、、いじめっ子の描き方が深くて素晴らしいです。

いじめっ子もプレッシャーをかけられて苦しめられているってのが次第にわかってきます。だからイジメていい訳ではないんですが。

そもそもなぜこのイジメが起きたのかと問題を遡っていくと、大人の社会構造にたどり着く。大人たちはその社会構造に戦わずに受け入れて、さらに子供をそこに組み込んでいこうとする。

せめてこの社会で上に立てるようにと子供にプレッシャーを与えて弱いものを踏みつけていいと教える。
弱くなくても踏みつけることで相手を弱くさせる。それは大人社会の鏡として子供たちが行っていること。


演技も映像描写も話の展開もミステリーも素晴らしい

褒め要素が多すぎて書いてられないんですが、主役2人の演技はほんとに素晴らしい。特にチョウ・ドンユィ。いじめっ子を演じた周也も。

バレーボールのシーンもすごかったですね。。一応輪の中にはいるんだけど、自分が打ったボールを誰も取ってくれない。。そして誰も自分に打ってくれない。

からの、後頭部にボールボーンッ!どうやって撮影したの。。CGですかね、あれ。あの勢いでボール後頭部に当てちゃダメですよね。。

135分という長めの映画なので、結構話が先へ先へと行きます。ここで終わりかなと思ってもまだまだ展開していく。

終盤はミステリーにもなってますしね。

そしてラスト、あれは夢なのか幽霊なのか生霊なのか。。。




ネタバレは以下に




いじめっ子のウェイを死に至らしめたのは少女チェン・ニェンだった。

ウェイが一旦はチェン・ニェンにめちゃくちゃ謝ってきたのでチェン・ニェンも「お前がやってきたことは許すとか許さないとかのレベルじゃないんだけどもういいよ関わって来んなよもう」的な雰囲気で、ウェイから離れようとする。

しかしウェイは「許してもらえたってとこねラッキー」ってな感じで「私たち友達だよね」って言っちゃったものだから、チェン・ニェンはウェイを突き飛ばす。

アンラッキーなことに、CGで作ったのかっていうくらいの高く長い階段だったので、スタントウーマンの方お疲れ様ですって感じでウェイが階段を死刑のように落ちていって死亡。

ちなみにウェイは一年目の試験に落ちちゃった留年生だったようですね。
それで親からのプレッシャーが半端なかった。表情の人形の固まっていましたね。

チェン・ニェンは状況から言って殺人罪に当たるとは思えませんが、目撃者も居なそうだし、逮捕されて事情聴取とかされていたら受験ができないかもしれないし、そもそも事件を起こしたことで受験させてもらえないかも。

すぐ救急車呼んで自首すれば刑は軽く済んだだろうけど、とにかく「若い」のでその判断ができない。

結果、シャオベイがウェイを土に埋める。

チェン・ニェンは無事に受験することに成功。

しかし大雨で雪崩が起きたことで埋めたはずのウェイの遺体が発見されてしまう。シャオベイが逮捕。

警察はシャオベイがチェン・ニェンを守るためにウェイを殺害したと疑う。

シャオベイとチェン・ニェンはそもそも2人は会ったことさえないと嘘をついて乗り切ろうとする。
それでシャオベイにかかってる疑いを晴らせると思っていた。

映画の中の警察ってバカなことが多いけど、この映画の警察はバカではない。。

シャオベイとチェン・ニェンとウェイには繋がりがあることはすぐに突き止めて、シャオベイがウェイを車で運んだ形跡も見つける。

さらにバカではない警察は活躍する。とは言ってもシャオベイがウェイを殺したわけではないのでは?と疑う。

しかしシャオベイとチェン・ニェンは口を割らない。

シャオベイが10年くらいの刑を受けるけど、チェン・ニェンが受験に受かって社会で成功して、10年後くらいに再開して2人で幸せに生きようと考えている。

↑ものすごく甘い考え。若者が恋愛で燃え上がってる時に思いつく考え。こんなこと大人だったら考えない。でも彼らは若い。
それができると思っちゃう。

警察はチェン・ニェンを騙して自白させる。

ここでやっと実はチェン・ニェンがウェイを殺してしまったことが判明する。
シャオベイとチェン・ニェンは面会する。
会話は一切ない。笑顔。

私たち失敗したね
そうだな。うまくいかねえもんだな
浅はかだったのかな
しゃーねーな
でも楽しかったね
楽しかった
私たち失敗したんだね
失敗したんだな

無言だけれどこんなような会話をしていそうな表情のやりとりをする2人。

シャオベイは死体遺棄罪などで逮捕。

チェン・ニェンも受刑するが、ひどいいじめに遭っていたことも考慮されて割と早く出てくる。

チェン・ニェンは大人になり英語の教師になっている。イジメられているっぽい女生徒を心配して、その女生徒を家まで一緒に帰ってあげる。

その後ろには大人になったシャオベイ。
守護天使のようにチェン・ニェンの背後をつけている。

ラスト。イー・ヤンチェンシー(易烊千玺)がカメラ目線でしゃべる。以下に中国政府が国をあげていじめ問題に取り組んでいるかを紹介する。
こうやって国としていじめ問題に取り組んでいることはイジメを減らすことになるだろうし、今イジメられている子たちを救うことになると思う。
この映画は240億円以上の興行収入をあげる大ヒット作なので、こうやってわかりやすく大人たちがイジメ対策をしているってことを伝えることは実際意義深いと思うし、役に立つことだとは思います。
が、、、やっぱ映画としてはね、、、ちょっと、、、「あ、広報映画だったのかな」なんて思っちゃうよね。。「ちゃんとやってますよー」って言うための映画みたいだなーなんて思っちゃったんよね。。
でも、そんなことどうでもいいですからね!映画なんてどうでもいいことです!今いじめられている子がちゃんと助けを求められるシステムを作って広報することの方が何よりも大事ですから!


映画『復讐者たち』 ネタバレあり ホロコースト(ショア)の実際にあった復讐計画 

2021-07-25 | ネタバレあり
復讐者たち(2020年製作の映画)Plan A 上映日:2021年07月23日製作国:ドイツイスラエル上映時間:110分
監督ドロン・パズ ヨアヴ・パズ
脚本ドロン・パズ ヨアヴ・パズ
出演者アウグスト・ディール シルヴィア・フークス マイケル・アローニ

目次
  1. 復讐したい気持ち
  2. 正しい復讐?
  3. ホロコースト(ショア)とは、
  4. さて、この『復讐者たち』。
  5. キャラクターの描き方
  6. サスペンス映画としての作りが上手いんだと思います。
  7. ネタバレは以下に。


復讐したい気持ち

まだまだホロコースト関連については知らないことあるんだなと驚きました。。
そりゃ復讐したい気持ち湧き上がるよね。
ナチスドイツは負けましたっつってもナチの残党は残っていて思想も変えずに普通に生活してるのを見たら、
自分や自分の家族をされたことを「お前も体験しろよ」って思うのも無理からぬことだと思いますよ。

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正しい復讐?
『復讐者たち』四コマ映画→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2737



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ホロコースト(ショア)とは、

ナチス政権とその協力者による約600万人のユダヤ人やロマ、同性愛者などの組織的、官僚的、国家的な迫害および殺戮のこと。

僕が10代の頃に、『シンドラーのリスト』(1994)と『ライフ・イズ・ビューティフル』(1999)が大ヒットしまして、おそらくこれら映画でホロコーストというものが広く知られたんだと思います。

『ベント/堕ちた饗宴』(1997)や『ソフィーの選択』(1983)などもありますがそんなに多くの人が見たとも思えず(僕もまだ見てませんし)。

学校の授業では習ったけれども、映画以外にナチスやホロコーストについて広く知られる機会もそんなにないでしょうし。

その後もナチスやホロコーストを扱った映画はたくさん作られて、どんどん溜まっていって、玉石混交ではありますけど、題材が題材なだけに作り手も本気だからか、名作やサスペンス的に面白い映画も多いです。

エンタメ映画、コメディ映画の皮をかぶってるけど実は結構なナチス映画!ってのも出現してきましたね。
いろんな角度で描かれるのはいいことだと思います。

『サラの鍵』(2010年)、『否定と肯定』(2016年)、『帰ってきたヒトラー』(2015年)、『サウルの息子』(2016年)、『ハンナ・アーレント』(2013)あたりもオススメです。

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さて、この『復讐者たち』。

面白い。
ナチス側はほとんど描かれずに、ナチスに苦しめられたユダヤ人たちの中でも様々な考えの人がいて、その入り組んだ感じが面白い。
ちゃんとした手順で間違いもなく残酷でもない処刑をしていきたい派と、
(↑もちろんこれだって法律違反だし倫理的にもダメだわな)
過激にサクサク殺していくしなんならドイツ人全員を殺す計画を遂行してる派の対立。

***


キャラクターの描き方

ナチス側を描かないのも話に合ってますし
人物がそれぞれ的確で、人数合わせみたいなキャラもいなくて、各々が活躍していたのも良かったです。

過激派ナカムのリーダーのキャラクターも良いですね。

そんなに出番はないんですけど、落ち着いた人物で淡々と喋るので、逆に「この人も辛い目にあったんだなぁ」とか「復讐の鬼に囚われてるんだなぁ」と、こっちが勝手に想像を膨らませるキャラクター。素晴らしいじゃないですか。
この映画の一番の悪役なはずなのに。

***


サスペンス映画としての作りが上手いんだと思います。


多くの人が許容できる(できそうな)復讐を遂行する側と
さすがにそれはちょっと…と思う復讐を遂行する側の対立が面白いし。
その計画を止めるスパイとして送り込まれた人がそっちに飲み込まれてしまう感情の流れもよくわかる。
なので結局は戦争って100パー絶対ダメだし、人権を軽んじてるといつまで経っても問題は起き続けるんだという思いを新たにしますよ。


***

実話をベースにしてまして、確かにほんとにこの恐ろしい復讐が計画されていてある程度進められていた事実はあるようです。
物語の根幹はリアル。

ネタバレになるかもしれないので言えませんが、エンドロールに「あ、リア
ルなんだ…」って思わせるあの演出がありますし。
ただ、エンタメ映画としての構造もありまして。

ネタバレせずに書けないや。



ネタバレは以下に。


アンナ/プランAよ。裁判による正義なんて待てない。彼らはただ見てたのよ。私たちがあちこちで迫害されるのを。喜んでた。収容所も知ってた。ドイツ人は私たちの悲鳴を聞いていたの。自分の子に絵本を読むこのまちで裁判が行われる。ドイツ人が証人なのよ。長年の苦しみ。繰り返さない。目には目を。600万人には600万人を。

マックス/アウシュビッツ、ビルケナウに言っていた。ゾンダーコマンダーをしていた。

濾過センターの男(ヴィリー)/ヒトラーめ!

マックス、あれ?ドイツ人の中にもヒトラーを憎んでる人がいる?この計画進めても大丈夫?と一瞬考える。

ハガナーからの指令/早くアッバを探せ!時間がない。

それをマックスは破り捨てる。

ヴィリー、マックスに親切にする。

主任/後10分休め。

マックス/ありがとう

マックス、上下水道の図面を隠れてトレースすることに成功。

みんなで会議。

マックス/ここから毒を入れる。そしてここから逃げる。
男/数百万人殺して逃げられると?
アンナ/ハガナーに殺されるわ
ベルキン/タービンの修理は?
アンナ/アッバが戻るわ
マックス/アッバはどこに?
アンナ/パレスチナに毒を入手しに行ったわ

ベルキン/ラジオを修理する
マックス/安息日だぞ
ベルキン/俺にはもう関係ない

マックスが描いた家族の絵が増えている。
アンナ/私の息子も描いて。メナヒムは7歳だった。巻毛で頬はピンク。優しくて心の広い子だった。音楽好き強くて頑固だった。ゲットーから逃げると何時間も下水道を走った。雨で水位が上がっていた。息子は弱っていて…。いつか痛みは消える?
ユダヤ人が自分の家に戻ってきて家を取り戻しに来る。しかしすでにそこにはドイツ人たちが住んでいて追い返される。
それを見てマックスは怒りに震える。
ベルキン/抑えろ!いずれ彼らに罰が下る。

タービンが治り、水が流される。
主任/町に水が供給される!

子供たちが水を飲む。メナヒムに似た男の子。
アンナとマックス、映画館の前。入る。2人を監視してる男。ハガナー。
「日本が降伏を受け入れた」とニィー巣映像が流れニューヨークタイムズスクエアでは大騒ぎのニュース。勝利は全米に。
戦争中、ナチスは250箇所の強制収容所を運営し民間人や捕虜を約1000万人殺害しました。殺害方法はさまざまで…
アンナ、目を逸らす
マックス/見ておくんだ
500万人以上が飢えと拷問ののちガス室で殺されました。それに飽き足らず毒殺や銃殺の他、人体実験で殺害しました。
マックス/アンナ見るんだ
灰は肥料に。骨は石鹸に。
アンナは走って劇場から逃げる。それを淡々と見ている客席の人々。
抱き合う2人。泣きながらセックス。すぐ終わって逃げるアンナ。

パレスチナの男/コヴナーさんにお会いできて光栄です。
アッバ・コヴナー/ある物質を。強力で。無味無臭。証拠の残らない…
パレスチナの男/……………

ミハエル(ハガナー)/時間がない。
マックス/いつになるか
ミハエル/各国が分前を狙ってドイツに集まっている。アンナと親密だろ。ドイツは安住の地じゃないぞ。
マックス、怒って出ていく。

マックス/連合軍がやってきてる。
男/知ってる。
アンナ/毒の調達に出てもう3ヶ月よ。
マックス/今更やめられるか
アンナ/あちこちに米兵が。米兵は殺せない。
男/犠牲は仕方ない
マックス/連合軍への水の供給は遮断すればいい。

地下へ。遮断する地下道の水道管に印をつけていく。ランプ消える。真っ暗。アンナが発狂。声が地上に聞こえてしまいそう。
アンナ/メナヒム!!!!息子が重いの!支えられない!許してメナヒム!ごめんなさい!

アパートの住民の女性たち/あなたたち何者?屋根裏で何をしてるの?ヘブライ語の祈りが聞こえたわ。ユダヤ人よ!知ってるわ!
時間がない。
アッバからの手紙。読む前にハガナーたちが近づいてきた。窓から逃げる。目の前にミハエル。
マックス/アッバから手紙が!彼はパレスチナにいる!毒は調達できなかったと!
ミハエル/暴力で憎しみは消えない。酷くなるだけ。ドイツは危険だ。今も約束の地で恐怖を知らない世代を育ててる。これこそ真の復讐だ。この街を出るか。ハガナーに引き渡されるか。決めろ。
マックスはアッバからの手紙をミハエルに渡す。

マックス/あれは古い手紙だ。新しい手紙はここにある。
「資金援助も薬品も入手した」

ボトルに入った薬品をカバンに入れるアッバ。実験したであろうラットが死んでいる。

ベルキン/いよいよ今日だ。
ベルきんとアンナはデキてるっぽい。それを見てマックスは微妙。
アンナ/私はいい。私の場所へ行く。
マックス/メナヒムは?仇は?
アンナ/子供は殺せない。死は懲り懲り。一緒に来て。
マックス、首をふる。
アンナ、去る。

死神が入っていると言われた袋を開けるマックス。(ここからは死神によるイフの世界。恐ろしい復讐計画が実行されたら?という幻想の世界)

アッバ/みんなは?
マックス/アンタを迎えに。例のものは?

街へ。
マックス/尾行されてる
マックス、毒が入ったリュックを背負って逃げる。それを追うミハエル。
マックス、下水道へ。タービンへとたどり着く。ヘトヘトのマックス。急いでカバンの中の薬品を。
ミハエル、銃をむける。「毒を渡せ!大丈夫だ!」
バトル。マックス、ミハエルの首を絞めて殺害(気絶?)。
マックス、水槽に毒を注ぎ入れる。1本、2本、3本。。。。
黒く濁る水。一滴残さず入れる。息子と妻。ブランコで遊んでいる。こちらを見てる。マックス、水槽の中に飛び込む。自殺。

道端でたくさんの人々が死んでいる。子供も多い。
「もしA計画が実行されていたらどういうことになったかと、考えない日はない。ドイツ中に毒が流れていくのを。」

屋根裏部屋のマックス。アッバが現れる。アッバじゃなくてミハエル。
イギリス警察がアッバを逮捕していた。アッバが乗った船を捜索。アッバはカバンを海に捨てた。組織は分裂。

マックスは、故郷に帰った。「いい人生を送ること。それが復讐。」
家族を殺されたと知ったら?あなたの兄弟、姉妹、子供たち。
ご本人たち登場。
罪もなく殺されたらどうする?自問してくれ、どうするか。

終わり





『サイダーのように言葉が湧き上がる』コロナ延期で1年越しでやっと本日公開! シティポップ感溢れるオリジナルアニメ

2021-07-22 | 映画イラスト
サイダーのように言葉が湧き上がる(2020年製作の映画)
上映日:2021年07月22日製作国:日本上映時間:87分
あらすじ
17回⽬の夏、地⽅都市。コミュニケーションが苦⼿で、⼈から話しかけられないよう、いつもヘッドホンを着⽤している少年・チェリー。彼は⼝に出せない気持ちを趣味の俳句に乗せていた。 矯正中の⼤きな前⻭を隠すため、いつもマスクをしている少⼥・スマイル。⼈気動画主の彼⼥は、“カワイイ”を⾒つけては動画を配信していた。 俳句以外では思ったことをなかなか⼝に出せないチェリーと、⾒た⽬のコンプレックスをどうして…
監督 イシグロキョウヘイ
脚本 佐藤大
主題歌/挿入歌 never young beach
出演者 市川染五郎 杉咲花 潘めぐみ 花江夏樹 梅原裕一郎 中島愛 諸星すみれ 神谷浩史 坂本真綾 山寺宏一



遂にこの時がやってきた!


コロナ延期で1年越しでやっと本日公開!!!!
サイダーのように言葉が湧き上がる 
チラシイラスト #四コマ映画 を描かせていただいております!




チラシにこの四コマ映画が掲載されております

劇場にチラシ置いてあるかもしれないので、見てみてください!







映画『ラブ・ギャランティード』 出会い系って会費月三万もすんの?

2021-07-19 | 映画感想

ラブ・ギャランティード Love, Guaranteed
監督 マーク・スティーヴン・ジョンソン
脚本 エリザベス・ハケット ヒラリー・ガラノイ
製作 レイチェル・リー・クック ダン・スパイロ
出演 レイチェル・リー・クック デイモン・ウェイアンズ・Jr ヘザー・グラハム


「マッチングアプリに登録して月30,000円くらい払ってるし
1000回デートしたけど恋人できなかったから
経営会社を訴える」

という、弁護士ドラマなら一話に2つある裁判のうちの一つみたいな裁判でラブコメを作ったよ!

という映画。


**

目次

  1. 今後もっともっと増えるでしょうね、
  2. ラブコメで大事なのは脇役。
  3. 主演2人
  4. 寅さん


今後もっともっと増えるでしょうね、

この感じの映画。
配信で広く浅く短く楽しんでもらえる映画。
中規模映画よりももっとテレビ寄りの90分映画。

ターゲットと合致していれば問題ないと思いますし、
この規模の良作は日本で公開されない場合も多かったし
DVD市場でも埋もれがちだったけど
配信ならば見つけやすい。
(寿命は短そうだけど)


**


ラブコメで大事なのは脇役。


脇役がいかに楽しくて羨ましいくらいに素敵な友達(同僚)かどうか。

敵も憎いんだけどどこか憎めない方が観てて楽。

この点でこの映画は素晴らしい。

敵のアプリ経営の社長(ヘザー・グラハム)、めっちゃ面白いもん。



**

主演2人



レイチェル・リー・クック演じる主人公の弁護士スーザンのキャラは面白いので
この人であと3本くらい撮っちゃったらどうでしょう。
毎回依頼人に惚れちゃうみたいな。

デイモン・ウェイアンズ・Jr演じるニックは、
ハンサムだしスタイルも常人離れしてるしセクシーダダ漏れだしひたすらに知的だしユーモアもあって優しくて
慈善事業のことも考えている人格者。

↑恋人ができないのはこの人の人格に問題があるからではなくて、
マッチングアプリが顧客に不誠実だからという設定のためにニックが完璧人間にされたんだけど、

なかなか演じるのは難しいですよね。。。

だって完璧なんだもん。
ほつれてるとこがあるから魅力的なんだけど、それを表現できないからね。。
実在感がなくて。。

**


寅さん

デイモン・ウェイアンズ・Jrはひたすらに極限にかっこいいんですがキャラとしては薄いので、、
もし次作あるなら別に出てこなくてもいいので、、スーザンの裁判と恋愛をひたすら寅さんのように繰り返してもいいのでは。

レイチェル・リー・クックが製作してる映画だし。


映画『ゴジラvsコング』陰謀論信者が活躍しちゃうとは…

2021-07-17 | 映画感想


ゴジラvsコング(2021年製作の映画)Godzilla vs. Kong上映日:2021年07月02日製作国:アメリカ上映時間:114分
監督 アダム・ウィンガード
脚本 エリック・ピアソン マックス・ボレンスタイン
出演者 アレクサンダー・スカルスガルド ミリー・ボビー・ブラウン レベッカ・ホール ブライアン・タイリー・ヘンリー 小栗旬


目次

  1. 陰謀論信者
  2. 日本人スターがハリウッド映画に出演する際、
  3. 正直小栗旬をあんまり観たことがなかったんですが、、


陰謀論信者

陰謀論を信じて広めてる人たちがある程度の活躍をしちゃったのはちょっとどうかと思うなぁ。

握りつぶされたり踏まれたりはしないと思ったけど
まさか何の反省もなく、、
ちょっと活躍して終わるとは。。

どういう意図なんだろ。。

陰謀論信者を単純に悪役として(またはアホとして)断罪するのではなく
共に生きよう!ってことなのかな。

思いやりが深いなぁ。。


**


日本人スターがハリウッド映画に出演する際、


そもそもそのハリウッド映画が死ぬほど低予算のものだったり
そこそこのクソ映画だったりすることが多いし、

今回のようにほんとの超大作だったとしても役としてはイマイチだったり
美味しい役だったとしてもそれを活かせない場合は多かったのです。

香港などのアジアスターもつまらない悪役を演じさせられて、、
演技力やカリスマ性を発揮できずじまいというケースもありましたよ。

そんな中、小栗旬、何と面白かったことでしょう。

白目やオルガ●ム顔も素晴らしかったし
面白かったし
初登場シーンの風格や
セリフがないところでの体全体の空気感が素晴らしかったですよ。


**


正直小栗旬をあんまり観たことがなかったんですが、、

こないだ『ミュージアム』を観たら素晴らしいスターオーラだったし
『キャラクター』でもすごい存在感でしたよ。

ほんとにハリウッドスターの貫禄を感じられる日本では珍しい人だと思いました。

で、失礼ながら小栗旬ってちょっと面白いじゃないですか。
雰囲気とか軽さとか。

こんだけのスターで面白いって人そうそういないし

しかもハリウッドで通用しそうな顔の小さいさと身長でしょ。


もうね、ほんとにハリウッドで活躍して欲しい!という話でした!


映画『ブルー・ジェイ』ネタバレあり ブルージェイとは

2021-07-17 | ネタバレあり
ブルー・ジェイ(2016年製作の映画)Blue Jay 製作国:アメリカ上映時間:80分
監督 アレクサンドル・レーマン
脚本 マーク・デュプラス
出演者 マーク・デュプラス サラ・ポールソン クルー・ギャラガー

目次

  1. マーク・デュプラスとジェイ・デュプラスのデュプラス兄弟
  2. ずっと演劇っぽい。
  3. なぜこの2人が過去に別れてしまったのか、
  4. マーク・デュプラスとサラ・ポールソンの演技が素晴らしい。
  5. ネタバレは以下に


マーク・デュプラスとジェイ・デュプラスのデュプラス兄弟




卵ブホッ!

**


デュプラス兄弟はNetflixと4本の映画制作の契約を結んでいて、今作は一作目。

二作目は名作『パドルトン』。
観てね。



**


『パドルトン』は名作ですけど
これはちょっと初期衝動で暴発的に撮った感じがあります。

その初期衝動の魅力は強くあります。

出演者はほぼ2人のセリフ劇。
長回しも多く。
カメラは2台の切り返し多用。


**


ずっと演劇っぽい。


撮影方法も演劇っぽいんだけど
主役2人も演劇っぽい。

どこまで意図的なのかはわからないけど
この2人はある意味ずっと演技をしている2人なので演劇的であることは、キャラクターと合致してる。

この2人はずっと「イフ」を演じてる。
あったかも知れない別の世界線の自分達を演じてる。

中盤は完全に台本のある芝居を始めますからね。
演じている2人、なのは事実でしょう。


**


なぜこの2人が過去に別れてしまったのか、


そして再会した時にどうしてあんなにも気まずかったのか、
は2人が演技をやめた時にやっと明かされます。

なるほど、それはなかなかだわ。。
そりゃずっと引っ張ってきただけある重い過去だわ、と思いました。。


**


マーク・デュプラスとサラ・ポールソンの演技が素晴らしい。

エチュードなのかなと思わせるような緊張感というか、自由さもあって、この2人の掛け合いはいくら観ていても飽きない。

ちょっと臭いかな、ちょっと長いかな、と思うシークエンスもあるんだけど
前述の通りこの2人はずっと演じてなきゃいけないので
臭いのも平気だし
むしろ長いのは(2人にとっては演技を続けられるので)ありがたい。


25分くらいの短編の方が良かったのではと思ったりもしたけど
やはりラストに明かされる過去の重さを表現するには
観客が「長い」と思うくらいの時間の質量は必要だったんだと思います。


**

ネタバレは以下に





2人が付き合っていた若い頃、望まぬ妊娠をしてしまった。

ジムはことの重大さを受け止めきれずサラに能天気な励ましの手紙を送ってしまう。

サラは自分の体が変化し、自分の中に別の命が宿っていることに怯え、自分の人生が急に劇的に変わることに恐怖を感じている中、
ジムからの手紙を読んで
「あまりにも若すぎる」と一人で堕胎を選択した。

ジムは「勝手に」「恐ろしいこと」を実行したサラを許せなかった。

ジムは自分の子供でもあったのに堕胎したサラを許せず、2人は別れた。

**

ちなみに
主演のマーク・デュプラスと
彼の兄で映画の共同制作者でもあるジェイ・デュプラスはカトリックの家庭に育ったとのこと。

カトリックでは堕胎は禁止されている。

この映画では堕胎を禁忌として描いているとは思えない。
むしろ女性の権利、母体の保護を訴えている映画だと思う。

マーク兄弟が主人公のジムに自分達を投影したのかはわからないけど
以前は家庭の宗教を信じて堕胎を悪だと考えていたけど
今では考えを改めたよ、という映画のように思える。

**

兄の名前がjay でタイトルが『Blue Jay』なので、この物語は兄の後悔の物語なのかと思いましたが、

Blue Jayはアオカスケという鳥の名前なんですね。

Blue Jay Streetってのはこの映画の舞台であるカルフォルニアの地名なのだそう。



映画『アジアの天使』アジアの天使の意味 日韓合作映画!!

2021-07-17 | 映画感想

アジアの天使(2021年製作の映画)
上映日:2021年07月02日製作国:日本上映時間:128分
監督 石井裕也
脚本 石井裕也
出演者 池松壮亮 チェ・ヒソ オダギリジョー キム・ミンジェ キム・イェウン 佐藤凌


目次

  1. 「アジア」の「天使」という謎の組み合わせ。
  2. 自由三部作
  3. で今作『アジアの天使』。


「アジア」の「天使」という謎の組み合わせ。

アジアもわかる。
ユーラシア大陸の右の端。世界の端。

天使もわかる。
翼を背負ったムチムチした半裸の白人子供のイメージ。

しかし「アジアの天使」と言われると突然バグる。。

アジア人が半裸で翼を背負ってる絵が浮かばない。。


いかに西洋のイメージを囚われていたか。

アジア人が翼を背負ってもいいはずなのにそれがイメージできない。
なんか恥ずかしくなっちゃう。


イメージなんか自由でいいはずなのに、固定化されていたし、
じゃあ自由になろうとしてみても
なかなか枠が取り払えない。

受け入れてしまったイメージはなかなか変えられない。。


でも、そんなこと言って次の世代にまたそのイメージを丁寧にそのまま伝えていいんだろうか。


と、教えてくれる映画。


**


アジア人がアベンジャーズのメインどころにいてもいいのに、アジア人自身がそれをイメージできない。

アジア人がハリウッドの恋愛映画の主役をはってもいいのに、アジア人自身がそれに違和感を感じちゃう。

  
だから小栗旬には頑張ってもらいたい。
大河やるからしばらくは日本にいるんだけど。





自由三部作

さて、
監督曰く『生きちゃった』『茜色に焼かれる』『アジアの天使』は自由三部作とのこと。



『生きちゃった』も『茜色に焼かれる』もブラックコメディ風味ではあったと思いますが、
とくに『茜色に…』の方はあまりに辛い状況すぎてなかなか笑いにくいものでした。
飛び蹴りとか笑ったけどね。

この2作はバランスとか観やすさとかを考慮した映画ではなく、猟奇的な力強さが魅力の映画なのだと思います。

どちらも好きです。


**




で今作『アジアの天使』。



オダギリジョーをコメディアンとして使っていてほんとに面白い。笑いました。
全体的に軽いですし、コメディ色強いですね。

『生きちゃった』『茜色に焼かれる』を観ているからこの映画の見方が分かりますけど、
単独でこれだけ観たらちょっと難しかったと思います。。

誰の何の話なのかわからぬままある程度進みますし。


観終わっても何の話だったのだろうと思うかも。。
ただ、テーマは冒頭でわりと何度も連呼されていたし、
「天使」についてもラストで繰り返し語っていましたね。


**


それぞれの映画の根幹には〝怒り〟があって、
ラストには「じゃあどうすればいいのか」が意外と易しく提示される。

それを言葉で書いちゃうと僕の語彙力では薄っぺらくなっちゃって、作り手の方々に申し訳ないので書きませんが、
映画観てくださいってことですが。


**


まぁ、この映画単独ではちょっとキツイかな、、と思います。
言いたいこともやりたいこともわかるんですが。。

池松壮亮じゃなかったんじゃないかなぁ。。

巻き込まれ系で頼りないんだけど見捨てられないキャラ、ムロツヨシ系の人が良かったかと思いますね。。。

ムロツヨシ系ならば冒頭の雑居ビルのシーンもほんとに笑えたのでは。

池松壮亮のコメディ演技はちょっと。。。

その違和感すらもこの映画の魅力だと言ってしまえば、それまでなんですが。。




映画『83歳のやさしいスパイ』ネタバレあり オスカー候補のドキュメンタリー 

2021-07-10 | ネタバレあり
83歳のやさしいスパイ(2020年製作の映画)
El agente topo/The Mole Agent 2021年07月09日製作国:チリアメリカドイツオランダスペイン上映時間:89分
ジャンル:ドキュメンタリー
監督マイテ・アルベルディ
脚本マイテ・アルベルディ




面白かった。。。

おじいちゃんスパイが老人ホームに潜入するんだけど
ターゲットの入居者がわからない。
なぜなら「みんな同じ顔だ」から。。

確かに、みんなおんなじくらいに老けてるし、
おんなじくらいにちょっとぼ〜っとした表情をしてる。

「老人ホームに入ってる老人」としてしか認知できない。

しかしそれぞれの人生や今現在の苦悩を聞いていくうちに、顔と名前が繋がってくる。
「老人ホームに入ってる老人」が「80年90年生きてきた個性あふれる人」に見えてくる。
自分がいかにシニア層の人たちに対して関心がないか、知ろうとしないか、関わろうとしていないか、を思い知らされました。。

反省。。

****

どうやって撮影したのか(どういう手順を踏んだのか…)が気になってしょうがなかったけど、
おじいちゃんスパイのポンコツっぷりが面白くて何度も笑いました。



このスパイおじいちゃんは目立っちゃいけないはずなんだけど
スマートで優しくてユーモアもあるから女性入居者の多くからめちゃくちゃモテてしまって、ホームの中心的人物になってしまう。。
この辺りが本当に面白い。。



スパイ活動はちょっと停滞するんだけど、、
次第に入居者たちがその心のうちを明かし始めると、彼女・彼らの今までの人生やまさに今の気持ちなどが見えてくる。

ぼーっと庭を眺めて座っている姿を見て
「ほのぼのとした平和な気分でいらっしゃるんだろうな」と思っていた。
っていうか思いたかった。

そう思うことで罪悪感を感じたくない自分がいる。



そんな中、
このおじいちゃんスパイはある真実を探り当てます。
それは我々老人ホームの外にいる人間にとっては、グサリと刺さる真実。
ものすごくシンプルなことなんだけどこの真実はなかなか辿り着けなかったことだと思います。

このシンプルな真実をこんなにもグサリと深く突きつけられるってことは、
この映画はすごくよくできた素晴らしい映画なんだと思います。



*****


ネタバレは以下に。









施設側もこのおじいちゃんがスパイ活動をしてるってことは知らさせていなかったようです。

もちろん撮影隊は入っているわけですから、事前に施設側と入居者には入念な説明をして、「良いところも悪いところも全部撮る」ということで許可はもらっていたとのこと。

スタッフや入居者とカメラがあたたかい距離感であることがわかるので、事前の説明や納得がちゃんとなされていたんだろうなと思います。
撮影が終わって撮影隊が帰る時も入居者たちに「あなたたちと別れるのが寂しい」と言われたとのことですので、撮影中もあたたかい空気感があったのでしょう。

****

日本だと探偵業を隠したり偽って探偵してはいけないという探偵業法があるらしいんですが
チリにはないんですかね。。

施設側はこのおじいちゃんがスパイだと知らなかったので。。

****

流石に映画としてまとめるにあたって許可が必要だったと思うので、
施設側も撮影後に彼がスパイだと聞かされて驚いたでしょうけど、
撮影されたものを見ても問題ないと判断したんでしょうし、
セルヒオさん(スパイのおじいちゃん)が素晴らしい人格や
彼が施設にもたらしたことを考慮して許してくれたんでしょうね。
****
おじいちゃんスパイのセルヒオさんが突き止めた真実はシンプルなものでした。
でも、それは施設外の人間からすると辛い真実。
だろうなと思ってはいたけど目を背けたかった真実。
彼女・彼らは「孤独」であるということ。

この施設はとても良い施設だったと思います。

楽しい時間もイベントも多くあると思います。

でもそれでは拭いきれない「孤独」「悲しみ」。
「泣いていいんですよ」と言われて「ほんと?」と泣く女性。

お母さんに「どうして迎えに来てくれないの?」と電話する女性。

もちろん彼女の母は亡くなっている。スタッフの女性がお母さんのふりをして電話対応してくれている。それを見るセルヒオさんの表情が切ない。

****

耳が痛い。

監督はこの映画を老人ホーム告発映画にするつもりで撮ったわけではない、と。
実際そうはなってないし。

「コミュニケーションさえ取れていれば起こらない問題」を取り上げた、と。
近しい関係だからこそ難しいのだろうとしつつも、
会って話したり電話で話すことで回避できる問題であって、
いちいち探偵に依頼しなくてもいいはずなのに、とのこと。

あ、「親が入居してる老人ホームを偵察してほしい」と探偵業者に依頼が実際によく来るそうです。

セルヒオさんも実際に「こんなことスパイを雇わなくても子供が会いにくればいいことじゃないか」と言いました。
耳が痛い。。。



映画『バクラウ 地図から消された村』 読む価値のない記事です

2021-07-05 | 映画感想
バクラウ 地図から消された村(2019年製作の映画)
Bacurau上映日:2020年11月28日製作国:ブラジル上映時間:131分
監督ジュリアノ・ドネルス クレベール・メンドンサ・フィリオ
脚本ジュリアノ・ドネルス クレベール・メンドンサ・フィリオ
出演者ウド・キア ソニア・ブラガ

僕はこの映画を楽しく観ることができませんでした。。
楽しみ方がわかっていたり豊富な知識があれば楽しく観れたのかもしれませんが、僕にはそれがなかったです。。
観終わったあとで色々調べたら、なるほど社会風刺が効いていたり色んな映画の楽しさが詰め込まれた映画だったことがわかりまして。
だからカンヌ映画祭で賞とったりオバマに褒められたりしたわけね、と納得しました。
けど僕はちょっと飽きてしまったし、、、もっととんでもない大殺戮を期待してしまったもので。。。



『ファザーフッド』あんまりなかったんです。黒人俳優がメインを占める普っ通の映画って

2021-07-05 | 映画感想
ファザーフッド(2021年製作の映画)Fatherhood製作国:アメリカ上映時間:110分
監督ポール・ワイツ
脚本ポール・ワイツ
出演者ケヴィン・ハート アルフレ・ウッダード リルレル・ハウリー



普通に黒人俳優たちがメインキャストを占めるハートフルムービー



『gifted ギフテッド』同様に父親の勝手さによって
娘があっちに預けられたりやっぱ取り戻したりってのが見てられなかった。

**

が、まずは普通に黒人俳優たちがメインキャストを占めるハートフルムービーが存在してることはめでたく迎えたいですね。
以前からブラックムービーと呼ばれる黒人が主要な役割を果たしてる映画はありましたが、
人種差別がテーマだったり
貧困から来る犯罪映画だったり
異様なほど白人のいない世界だったりと
それぞれに意図や意義はありつつも
ちょっと特殊な映画でした。

今作のような普通の話を黒人俳優がメインキャストで普通にできることはとても嬉しい進化だと思います。

**




なんと言っても今作の魅力はメロディ・ハード(Melody Hurd)ちゃん。


マディを演じたメロディちゃん。
今作で大ブレイクすることでしょう。
ツンデレっぷりがめっっっちゃくちゃかわいいですね。
コメディからシリアスまで演じられるスター女優になって欲しいけど

まだまだ若いから
ダンサーなのか消防士なのか宇宙飛行士なのか
あの子ならどんな夢でも叶えられそうな力強い明るさが満ちてましたね。

**

スワン役のテワンダ・ワイズも素敵でしたね。。。
『ファザーフッド』と言うタイトルですが、マディとスワンのシスターフッド感もいいですね。

**

このサイズの映画はとても好きですけど
ラストあたりの父親の勝手な気の変わりようをもうちょいなんとかして欲しかったな。