映画感想(ネタバレもあったり)

映画コラム/映画イラスト

ブルース・リー 映画『ドラゴン怒りの鉄拳』ネタバレあり なんでこんなに後味悪いラストなの…

2021-08-18 | 映画感想
ドラゴン怒りの鉄拳(1972年製作の映画)
精武門/FIST OF FURY 上映日:1974年07月20日 製作国:香港上映
監督ロー・ウェイ
脚本ロー・ウェイ
出演者ブルース・リー ノラ・ミヤオ ロバート・ベイカー ジェームズ・ティエン

びっっっっくりするくらい後味悪いラスト。。


マジか。。。
当時の中国(上海)は日本や西洋列強からの圧政に苦しんでいたんですね。。
虐げられながらも正しく〝義〟に生きるブルース・リーに憧れたのでしょう。


第1作目公開から4ヶ月後に第2作目を公開!


サンフランシスコで『グリーン・ホーネット』とかで好評を得つつもイマイチだったブルース・リーが
香港に戻って第1作目『ドラゴン危機一髪』が大ヒット!!
その大ヒットを受けて4ヶ月後には2作目『ドラゴン怒りの鉄拳』を公開!
すごいよね、さすが!
一作目が大ヒットしたぞっつって脚本書いて撮影してアフレコして編集して4ヶ月で上映しちゃう!
そしてアジア全域で興行成績を塗り替える大ヒット!
前作出演のジェームス・ティエン(ホイさん)も出演!
なんともめでたい話。
**

今作でのブルース・リーの役はチェン・チェン(陳真)。

(映画の中ではチャンと呼ばれてるが…)
チェン・チェン(陳真)は映画内の架空のキャラなんだけど中国人に対する侮蔑と戦うキャラクターとして「ジェット・リー、ドニー・イェンなど、多くのカンフー・スターがこの役を演じている」という不思議な現象も起きてる。

**


今回の敵は日本人。


めっちゃくちゃ中国人を馬鹿にしてる。
チェン・チェンの師匠の道場(精武館)を穢した日本の柔道道場が敵。
師匠(ホーさん)の謎の死にも関わってるっぽい。
チェン・チェンの死んだ師匠は、武術は自分との戦いであり敵を倒すためのものではないという教えがあって、敵と戦うことを禁止されている。

でも今回のブルース・リーは前作と違ってすぐ戦う。
映画開始18分で日本人たちをボロカスに薙ぎ倒す。。
前作の反省かな。


法に則った裁き


前作でもそうだったけどちゃんと警察が出てきてちゃんと逮捕されるのが面白いですね。
租界では法があってないようなもんだったから、逆に法に則った裁きを主人公でさえも受けることに美学があったのかな。


ネタバレは以下に。




「犬と中国人禁止」の看板。
日本人や外国人は入れるけど中国人は入れない。
チェン・チェンは日本人たちにものすごく失礼な態度を取られる。
「武術は自分との戦いのため」っていう師匠の言葉なんてなかったかのように日本人を殴り蹴り倒し看板も木っ端微塵にする。
**
今度は日本の柔道道場が精武館わ攻めてくる。
精武館はめちゃくちゃにやられる。
単独行動したチェンが怒られる。
チェンは自分の身の危険と精武館のために上海を出て行けと言われる。
実はユアンとの結婚のために帰郷してきたのに明日上海を出なきゃいけなくなっちゃった。
(結局出て行かないけど)
**
師匠の死因は菓子。毒殺。
「俺がホーを殺した!」と日本人。
その日本人とチェンの戦い。
めっちゃくちゃスローモーション。
あっという間に日本人死亡。
中国人の門下生も師匠の死に関わっているようだが、チェンはそいつをすぐ殴り殺してしまったので真相が謎。
ブルース・リーはすぐ殺しちゃうの。
そしてその事態を街中に吊しちゃう。
それ猟奇殺人犯がやることだから。
**
「ここは租界だから私たちが疑われるわ」
租界とは、もと中国の開港都市で、外国人が警察・行政を管理した一定の地域。
阿片戦争後の1840年代以降、不平等条約により中国大陸各地の条約港に設けられた。
外国人から虐げられるフラストレーションがあったわけですね。
**
ティンとフォン殺害を疑われるチェン。
事実チェンが殺したんだけど。
その頃、チェンは野宿。
なんか野生動物を串刺しにして焼いて食ってる。
割と大きいサイズ。。。dogかしらん。。
2人を殺害したチェンは警察から追われることになるだろう。
ユアン「私たちの夢を覚えてる?ホー師匠の教えを守って精武館を広める。そして家族を作る。男の子と女の子。夢は叶うかしら」
チェン「叶うさ」
 
キス。割と濃厚。
「決着がついたら必ず君を迎えにいく」
**
虹口道場の通訳ウーが師匠の死に関わってる。
ウーが警察に連絡。
警察が精の館に圧力をかける。
警察「ここは日本人の租界だ。日本人を怒らせるとやっかいだ」
**
虹口道場、ロシアンマフィアのドンであるペトロフを接待。
人力車の男になりすましたチェン、ウーを乗せて行き止まりに連れてく。
鈴木館長が毒を用意した?ウー→フォン→ティンを経由してホー師匠は殺害をされた。
チェン、ウーを殺害。
**
新聞配達の年寄に変装したチェン。
情報を集める。
**
精武館「チェンが捕まったらチェンは死刑だ。早く見つけて上海を出るように言わないと」
ユアン「私、彼に会いました」
**
チェンの変装③。
電話の修理人。
虹口道場に入り込む。
ロシアンマフィアのペトロフが稽古してる。強い。
素手で木の板に釘を刺していく。釘は貫通してる。
鉄の棒を捻じ曲げて左腕に巻きつける(何故)。
もっと太い鉄の棒を曲げる。
みんな拍手。
電話の修理人に扮したチェン、鈴木館長の部屋に呼ばれる。
電話直すフリ。
「精武館を叩き潰しましょう」
チェン、電話を直してそのまま去る。
(つーか電話直ってないよね。チェンなそんな技能ないよね)
「租界は日本人の思い通り。証拠さえ残さなければ」
「すぐにやれ!」
**
チェンを探す精武館の人たち。
**
チェン、虹口道場に乗り込む。
門下生を倒す。
真剣vs素手のチェン。
真剣を上に蹴り上げて落ちてきた真剣が敵の背中に刺さる。
チェンの勝ち。
ペトロフvsチェン。
頭を蹴り上げ脳震盪を起こしてるペトロフの喉仏をチョップ!
チェンの勝ち。
真剣を持った館長vsチェン。
狭い室内で真剣との戦い。
チェン、ヌンチャクを使い始める。
真剣も折れ、ヌンチャクのチェーンも切れてしまう。
結局素手の対決。
チェン、館長の喉仏を飛び蹴り。
チェンの勝ち。悲しげに空を見上げる。
**
その頃、精武館が虹口道場たちに襲われて門下生の多くが殺害されていた。
師範とユアンたちが生存者を探すもはとんど死亡してる。
「師匠に申し訳ない」
「ここまでされて黙ってるんですか」
「正しいのはチャンだった!日本人め!」
**
警察と日本領事館がチェンを探してる。
警察「租界で日本人に逆らうな」
師範「チェンがどこにいるか本当に知らないんだ」
チェン、精武館に戻る。
門下生たちが殺されてるのを発見。
日本領事館「精武館を消すぞ。ここでは日本人が法だ!チェンに心があれば自首するだろう」
チェン、警察のもとに。
ユアンや師範たちと悲しく目を合わせる。
チェン「俺が自首すれば精武館は助かるのか」
警察「約束しよう。私も中国人だ」
チェン「自分の罪は自分で償う。精武館は関係ない」
玄関を出ると、憲兵とイギリスの警察隊?がチェンに銃を向けている。
チェン、叫びながら飛び蹴りする。
ストップモーション。
銃声が轟く。
おわり

チェンにも弾は当たるだろうし奧にいる警察や日本領事館や師範たちにもあたって何人も死ぬでしょうよ。
なんてブルーなラストなの。。
チェンはめっちゃ人殺してるからその罰として死があるのはまぁ映画の中での話ならわかりますけど、
その奥にいる警察や師範やユアンまで銃殺されてるかもしれなくて、、、それはさすが映画の中の話としても鬱過ぎるでしょ。。。
この悲しく辛いラストが観客の心を燃やすものがあったんですかね。



最新の画像もっと見る